艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、117話が終わりました

今回のお話は、ラバウルに訪問したレイときそ、そして照月のお話です

照月ときそは一体何をしているのか⁉︎


117話 凶鳥達のアイドル〜凶鳥と雷鳥の集い〜(1)

「HEY‼︎」

 

「へい‼︎」

 

アイちゃんの定期検診が終わり、俺はアレンと健吾と共に、執務室でコーラとポップコーンを食べていた

 

表ではアイちゃんと照月がチアダンスをしている

 

「アイちゃんはチアが似合うなぁ」

 

「最近ずっとあんな感じさ。まっ、士気は高まってる」

 

「上がるだろうなぁ。あの高クオリティなら」

 

アイちゃんは女の武器を理解している

 

チアの服装だって、見せる所は見せ、隠すべき所は隠している

 

素晴らしい具合に男心をくすぐる

 

定期検診をした時もそうだったが、年頃の女の子の匂いもする

 

…まぁ、若干アレンに似てなくもないのかな

 

横顔とか、何気無い癖とか

 

笑い方は確かにソックリだ

 

特に歯を見せて笑う所

 

ありゃあソックリだ

 

…イタズラする癖はまだまだ治ってないがな

 

この前も基地に遊びに来た時、ボーちゃんを投げ飛ばしたり、姫のティーカップにコーラをヒタヒタに入れたりと、体は成長しているが、脳は子供のままで止まっているらしい

 

たいほうは体の成長が遅く、脳の発達が最近早くなってきた

 

アイちゃんとたいほうは真逆の成長を見せている

 

横須賀が興味を見せるのも無理はない

 

「しっかし、急に成長したなぁ。前まで中学生位の身長だったのに、もう俺達に近い身長になってらぁ」

 

「アレンも大変でしょ⁇この前、アイちゃんに急に抱き着かれて階段から落ちたじゃん」

 

アレンも健吾も、相変わらず生傷が絶えない生活を送っている様だ…

 

「あれはチョット叱ったな…足捻挫したんだぞ‼︎」

 

「俺も照月に脊髄2回くらい持って行かれたな」

 

「照月ちゃん…」

 

健吾は表にいる照月を見て冷や汗を流した

 

「そう言えばキャプテンも崖から落ちてたな…」

 

「何それちょっと見たい」

 

「アイちゃんに追い掛け回されて落ちたんだ」

 

「よく生きてたな…」

 

「海にはまってたけどね」

 

「ただいまー‼︎」

 

きそとラバウルさんが帰って来た

 

きそは俺を見るなり抱き付いて、膝の上に乗って来た

 

「今日はどうだった⁇」

 

「新しい技教えて貰った‼︎ラバウルさん、ありがとう‼︎」

 

「いえいえ。私もっ、運動不足でねっ‼︎きそちゃんが来てくれると良い汗かけますよっ‼︎」

 

ラバウルさんは背伸びをしながら良い笑顔を見せた

 

「照月は⁇」

 

「外でチアダンスしてる。お風呂行ってくるか⁇」

 

「後にするよ。食べていい⁉︎」

 

「好きなだけ食べていいよ。アイちゃんが山程作ったんだ」

 

「いただきま〜す‼︎」

 

汗を流して塩分が足りないのか、きそはポップコーンをパクパク食べ始めた

 

「ジェミニさんとはどうですか⁇」

 

「ボチボチかな。金曜日は子供達を送った後デートしてる」

 

「それは良かった。私達はいつか二人が繋がると思ってましたからね‼︎」

 

「バレてたか…」

 

「終わったわ‼︎」

 

「チアダンスしたよ‼︎」

 

アイちゃんと照月も帰って来た

 

「キソ‼︎テ”ラ”ツキ‼︎BathにGoよ‼︎」

 

「てらつきも行く‼︎」

 

アイちゃんは何故か照月をテラツキと呼ぶ

 

照月もそれに合わせて、お風呂に向かって行った

 

「僕も入ってくる‼︎」

 

きそもお風呂に向かった

 

執務室には男衆だけが残り、全員一斉にタバコに火を点けた

 

「子供達の前では吸えませんからね…」

 

「健吾も吸ってたのか⁇」

 

「隊長が随分前に吸ってて、その…」

 

「傍にいたい、からか⁇」

 

「そんな感じです。当の本人やめてますけどね‼︎」

 

健吾以外の全員が笑う

 

「しかしまぁ、健吾も隅に置けませんねぇ。大和とケッコンして、二つ目の指輪はあみさんに渡すとは」

 

「愛した人には変わりありません。それに、隊長にも恩を返さないといけませんしね…」

 

「俺は誰に渡そうかな〜…」

 

タバコを咥えながら、アレンが天井を向く

 

「アレンはまだでしたか。そうですか…」

 

ラバウルさんが笑う

 

この言い方は、どうやら渡した様だ

 

「キャプテンは渡したんですか⁉︎」

 

「おおいに渡しましたよ」

 

「ヤベェ、重コンブームだ…」

 

実質、この場で重コンしていないのはアレンのみだ

 

俺は鹿島としていたので、一応経験はある

 

「ま、まぁアレン。間違ってもアイちゃんに渡すなよ⁇末代まで言われるぞ」

 

「それは無い‼︎娘だぞ⁉︎」

 

「単コンで良いんじゃないか⁇俺も現状は満足してる。隊長も貴子さん一人だしな」

 

「うん…そうだな」

 

重コンとは言え、本妻は一人だ

 

先にケッコンした方が本妻になる

 

少し前の俺が良い例だ

 

本妻は鹿島で、二人目が愛する人

 

愛人とゴッタにしてはいけない

 

二人共しっかりと愛している

 

ただ、やはり先にケッコンした方が愛されやすい

 

呉さんは隼鷹

 

ワンコは榛名

 

健吾は大和

 

ラバウルさんは…暁か

 

…もしかしたらラバウルさんの本妻はおおいかも知れない

 

おおいは北上にベッタリな時もあるが、基本はラバウルさんと一緒にいる

 

料理も上手いし、ちょっとした若妻感がある

 

…若妻⁇

 

ラバウルさん、そういう事か…

 

俺はラバウルさんの横顔を見ながら、コーラを喉に流し込んだ


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