「テイトク、お客さんダヨ︎!!」
「どうぞ、開いてますよ」
「失礼します」
白装束の軍服か
何処かの提督だな
「今日はどちらから⁇」
「はっ︎!!単冠湾から参りました︎!!」
「要件は⁇」
「はっ︎!!こちらで資源と資材をお借り出来ると聞きまして︎!!」
「いかほどかな⁇」
「各資源を25000、資材300、建造材50です︎!!」
「良いだろう」
「本当ですか︎!?ありがとうございます︎!!」
「そこに座れ。俺は今ティータイム中だ」
「も、申し訳ありませんでした」
「提督、嬉しそう」
「そうネ〜…ナンデ資源とかを貸す時、楽しそうにするんダロ⁇」
「単冠湾の提督さん」
「は、はい︎!!」
「あの資源の量だ。大方、何かを建造するんだろ⁇」
「あ…その…大鳳を…」
「そうか…道は長いぞ⁇」
「だ、大丈夫…です」
私の前では、大鳳がキョトンとしている
「君がいっぱいいるって事だ」
「私が…いっぱい…」
そう
私は戦う事を自分からやめた
今はこうして時々やって来るはぐれの深海凄艦を倒しつつ、不必要な位に溜まった資源達を他の鎮守府や泊地、はたまた基地に無担保で貸している
空ではいつも喉元に突き付けていた刃を
今度は私が突き付けられる番だ
最初の頃は建造位はしたさ
建造で始めて出たのが金剛
そして大型建造で始めて出たのが大鳳
運が良いと言う奴が大勢いるが、ご所望なら開発ドックも修復ドックいつも空いている
たまに自分のドックがいっぱいになって、修復ドックを借りに来る提督がいるが、開発ドックも使って貰って構わない
妖精達が暇をこいてるからな
「金剛も大鳳も、凄く熟練されてますね」
「ここには俺を含めて三人しか居ないからな」
「か、艦娘二人ですか︎!?」
「ここには必要無い。時折やって来るはぐれを倒せば、仕事は終わり」
「何か特別な事情が⁇艦娘を失いたくない…とか」
「戦争に飽きた…が、一番近いかな⁇」
「貴方…もしかして…」
「大体合ってるかな⁇君の想像は」
「やっぱりだ︎!!こんな所でお逢い出来るとは︎!!」
「提督、有名人なのですか⁇」
彼の目は輝いていた
こんなに若々しい目は、久しく見た
「そりゃあもう︎!!空軍のエース中のエースパイロットですよ︎!!」
「あぁ、それであの”艦載機”を…」
「言わなかったか⁇」
「少しだけなら。時々空に帰りたいって言ってましたし」
「何故空軍に復隊しないのですか⁇」
「戦争に飽きた。それだけだ」
「ふふふっ」
大鳳が不敵に笑う
「可笑しいか⁇」
「いえ…貴方らしいな…って」
「ま、とにかくだ。君は資源と資材を借りる。お前達は…そうだな」
こういう時に、二人をどうしていいか分からない
ただただ後頭部を掻くだけ