艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、106話が終わりました

今回は題名の通り、若干グロシーンがあります

誰が出てくるって⁇

題名で察して下さい‼︎

(最近出して欲しいと要望が多かったから書いたんだよ)


107話 艦娘調理法

「て・い・と・く‼︎」

 

トラック基地の執務室で、緑の着物が踊る

 

「提督は最近筋肉質になって、美味しそうになって来ましたねぇ‼︎」

 

「うっ…」

 

「あっ、そう言えば〜…昨日199人目を食べ終えた所なんです‼︎」

 

トラックさんはジリジリと後退りする

 

「提督⁇」

 

後ろには衣笠

 

「衣笠‼︎私の提督を取らないで下さい‼︎ようやくここまで来たんですから‼︎」

 

「蒼龍⁇貴方、提督を食べるつもりでしょう⁇」

 

「それ以外にあると思いますかぁ⁇」

 

「さぁ、提督‼︎逃げますよ‼︎」

 

「お、おぅ‼︎」

 

衣笠に手を引かれ、執務室を脱出、工廠裏まで逃げて来た

 

「はぁ…はぁ…」

 

「提督、体力落ちましたか⁇」

 

「ははは…最近、筋トレはしてたんだけどね…」

 

トラックさんは対蒼龍対策の為、少し前から筋トレを開始

 

シックスパックを手に入れ、握力も手でリンゴを潰せるまでになっていた

 

何とか蒼龍に対抗出来ているのはその為である

 

「そう言えば提督、ケッコンはされないんですか⁇」

 

「あ、うん…そうだな…」

 

トラックさんは数ある反対派の中で唯一ケッコンしていない

 

周りの皆は”蒼龍とお似合いだ”とか”飛龍とはどうなんだ⁇”と、からかうが…

 

一応、この基地にいる候補は

 

蒼龍

 

飛龍改二

 

衣笠改二

 

鳥海改二

 

の、四人

 

反対派に入ってから演習や護衛の為の出撃が増え、ほとんど怪我せず、練度だけメキメキ上がり、今では全員候補となっている

 

「私なんてどう⁉︎一人目じゃなくてもいいんだけどなぁ…」

 

「う〜ん…」

 

しばらく工廠裏で衣笠と話していると、工廠の扉が開いた

 

誰が来たのかと思い、小窓から中を覗くと蒼龍が見えた

 

蒼龍は工廠に入り、内側から鍵を閉めた

 

「建造装置弄ってますね…」

 

「何をするつもりだ…⁇」

 

蒼龍は建造装置を起動させ、新しい艦娘が出来るまでの間に、大きな鍋を準備し、中に色々入れて行く

 

数分後、建造装置の中から片方を三つ編みにした女の子が出て来た

 

「駆逐艦、浦な…おぶっ‼︎」

 

蒼龍は自己紹介を聞かず、女の子の腹を殴って気絶させ、鍋の中に放り込み、火を付けた

 

時間をズラし、また新しい艦娘が建造装置から出て来た

 

「駆逐艦、磯な…あぐっ‼︎」

 

今度は首根っこを小突いて気絶させ、また鍋に放り込む

 

建造装置が示している、残りの艦娘は後二人…

 

二人は小窓の外から息を飲んだ

 

数分後、1人が出て来た

 

「駆逐艦、大潮です‼︎小さな体に…え⁉︎」

 

蒼龍は人の話を聞かず、大潮の頭に付いた飯盒みたいな奴の蓋を開け、中身を摘まんで食べた

 

「うんっ、美味しい‼︎」

 

「飯盒だったの、コレ…」

 

「ゴチャゴチャ煩いなぁ…食べちゃおうか‼︎」

 

蒼龍は大潮から飯盒を取り上げ、本人は鍋とは別の装置に放り込まれた

 

「スイッチオーン‼︎」

 

「うわわわわわわわわわわわ‼︎‼︎‼︎」

 

大潮が遠心分離機みたいな様な物に入れられ、数秒後、取り出し口からメロンソーダの様な物が出て来た

 

蒼龍はそれをコップに入れ、その場で飲み干した

 

そして、最後の艦娘は…

 

「天津風よ…えっ⁉︎何するのよ‼︎」

 

天津風と呼ばれた女の子はいきなり抱えられ、再び遠心分離機みたいな物に入れられ、装置が起動する

 

「あわわわわわわわわわわわ‼︎‼︎‼︎」

 

