艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

313 / 1086
さて、91話が終わりました

今回のお話は、下の話が多いです

嫌いな人はターンした方がいいかも⁇


92話 お芋戦争(1)

最近、武蔵がオヤツの作り方を覚え始めた

 

フライドポテト

 

ポテトチップ

 

スイートポテト

 

芋系ばっかりだ‼︎

 

理由はただ一つ

 

タウイタウイの提督が、詫びとして大量にジャガイモやサツマイモを送ってくれたからだ

 

たいほうがやたらと気に入り、パクパク食べている

 

外で遊ぶ時も、何処かで食べているのか、きそに作って貰った、保冷保温機能が付いたリュックの中にスイートポテトを幾つか入れて出掛けて行く

 

武蔵もご満悦だ

 

確かに美味しいし、揚げ物系は武蔵の得意分野だ

 

だが、一つ問題が生まれる

 

芋には付き物の、あの現象…

 

 

 

ある日の朝、少し多めに睡眠を取っていると、急に息苦しくなった

 

腹の上に誰か乗っている

 

重さ的には子供の様だ

 

「ん〜っ‼︎」

 

声が聞こえた次の瞬間、爆発音の様な音が響いた後、呼吸が出来なくなった

 

「かっ…は…‼︎」

 

飛び起きて喉を抑えながら換気の為に窓を開けに向かうが、短距離の道中に呼吸困難に見舞われた

 

「だから…毒ガスは、嫌い…なん…だっ…」

 

どうやら、誰かが毒ガスを撒いた様だ…

 

俺はその場に倒れた

 

 

 

 

気が付くと、食堂のソファで横になっていた

 

「気が付いたかしら⁇」

 

横にはローマときそがいた

 

「ローマ…毒ガス⁉︎誰が散布したんだ⁉︎」

 

「毒ガスじゃないわ。たいほうのオナラよ」

 

「いや、ありゃ毒ガスだ。呼吸困難になった」

 

「たいほう⁇レイの顔にオナラしちゃダメでしょ⁇」

 

「ごめんなさい…」

 

テレビの前に座っていたたいほうはシュンとしている

 

「とにかく、たいほうのオナラよ」

 

「毒ガスじゃないだけウンとマシだな」

 

ローマの横で、きそは不気味に微笑んだ…

 

 

 

 

「たいほうちゃん‼︎」

 

「ん⁇」

 

工廠の中から、きそが手招きしている

 

たいほうはきそが招くがままに工廠に入ると、中には新しい装置があった

 

「芋自動調理機だよ。ここにお芋を入れてボタンを押すと、料理が出て来るんだ‼︎」

 

「さつまいも」

 

たいほうはリュックからサツマイモを取り出した

 

「どれにする⁇」

 

「やきいも‼︎」

 

「分かった。チョット待っててね⁇」

 

きそがボタンを押すと、たいほうは取り出し口の前にチョコンと座って、出て来るのを待っている

 

3分程すると、ホカホカの焼き芋が出て来た

 

「でてきた‼︎」

 

「レイの椅子に座って食べていいよ‼︎」

 

「いただきます‼︎」

 

いつもは俺が座っている椅子に座り、たいほうは焼き芋を食べ始めた

 

「おいしい‼︎」

 

「そっか、良かった良かった」

 

きその狙い目は、芋自動調理機の出来にもあったが、今回はそれだけではなかった

 

「ごちそうさま」

 

たいほうはゴミ箱に焼き芋の皮捨て、レイのパソコンから聞こえる三機のAIの音声との会話を楽しむ

 

そして、数分後…

 

その時は来た

 

「ん〜っ‼︎」

 

「来た‼︎」

 

たいほうが急に気張り始めた

 

きそが狙っていたのは、たいほうから出るガス

 

レイが気を失う程の威力なのだ

 

何かあるに違いないと感じたきそは、ガスマスクをしてまで完璧な防御措置を取り、工廠の影に隠れていた

 

椅子の裏側には袋が付いており、そこにガスは溜まる

 

たいほうが離れた隙に袋を取り、工廠に回す

 

そして、成分の解析を始める

 

「ほほぅ…気絶、失神、呼吸困難にさせるには充分だね…よし、量産だ‼︎」

 

数時間後…

 

きその手には、試作ガス兵器が握られていた

 

手榴弾の様に投げて、半径

 

「横須賀さん辺りで一発試そうかな…うっふっふっふっふ…」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。