艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、93話が終わりました

今回のお話は、お便り数通、友人からの猛烈な懇願がありましたので、夏イベから一隻出したいと思います

注※作者自身もまだあまり彼女の素性が分かっていないので、多少狂った子になる可能性がありますが、ご了承下さい 笑


94話 英国からの贈り物(1)

「横須賀で観艦式だとよ。ついでに演習もするらしい」

 

横須賀の基地から召集が来た

 

行けるのは提督一名につき、艦娘一人

 

しかも主力と書いてある

 

レイはいつも通り特別枠に入っている

 

「武蔵‼︎」

 

「プリンツ‼︎」

 

変わらない主力二人

 

隊長はローマに安心して任せられるし、レイは鹿島に任せる為、二人が留守にする時は、この二人が基地の面倒を見る事が多い

 

今回は迎えが無い為、各自の航空機で横須賀に向かう

 

その為、きそは例外的に参加可能になるが、悪さをせず大人しく、もしくは繁華街をブラブラしている事とレイと横須賀に口酸っぱく言われた

 

観艦式の最中に”あの爆弾”を放られてはひとたまりも無い

 

横須賀に近付くにつれ、段々賑やかになって来た

 

空には二式大艇や水上機がチラホラ集まっている

 

「二式大艇だ。一発かましてぇなぁ」

 

《後で横須賀にこっ酷く叱られるぞ⁇》

 

「やんねぇよ‼︎」

 

《お前がやるなら、私はあのT-50をやろうかな⁇》

 

《ウィリアム…久し振りにやるか⁇》

 

隊長が指定したのは、どうやらラバウルさんだ

 

《レイ。やるなら俺も付き合うぞ⁇》

 

今度はアレンだ‼︎

 

一気にラバウルの連中に囲まれた‼︎

 

「ギブ‼︎」

 

《やった〜‼︎レイに勝った〜‼︎》

 

「殺す」

 

アレンの言葉に腹が立ち、機体を追い掛け回し始めた

 

《大佐、どうします⁇》

 

《たまには放っておこう…いい展示飛行になってるみたいだしな》

 

下では歓声が上がっている

 

何せ、いきなり高レベルな展示飛行が始まったのだ

 

当の本人らには、そのつもりは全くないが…

 

とは言え、二人はすぐに落ち着きを取り戻し、横須賀に足を付けた

 

「さ〜てさてさてさて‼︎」

 

「観艦式って何です⁇」

 

二人降りた所で、プリンツが口を開いた

 

あれだけの運転をしたのに、アイちゃんもプリンツもピンピンしている

 

「観艦式ってのは、つまり、その…」

 

「NEWなお船を見れるの‼︎」

 

「おぉ‼︎楽しみです‼︎」

 

アイちゃんがフォローしてくれた

 

「アイちゃん‼︎チョット大きくなったか⁇」

 

「レイ‼︎」

 

抱き着いて来たアイちゃんを受け止め、頭を撫でる

 

前までは、俺の腰より低い位置に頭があったのに、もう鳩尾まで来ている

 

「レイ、僕は繁華街に行って来るね⁇」

 

「お小遣いは持ったか⁇」

 

「持った‼︎」

 

きそのポシェットの中には、お札が数枚と、そこそこの小銭が入っていた

 

繁華街は、俺達みたいな連中は無料の店が多いが、きそは何やらオモチャを買いたい様だ

 

「夕方になるか、暇になったら戻って来いよ⁇」

 

「分かった‼︎行って来ま〜す‼︎」

 

きそを見送り、俺達は観艦式会場に来た

 

「ビール‼︎」

 

「ローストビーフ‼︎」

 

「フライドチキン‼︎」

 

「ソーセージもあります‼︎」

 

俺とアレン、そしてプリンツとアイちゃんがオードブルに食らいつく

 

「またアンタは…」

 

「Guruuuuuuuuu…」

 

アイちゃんが俺の背後に隠れ、横須賀に吠える

 

「あ…アイちゃ〜ん⁇フライドチキン美味しい⁇」

 

「…普通」

 

「フライドチキンはアイちゃんの為に作ったのよ⁇好きなだけ食べて良いからね⁇あ、後コーラもあるわ‼︎」

 

「…お、おぉ」

 

流石横須賀

 

物や金で釣るのが上手い

 

「隊長、ラバウルさん。恐らく今日の観艦式はビックリするかと」

 

「私達がビックリするって…」

 

「何かありましたかね…」

 

「もう始まりますので、ゆっくり食べてて下さいね‼︎」

 

数分後、観艦式が始まった

 

横須賀の挨拶やら説明が終わり、ようやく艦娘御披露目だ

 

「さぁ‼︎私の下手な前説はこれで位にして、来て頂きましょう‼︎英国で産まれたお姫様‼︎”Warspite”の登場です‼︎」

 

垂れ幕が下がった瞬間、四人は同じ言葉を放った

 

「「「「何ぃ⁉︎」」」」

 

四人全員、現れた彼女に見覚えがあった

 

「ふふふっ‼︎やっぱりね‼︎貴方達、コレを付けて」

 

四人は横須賀から渡されたイヤホンを付けた

 

「きそちゃんが開発してくれたのよ。声が鼓膜に届く前に、日本語に解析してくれるの」

 

〜きそリンガル‼︎横須賀繁華街にて、定価680円(税込)で発売中‼︎〜

 

ここから先、Warspiteは日本語でお話します。ご了承下さい

 

「Warspite様‼︎」

 

「王国飛行隊、ウィリアム・ヴィットリオ、ここに帰還致しました‼︎」

 

隊長とレイがWarspiteに敬礼する

 

普段部下や同僚に敬礼をさせない隊長の敬礼は大変貴重だ

 

「ウィリアム、そしてマーカス。よく戻った。マーカス、今は自由の身ですか⁇」

 

「はっ‼︎姫の仰る通り、自由であります‼︎」

 

「ウィリアム、彼を素晴らしい人間に育てましたね‼︎」

 

「は…姫にお褒めの言葉を頂けるとは、有り難き幸せ」

 

「ふふっ。では、その自由の為に、今も空にいるのですか⁇」

 

「現在も現役にて活動中であります‼︎」

 

「二人共、人々の心の救いになる様、程々に活動をして下さいね⁇」

 

「仰る通りに」

 

「承りました」

 

超☆真面目なレイを見るのは面白い

 

隊長の出身はイタリア

 

だが、最初に所属したのはイギリスだったらしい

 

一番最初の隊の名前”ブラック・アリス”と名付けたのは、あのお方だ

 

隊長は彼女に何度もお言葉を頂き、心の救いになって来た

 

憶測でしかないが、隊長が面倒見が良いのは彼女の影響かも知れない




P.S

活動報告に、パパと武蔵の小話を少しだけ書きました

是非目を通して見て下さい

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