数秒後、取り出し口からとろみのある液体が出て来たので、蒼龍はそれを器に入れていた

 

「う〜ん…」

 

「おおおおお…」

 

裏の排出口から、遠心分離機みたいな物に入れられた二人が出て来た

 

「だ、大丈夫か⁉︎」

 

「貴方が提督⁇」

 

天津風は回した目を開け、私を見た

 

「そうだ。来て早々すまないな…」

 

「う〜ん…グルグルだったぁ…」

 

大潮も目を覚ました

 

「はっ‼︎提督さんですね⁉︎駆逐艦、大潮です‼︎」

 

「うんっ、よろしくね」

 

「て、提督‼︎」

 

衣笠に呼ばれ、再び小窓から中を覗くと、蒼龍の前には美味しそうなあんかけご飯が出来上がっていた

 

そして、鍋に入れられた駆逐艦の子は、意識を取り戻してはいるが、既にグデングデン

 

「提督、助けましょう‼︎」

 

「鍵掛かって入れないぞ⁉︎」

 

「さ〜て‼︎後はお肉ですねぇ‼︎今日は記念すべき200人目だからぁ〜…そうだ‼︎一番活きが良い”あの人”にしよ〜っと‼︎」

 

蒼龍はスキップしながら工廠から出て行った

 

鍵を開けっぱなしにして行ったので、今なら中に入れる‼︎

 

「今だ‼︎チャンスです‼︎」

 

「行こう‼︎君達は待ってるんだ‼︎食べられたくないだろう⁉︎」

 

そう言うと、大潮と天津風は抱き合ってカタカタ震えながら頷いた

 

衣笠と共に中に入り、湯当たりした二人を鍋から取り出した

 

「いい匂いだ…」

 

「確かに…」

 

蒼龍が作っていたのは、どうやら芋焼酎の様だ

 

それと、あんかけご飯

 

二人を抱えて工廠から脱出

 

出て数秒後に蒼龍は工廠に戻って来た

 

「衣笠、四人を入渠に回してくれるか⁇」

 

「了解です‼︎提督は⁇」

 

「…私は、蒼龍を止めねばならない…」

 

「提督…」

 

衣笠は私の肩を掴んだ

 

「安心して下さい。提督が食べられたら、呉の青葉に頼んで週刊誌に載せますから‼︎」

 

「薄情な奴だな…」

 

衣笠と少しだけ笑い合い、別れた後、私は鉄パイプ片手に工廠の扉を開けた

 

「そそそそ蒼龍‼︎」

 

「た、助けてくれ‼︎」

 

入った瞬間、男が足に縋り付いて来た

 

「提督。その男は前に舞鶴鎮守府で提督してた大悪人です‼︎」

 

「た、食べる事は無いだろう⁉︎」

 

「へっ…」

 

「うっ…」

 

いつの間にか背後に回られ、首元にフォークを突き付けられた

 

恐らく、食事の時の物を隠していたのだろう

 

「そ…蒼龍…逃げなさい…」

 

「え〜…何でですかぁ⁉︎二人共食べられるチャンスなのに〜」

 

「おい、人食い‼︎提督を殺されたくなかったら、俺を見逃せ‼︎」

 

「え⁇嫌ですけど⁇」

 

「なら、提督には死んで貰う‼︎」

 

喉に突き付けられたフォークに力が入る

 

だが、蒼龍は微笑んでいる

 

「ふふっ、もう死んでる癖に…よくベラベラと話しますねぇ…」

 

「何だと⁇」

 

「そんな足で海に落ちたら痛いでしょうねぇ〜…」

 

元舞鶴の提督は自身の足を見た

 

「え…え…え⁉︎」

 

徐々に恐怖と痛みが混み上がって来たのか、フォークを落とし、涙が溢れていた

 

両足は既に骨だけになっていた

 

それを見た私も、恐怖で膝が砕け、床にへたり込んだ

 

「あぁ、そうそう‼︎何だか体、軽くないですかぁ⁉︎」

 

「ひっ…ひっ…」

 

息も絶え絶えに服を捲ると、腹に大穴が開いていた

 

「言いましたよねぇ…もう死んでるって」

 

「た…助け…」

 

「え〜⁇聞こえませんねぇ⁇」

 

おちょくる様に蒼龍は耳を傾けた

 

「助け…ぐぁっ…」

 

