艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、1話が終わりました

面白かったですか??

島風と出逢い、提督の心にほんの少し変化が現れます

そして、このお話で自分の“艦娘”を手に入れます


2話 鷹は舞い降りる(1)

「さて…」

 

寂しいもんだな…急に1人になると

 

そうだ、建造の様子でもみるか

 

建造ドックに向かうと、昨日の手の平サイズの人間が一塊になっていた

 

今度はビビらないぞ

 

「ん⁇」

 

足元で数人の手の平サイズの人間が、私の靴を引っ張っていた

 

私は屈んでそれを掴み、手の平に乗せた

 

「お前達、名前は⁇」

 

”妖精や”

 

「それで⁇何の様だ⁇」

 

”ドックがヤバいねん︎”

 

”早よ来て︎”

 

「ドックがヤバいだと︎」

 

彼等と建造ドックに向かうと、人型の何かが出来上がりかけていた

 

「これは…⁇」

 

”多分空母やねんけど…”

 

”ボーキ入れすぎたな”

 

”爆発すんで”

 

”ニゲロー︎”

 

「え︎ちょっ、お前ら︎」

 

振り返った瞬間、案の定爆発が起きた

 

だが、音の割には火力がショボい

 

「蓋取れただけじゃねぇか…」

 

ただたんに、溶鉱炉の蓋が取れただけだった

 

”大丈夫なんか⁇”

 

”大丈夫や、提督生きてるやん”

 

”せやせや、大丈夫や”

 

「お前らなぁ…」

 

”でけたで、初艦娘やな”

 

「この娘…が…」

 

勇ましく出て来たと思えば、すぐにその場に寝そべった、私の初艦娘

 

「よいしょ…」

 

その娘を起こし、目元を擦ってみた

 

「名前は⁇」

 

「たいほう…」

 

「そうか…たいほうか…俺はこの基地の提督だ」

 

「おやすみ…」

 

「あ…」

 

私の腕の中で再び眠りについた、小さな艦娘

 

幸先が、物凄く不安になった

 

「はぁ…」

 

”提督︎昔、航空機乗ってたんか︎”

 

話しかけて来たのは、ゴーグルとメットを装着した妖精

 

「乗ってたぞ」

 

”他には何が得意や⁇”

 

「そうだな…旧式のライフルで鷹を撃ち落とせるな」

 

”これやるわ、深海凄艦にはあんまり効かんけど、ちょっと位なら戦える様になるで”

 

「どれ…⁇」

 

大勢で運んで来たのは、旧日本軍のライフルだった

 

「中々の代物だ。こんなモンまで作れるのか⁇」

 

”作れるわさ。こちとら、戦艦の主砲も作れるんやで⁇”

 

「案外凄いんだな…見くびってたよ」

 

”ホンマや、もっと頼り︎”

 

”その代わり、戦闘機の乗り方おへて”

 

「あぁ、勿論。お前らが音を上げるまで鍛えてやる」

 

”この大鳳は任しとき。改装の余地ありや”

 

数人がかりで、たいほうを持って行ってしまった

 

”ほなおへて”

 

近くにあったホワイトボードとマジック、そして少しのマグネットを手に取り、講義は始まった

 

「艦載機に乗る妖精は、何人位だ⁇」

 

”とりあえず30人や”

 

「分かった。じゃあ始めよう」

 

普段我々が机と呼ぶ物の上で、思い思いの体勢で話を聞いていた

 

嬉しさと楽しさが交差する…

 

こんな私の戦略でも、まだ必要としてくれている…

 

「ここに敵機が付いたら、君達ならどうする⁇」

 

”スピード上げて逃げるわ”

 

「成る程…そう言う手もあるな。だが、俺ならこうだ」

 

マグネットを移動させ、説明を続ける

 

「ジェット機なら出来ないが、零戦特有の”左捻り込み”と言う技がある」

 

その後も模型を使ったり、実際の機体の解説等を行った

 

”何でそない知ってるんや⁇”

 

「一度、実物のレシプロに乗った事がある」

 

”二一型か⁇五二型か⁇”

 

「…コルセアだ」

 

”コルセアか〜”

 

「良い機体だった…あれでゼロに挑もうとしていたのがよく分かる」

 

一同が驚いていた

 

このご時世、コルセア自体、残っているのが珍しい




妖精…何故か関西弁が多い妖精集団

工廠…艦載機からジュースサーバーまで何でも御座れのプロフェッショナル妖精がいっぱいいる

パパ提督が時折頼む兵器や、兵器とはまるで無関係な家具の類も、いとも簡単に作れる

ただ、艦娘を造る際、高確率で爆発を起こしてしまう



艦載機…パパ提督に仕込まれているため、全員が相当の腕前

マジックヒューズをビュンビュン避け、強化魚雷を撃つ

しかし、一番得意なのはドックファイト



入渠…とりあえず、マヌケが多い

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