艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、12話が終わりました

基地上空に突如出現した、黒い機体”SR-71 ブラックバード”の様な機体

知らない方も多いかとおもいます

手短に言うと、艦これで言う彩雲がとてつもなく進化した機体です

今回のお話では、とある深海棲艦が出て来ます


13話 黒いコウノトリ(1)

次の日の朝…

 

「…まだ飛んでやがる」

 

あくる日の朝も、基地の真上をグルグルと回遊するように、あの偵察機は空に鎮座していた

 

「全く…奴のエンジンはどうなってやがる…」

 

何度も双眼鏡を向け、様子を伺う

 

「ん⁉︎」

 

機首をこちらに向けた瞬間、偵察機の腹部から発光が見えた

 

「タ…ス…ケ…テ………キ…ユ…ウ…エ…ン…モ…ト…ム。助けて救援求ムだと⁉︎」

 

間違いが無ければ、あれは救難信号だ

 

妖精を叩き起こし、手短かなライトを貰い、こちらからも発光信号を送った

 

「ド…ウ…シ…タ。っと」

 

答えはすぐに返って来た

 

《キカンタイハ。コウコウフノウ。シュウリモトム》

 

これで確信が持てた

 

あの機体は敵ではない

 

「リ…ヨ…ウ…カ…イ。ア…ン…ナ…イ…モ…ト…ム」

 

《リヨウカイ》

 

「ジェットスキーのパックに修復機材を詰めろ‼︎」

 

”なんや分からんけど、分かった‼︎”

 

ジェットスキーに詰めるだけの修復機材を詰め込み、すぐにエンジンをかけた

 

「待ってろ。すぐ帰って来る」

 

”頑張れ〜‼︎”

 

妖精達に見送られ、基地から離れた

 

基地から出ると、偵察機が近寄って来た

 

近くで見ると、やはりブラックバードに良く似ている

 

「心配するな。すぐ助けてやる」

 

《キカン、スグソコ》

 

「見えた‼︎」

 

見えて来たのは、見た事の無い深海棲艦だった

 

マリアと同じで、髪は白い

 

だが、違いは一目で分かる

 

ツノみたいなのが生えてるし、腰周りには、滑走路の様な物がある

 

「大丈夫か⁇」

 

近くに寄り、声をかけると、彼女はうっすらと目を開けた

 

「アリガト…ワタシ、タスカル⁇」

 

「大丈夫だ。どこ撃たれた⁇」

 

「ココ…」

 

彼女が手を離した場所には、銃弾で撃たれたであろう傷が出て来た

 

とりあえず、触れない事には分からない

 

「ンア‼︎」

 

「痛むか⁇」

 

「ン…ダイジョウブ」

 

血は大量に出てはいるが、応急処置位はどうにかなりそうだ

 

「とりあえず、動けるまでには処置してやる。後は私の基地でドックに入れ。良い整備員がいる」

 

「ン…アリガト…」

 

「気にするな。おっ…」

 

雨、か

 

運が悪いな…

 

「ン…トリアエズ、タテル」

 

「案内してやるから、後ろを着いて来い。応急処置だから、くれぐれもゆっくりな」

 

彼女はコクンと頷いた

 

「ブラックバード、お前も来い‼︎」

 

《イツカ、カナラズカエス》

 

ブラックバードは、先に基地を目指して飛んで行った

 

雨の所為で視界が悪いな…

 

「見えた‼︎」

 

うっすらだが、基地の誘導灯が見える

 

「イタイイタイ‼︎モウイイ‼︎」

 

後ろを一生懸命着いて来た彼女が、ここへ来てとうとう弱音を吐いた

 

《パパ〜‼︎》


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