大声を出そうとするが、傷が更に開いて痛みが増す

 

「さぁ、もう一度‼︎大きな声で‼︎」

 

元舞鶴の提督は、最後の力を振り絞り声を出した

 

「た…た…助けて下さい‼︎」

 

「あはははは‼︎」

 

蒼龍は高笑いし、元舞鶴の提督の頭を掴んで、床を引き摺りながら鍋の前に持って来た

 

「悪人の声は聞こえませんねぇ‼︎」

 

「うわぁぁあ…」

 

「さぁ、もっと聞かせて下さいよぉ…悪人の断末魔は最っ高〜の調味料ですからねぇ‼︎」

 

蒼龍が肉切り包丁を振り上げた瞬間、私の意識は飛んだ…

 

 

 

 

 

「提督、提督ってば‼︎」

 

目を開けると、どアップで蒼龍が映った

 

「大丈夫ですかぁ⁉︎」

 

「だ…大丈夫…ありがとうな…」

 

「私、今日はお腹いっぱいですよ⁉︎何せ、記念すべき200人目ですからねぇ‼︎」

 

蒼龍はポーンと腹を叩く

 

「う…」

 

「提督も食べますかぁ⁇まだチョットだけなら、ローストしたのが…」

 

「い、いや‼︎いい‼︎蒼龍が食べなさい⁉︎」

 

「じゃ、いただきま〜す‼︎」

 

蒼龍が食べている間に、身体中を触る

 

どうやら、何処も食べられていない

 

五体満足だ…

 

「そうだ、何か御礼を…」

 

「その内、提督も美味しく頂くんでいいですよぉ〜⁇」

 

蒼龍は完全に狩人の目をしている

 

「…執務室で横になってるよ。ありがとうな⁇」

 

そう言い残し、今だ恐怖で膝が砕けている足を引き摺りながら執務室に向かった

 

 

 

 

「お父さんを助けるのはっ、当たり前ですよねぇ〜…うんっ、美味しい‼︎」

 

蒼龍は自身が作った料理を食べ、もう少しの間、舌鼓をうった…

 

 

 

 

 

 

駆逐艦”浦波”

 

駆逐艦”磯波”

 

駆逐艦”大潮”

 

駆逐艦”天津風”

 

が、トラック泊地に着任しました‼︎




駆逐艦”浦波”…田舎に居そうな可愛い女の子

体全体から何処と無く芋臭さを感じる艦娘

蒼龍曰く、茹でると芋焼酎が出来るらしい

トラックさんのスイーツの虜になり、トラック泊地に所属する

月に一回程、蒼龍に拉致され、磯波と共に茹でられる

最近熱湯に耐性が出来、茹でられるのは”良い熱さのお湯”程度にしか感じなくなって来た




駆逐艦”磯波”…田舎に居たらチョットモテそうな女の子

蒼龍曰く、浦波と一緒に茹でると芋焼酎が更にまろやかになるらしい

浦波と同じくトラックさんのスイーツの虜になり、そのまま所属

最近、蒼龍が料理上手と気付き興味を持ち始める





駆逐艦”大潮”…飯盒娘

頭に飯盒を付けて生まれて来た子

入れるお米によって、若干だが性格が変わるらしい

コシヒ◯リ…ノーマル大潮

あき◯こまち…お淑やか大潮

もち米…ネチっこい大潮

タイ米…色黒になる

飯盒は蒼龍に取られてしまったので、今は被っていない




駆逐艦”天津風”…あまつかぜ

作者みたいに”てんしんふう”と読むと蒼龍にチクられる

蒼龍が部屋にポイポイ捨てているあき缶や、提督が作ったスイーツの材料のあき缶を集めては業者に売り飛ばして小銭を稼ぐのが生き甲斐

下記の遠心分離装置に入れると、何故か美味しいあんかけが出来上がる





遠心分離装置…お仕置き様の装置

本来は悪さをした艦娘を放り込んで、高速回転させて反省させる装置

遠心分離装置には取り出し口と排出口があり、取り出し口からは何故か液体が払い出される

排出口からは、遠心分離装置に入った子が排出される

過去に一度だけしおいが間違えて入り、その際に出た液体は、スカイラグーンで”しおいの生しぼり”として、トラックさんの口に入ったので、安全ではあるらしい

…遠心分離装置は、俗に言う”解体”らしいが、この作品には解体の概念は無いのでこの装置が出た

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