艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、118話が終わりました

今回のお話は、warspiteとレイのお話です

※チョットHかも


119話 シンデレラの愛鳥(1)

ある日の夜…

 

俺は部屋で時計を眺めながらタバコを吸っていた

 

「あっ…の…のぅ…」

 

「ゔっ…」

 

廊下から声がする

 

前にも言ったが、俺はオバケの類が物凄く嫌いだ

 

現代兵器が通用しないどころか、呪われたりするからだ

 

しかし、万が一子供達が苦しんでいる可能性もある

 

タバコの火を消して、ドアをソーッと開けた

 

隙間から見ると、壁伝いに歩いていた姫の姿が見えた

 

どうやら苦しんでいる様だ

 

「姫⁇」

 

「のっ、NO‼︎」

 

姫はお腹を押さえて震えている

 

床には何か水滴の様な物がポツポツと続いている

 

「よっ…と」

 

何も言わずに姫をお姫様抱っこし、浴場の横にあるトイレに向かった

 

「thank youマーカス…」

 

「気にするな。三分したら迎えに来る」

 

俺はトイレを出て、雑巾で廊下の水滴をパパッと拭いて戻って来た

 

「大丈夫か⁇」

 

「マーカス。その…」

 

「まだなら出るぞ⁇」

 

「お風呂…入っても良いかしら…⁇」

 

「分かった。行こう」

 

また姫をお姫様抱っこし、脱衣所に設置してある長椅子に姫を座らせた

 

「車椅子持って来るから、ちょっと待ってな」

 

「えぇ」

 

お風呂専用の車椅子と持って来る間、姫は着ている物を脱ぎ、胸元にタオルを巻いた

 

「よ〜し、準備完了‼︎さぁ行こう‼︎」

 

「ふふふっ。Sally go‼︎」

 

姫の”Sally go”は、いつ聞いても、さぁ行こうにしか聞こえない

 

シャワーの前に着き、車椅子をロックし、鏡越しに姫の顔を見た

 

「後は一人で出来るか⁇」

 

「洗って下さる⁇」

 

「…いいのか⁇」

 

「私もてぃーほうの様に洗って欲しいです。ワガママは承知の上です。お願い、マーカス…」

 

「分かった」

 

俺は姫の長い髪に手を掛けた

 

サラサラして、良い匂いがして、頭がクラクラする

 

「ん〜っ…てぃーほう達がマーカスの手を気にいるのが良く分かるわ‼︎」

 

気持ち良さそうにしている姫を鏡越しに見ながら、俺はシャンプー塗れになった手を動かし続けていた

 

「人を殺した手でもか⁇」

 

「そんな事言わないで。私は好きよ⁇」

 

「ふっ…相変わらず優しいなぁ、姫は…」

 

「マーカス⁇」

 

「何でもない。さぁ、前は自分で洗…え…」

 

姫は胸元に巻いていたタオルを取って、鏡越しに俺を見て微笑んだ

 

「嫁入り前の身体だ。そう簡単に触らせたらダメだ」

 

「マーカスだから良いのですよ⁇」

 

「…分かった」

 

時計をチラッと見た後、車椅子のロックを外し、姫を此方に向け、身体を洗い始めた

 

「気持ち良いか⁇」

 

「えぇ…とっても…」

 

いよいよ姫の胸に触れる

 

「やはっ…」

 

姫の身体が震えた

 

俺は手を離そうとしたが、姫は俺の腕を取り、自身の胸に当てさせた

 

「お…」

 

「マーカス…寂しいですか⁇」

 

「…」

 

今、俺の口から何か言えば、恐らくそれは全て嘘になる

 

俺は言いたくても、何も言えずにいた

 

「こっち見て、マーカス…」

 

「ん…」

 

姫に顔を持たれ、軽く口付けをする

 

「…やめてくれ」

 

「私では不満ですか⁇」

 

「違う。今日”だけ”はやめてくれ…お願いだ」

 

「ふふ…OK、分かったわ」

 

その後、俺は姫の身体を洗い、流石に下半身は姫に任せた

 

姫に背中を向け、姫にバレないように鏡越しに時計を見た

 

「OK。湯船に入って良いかしら⁇」

 

「行こう」

 

湯船の前で車椅子にロックをし、自分の手を湯船に入れ、まずは温度を確認

 

良い感じの温度だ

 

湯船のお湯をプラスチックの桶に入れ、姫に足を入れさせた

 

「熱くないか⁇」

 

「えぇ。良い温度ね」

 

姫は手を伸ばし、俺は姫を抱き上げて湯船に浸からせた

 

「thank youマーカス。ふぅ…」

 

「後は出来るか⁇」

 

「…マーカス。さっきから時計を見てるけど…何か用事⁇」

 

「あぁ」

 

「sorry…そうとは知らず私…」

 

「気にしないで良い。上がったら水分取るんだぞ〜」

 

「thank you」

 


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