艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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94話 英国からの贈り物(2)

「さてっ‼︎今回の目玉である演習ですが、Warspiteと戦って頂きます‼︎」

 

横須賀の言葉で、全提督がザワつく

 

未知のパワーを持っている彼女を手に出来るのだ

 

なので、今回は主力しか呼ばれ無かったのだ

 

「さぁ‼︎最初の相手は…」

 

我先に演習を挑もうとする提督達

 

だが、俺と隊長は落ち着いていた

 

俺達二人は、彼女のとある事情を知っている為、迂闊に手を出せないでいた

 

それはラバウルの二人も一緒だった

 

「そういや健吾は⁇」

 

「留守番を任されてくれた。代わりに土産を買って来いだと」

 

「こけし買ってやれ、こけし」

 

「別の用途で使うからダメだ‼︎」

 

「じゃあ…」

 

冗談を言おうとした時、爆発音が響いた

 

「な…何だ⁉︎」

 

「姫のお怒りだ」

 

「さぁ、次はどなた⁉︎」

 

会場では、いつかの加古が吹き飛ばされていた

 

その後もどんどん挑んで行くが、全てなぎ倒されて行く

 

しかも、Warspiteは座ったまま

 

「もういないのかしら⁇」

 

「しゃてっ‼︎しょろしょろ出番かにゃ‼︎ぷいんつ‼︎」

 

「はいっ‼︎」

 

最後にフライドチキンを口に入れ、壇上に上がる

 

「私の所の子がお相手致します」

 

「Prinz Eugenね。話は聞いてるわ。いらっしゃい」

 

プリンツは一礼した後、間髪入れずに四連撃を放つ

 

「やはりぷりんつは、あぁでなくてはな‼︎」

 

「物凄い火力だ…」

 

離れていた隊長達にも、プリンツの四連撃は見えていた

 

相変わらずの精密さと高火力

 

そして不意打ち

 

だが、Warspiteは無傷だ

 

「流石は姫だ。その風格を汚さない戦い方をする」

 

「レイ、Warspiteが持ってるあの棒みたいな奴。アレが全部弾いてる」

 

「さぁ、マーカス。貴方がどれ程成長し、人を使う立場になったか…私に証明しなさい‼︎」

 

「プリンツ。接近は禁物だ。まずは…」

 

「うわ‼︎」

 

Warspiteは持っていた棒でプリンツを突き、弾き飛ばした

 

「プリンツ‼︎」

 

プリンツの元に行こうとした瞬間、喉元に振り回していた棒を置かれた

 

「う…」

 

「Give Up⁇マーカス」

 

「ギブアップ…」

 

やはり姫の前では弱くなるな…

 

「プリンツ、すまないな…」

 

「武蔵が言ってました。負けるのもまた正義だって」

 

「…ま、じっくり観戦しようじゃないの。それも戦い方の一つだ」

 

 

 

 

一方その頃きそは…

 

「ガチャガチャ…あった‼︎」

 

日本橋程では無いが、横須賀の繁華街にもガチャガチャはチラホラある

 

きそは気に入ったガチャガチャがあると、まず一回回してみる

 

「長門さんのフィギュアだ‼︎」

 

その内絶対プレミアが付く、今は引退した長門のミニチュアフィギュアだ

 

「あ‼︎」

 

道中、プリンを売っている女の子を見掛けた

 

「君が瑞鳳⁇」

 

「はいっ‼︎私が瑞鳳です‼︎」

 

「たいほうやパパから聞いてるよ。プリンが美味しいんだって⁇」

 

「そう言って貰えると嬉しいです‼︎食べますか⁇」

 

「うんっ‼︎」

 

きそは瑞鳳からプリンを貰い、少し休憩する事にした

 

 

 

 

会場では激戦が繰り広げられていた

 

Warspiteは相変わらず無傷

 

倒れて行くのは此方側の子ばかりだ

 

誰も傷一つ与えられないまま、残り二人となった

 

そんな不穏なムードを崩したのが…

 

「貴方がWarspite⁇私はIOWA‼︎宜しくね⁉︎」

 

「IOWAさんですか…さぁ、いらっしゃい」

 

「OK‼︎COME ON‼︎」

 

数秒後、アイちゃんは吹っ飛んで行った

 

「OH〜〜〜‼︎‼︎‼︎NO〜〜〜‼︎‼︎‼︎」

 

「攻撃の仕方が直線的過ぎです」

 

済ました顔で椅子に座り、全く足を動かさないWarspite

 

アイちゃんは海に吹っ飛んで行く

 

「さぁ、次は誰です⁇」

 

「よ〜し、榛名がぶっ飛ばしてやるダズル‼︎」

 

何故かボロボロになっている榛名が、腕を回しながら壇上に上がる

 

「榛名‼︎気を付けるんだよ‼︎」

 

「はっ‼︎椅子に座りっぱなしの女に負けるはずが無いダ〜〜〜ズ〜〜〜ルゥゥゥゥゥ‼︎」

 

榛名までもが吹っ飛ばされた

 

救助の為の妖精達が、小型ボートにバケツを乗せて海へ出る

 

「ワンコ‼︎何で榛名ボロボロだったんだ⁉︎」

 

「それが…彼女と大喧嘩して…」

 

「ははははは‼︎妹の分際で私に勝てる訳ないDeath‼︎」

 

ワンコの後ろで、高笑いしている女の子がいる

 

「ウチの金剛です…チョット口が悪くて…榛名と喧嘩したんです」

 

「はぁ⁇私は口悪くないDeath。提督が嫌いなだけDeath‼︎しかもWarspiteは私が連れて来たんDeath‼︎もっと感謝しろDeath‼︎」

 

確かに口が悪い

 

「何Death⁇文句あるDeathか⁇」

 

「金剛‼︎レイさんに悪口言うのは許さないよ‼︎」

 

「へっ、威勢の良い女は好きだぜ」

 

「気持ち悪いDeath‼︎」

 

そう言い残し、金剛は何処かに行ってしまった

 

「金剛は私の事が嫌いで仕方ないみたいです…」

 

「ほっとけ。お前には榛名がいるだろ⁇」

 

「はいっ‼︎」

 

ワンコの目が輝く

 

やはり相思相愛は素晴らしい

 

「さぁ、最終試合だ」

 

最終試合は武蔵だ

 

武蔵が負けた場合は、強制的に横須賀所属となる


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