艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて111話が終わりました

今回のお話は、再建された舞鶴でセレモニーが行われます‼︎

誰が出るって⁇見たら分かるよ、きっと


112話 鶴は再び舞う〜それを潰す少女達〜

復旧作業が終了した舞鶴基地で、再建祝いが行われる

 

「おめかし‼︎」

 

「たいほうもきた‼︎」

 

「そうだぞ〜。今日は特別だからなっ‼︎」

 

たいほうと照月の服を、いつもよりピシッとした物を着させた

 

「秋月と霞も準備出来たか⁇」

 

「はいっ‼︎完了しました‼︎」

 

「出来たわ。似合う⁇」

 

着替えた霞は、隊長の前でクルッと一周した

 

「うんっ。よく似合ってる」

 

「じゃっ‼︎しゅっぱ〜つ‼︎」

 

貴子さんに留守を任せ、俺達は舞鶴に向かった

 

 

 

 

舞鶴に着くと、表は既に人で一杯になっていた

 

「あ、あれ⁉︎」

 

四人いたはずの子供達が秋月一人しかいない

 

「たいほうとかは⁉︎」

 

「あそこです。霞ちゃんが二人を見てますので大丈夫です‼︎」

 

秋月が指差す方向を見ると、たいほう達がミニ商店街に入って行くのが見えた

 

「ま…まぁいいさ」

 

「秋月も行っていいよ。どうせ前半は大人の会話だ。いてもつまらないよ⁇」

 

「あ…その、私は…」

 

隊長にそう言われ、秋月は少し戸惑う

 

真面目な彼女だ

 

勉強の為にここに居たいのも分かる

 

「横須賀の長くてありがた〜い説教聞くか、みんなと美味しいもん食べるか…どっちかだな」

 

「美味しいものにします‼︎」

 

秋月はみんなの所に行った

 

流石の秋月も説教はゴメンみたいだ

 

「さてっ、そのありがた〜い説教を聞くか」

 

「うぬっ」

 

壇上に上がった横須賀は、マイクを持った…

 

 

 

 

その頃、ミニ商店街では…

 

「とりさん」

 

「そこはレストランよ」

 

たいほうと手を繋いだ霞は、たいほうの質問に答えていた

 

たいほうは前来た時に気に入ったのか、相変わらずシェイクを片手に持っている

 

「すかい・なーぐー。パパのたばことおんなじだね」

 

「パパのタバコ⁇」

 

「うん」

 

ベンチに座ると、たいほうはリュックから何かを出した

 

「パパのたばこは”なーぐー”のろんぐのさんみり」

 

隊長が吸っているタバコの空箱だ

 

「よく知ってるわね…」

 

「すてぃんぐれいは”みるど・せぶん”のろんぐのいちみり」

 

次はレイのタバコ

 

「へ、へぇ〜…」

 

「くれさんはなんか”ぼーろ”みたいなみどりのたばこ」

 

最後は呉さんのタバコの空箱

 

「よく見てるわね⁇」

 

「たいほう、たばこのはこすき‼︎」

 

子供から見れば、色とりどりで綺麗な箱に見えるのだろう

 

「中になんか入ってるの⁇」

 

空箱と思っていたタバコの箱を持つと、中に何か入っていた

 

「パパのたばこのはこは、きゃらめるとあめちゃん」

 

空箱からキャラメルと飴玉が数個出て来た

 

「すてぃんぐれいのたばこのはこは、びーだまとばくちく」

 

ビー玉3つと、爆竹が一つ

 

きそが造った爆竹で、投げただけで爆発する危険アイテムだ

 

大したダメージは無いが、煙がメチャクチャ臭い

 

「くれさんのたばこのはこは、ろーそく」

 

緑色の箱には、ミチミチにローソクが詰まっている

 

たいほうはタバコの出る反対側をパシパシ叩き、ローソクを一本出した

 

「くれさん、こ〜やってだしてた」

 

これもきその造ったものだ

 

先端を何処かに擦るとすぐ火が点く

 

これだけの装備があれば、万が一はぐれてしまっても一日は生きられる

 

たいほうは嬉しそうにタバコの箱を見ながらリュックにしまった

 

「さっ、何か食べましょ⁇」

 

「てるづき、すてーきたべるっていってた」

 

「ステーキって…」

 

商店街を見回すと、”ステーキハウス・肉欲”と書かれた看板の下に人集りが出来ていた

 

「あ…あ、あ…」

 

照月は目を離すと店を潰すまで料理を平らげてしまう

 

だが、今回は姉の秋月がいた事を思い出した

 

秋月は照月ストッパーだ

 

彼女がいれば安し…

 

「いたいた。たいほうちゃん‼︎霞さん‼︎」

 

何も知らない‼︎と、顔に書いてある秋月が来た

 

「終わった…」

 

私は膝を落とした

 

「どうかされましたか⁇」

 

「いいい行くわよ‼︎店が潰れる前に‼︎」

 

「え⁉︎あ、はいっ‼︎」

 

秋月とたいほうの手を引き、肉欲に向かう

 

「ちょっ…どきなさい‼︎」

 

人混みを掻き分け、店内に入る…

 

そして私と秋月は膝を落とす

 

「おいひ〜‼︎あっ‼︎秋月姉‼︎ステーキ美味しいよ〜⁇」

 

膝を落とした二人の目の前で、照月はまるでうどんでも食べているかの様にステーキを平らげて行く…

 

「あんた…今何枚目⁇」

 

「あれを注文しました‼︎」

 

照月がフォークで指した方向には

 

”悶絶‼︎牛丸々一頭ステーキコース‼︎

 

やれるもんならやってみろ‼︎

 

全部食べたら料金無料‼︎

 

食べれなかったら19万7000円頂きます

 

注意‼︎一人専用です‼︎二人以上で食べた瞬間、代金が発生します‼︎”

 

「ちょ‼︎あんたなんてモン…‼︎」

 

”それで終いや…”

 

「え…」

 

照月が何食わぬ顔で咀嚼している肉が、最後の肉らしい

 

店員である妖精の顔は真っ青

 

店にとっては大打撃も良い所

 

「もうおしまい⁇照月、まだお腹空いてるよ⁇」

 

「あんた何枚食べたのよ⁉︎」

 

”これが記録や”

 

妖精に渡された伝票を見ると、そこには照月の食べた肉の量が書かれていた

 

500gステーキ…50枚

 

1kgステーキ…85枚

 

2kgステーキ…24枚

 

5kgステーキ…12枚

 

ここに書かれているだけでも、照月は軽く200kgは食べた計算になる

 

それでもまだお腹空いてるよと言い張る照月

 

これではバキュームと言われても可笑しく無い

 

「たいほうもすてーきたべる‼︎」

 

流石に照月とまでは行かないが、たいほうもこのボディでかなり食べる

 

「は…破産ね…」

 

霞は照月とたいほうの隣に座り、隊長とレイにどう説明するものか⁇と、悩んでいた…


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