艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、87話が終わりました

ここに来て、もう一人追加です

”クイーンはボディ貰って、ヘラは無いんかクラッシュバンディクー‼︎”

とのメールを大多数、多方面から頂きましたので、早急に書きました

本当に申し訳ありませんでした。はい…

ヘラを忘れていた訳ではありませんので、ここでお詫び申し上げます

(正直こんなに言われると思ってなかった…)

てな訳で、今回はヘラがボディを手に入れるよ‼︎


88話 うさぎ姫

「今日は予習をするわ」

 

食堂では、最近の日課であるローマの授業は開かれている

 

相変わらずレイと鹿島は時々トンデモナイ答えを言うけど、ピーポー車は救急車と覚えたみたいだ

 

僕は食堂を出て、工廠でいつもレイが使ってるパソコンの前に座り、キーボードを叩き始めた

 

《最近忙しい様ね⁇》

 

整備の為に工廠の隣に入っていたヘラとは、あの一件から話す事が多くなった

 

この基地にいる四人のAIの話す事はこのパソコンでも分かる為、格納庫が離れていても、話す事は出来る

 

ただ、僕だけいつもオフラインになっている

 

ここにいるからだ

 

「まぁね。でも、もうすぐ終わるんだ‼︎」

 

《新しい兵装かしら⁇》

 

「内緒っ‼︎すぐ分かるさ‼︎さっ、ヘラ。これ付けて‼︎」

 

僕がケーブルを持つと、ヘラは接続部を開けてくれた

 

《犬がきそを信用しなさいって》

 

「んっ。大丈夫。絶対痛くしないから‼︎」

 

《えぇ》

 

ヘラから離れ、建造装置の前に立つ

 

「いくよ‼︎」

 

《早くしなさい》

 

ボタンを押すと、翔鶴の時と同じ様に、数秒後に装置の真ん中のカプセルが開き、中から女の子が出て来た

 

「あら。これは…」

 

出て来た女の子は、翔鶴と同じ様に手を握ったり開いたりしている

 

「これがヘラのボディさ‼︎いい⁇この姿でいる時は、”叢雲”って名前だ。いいね⁇」

 

「叢雲…ま、気に入ったわ」

 

そしてすぐに叢雲は行動に移った

 

翔鶴と違い、ボディを与えられた事にあまり驚かない様だ

 

「食堂に行ってみようか⁇」

 

「きそ。犬は何処にいるの⁇」

 

「多分食堂だよ⁇」

 

「場所を教えて頂戴」

 

「一緒に行こう‼︎」

 

きそは叢雲の手を引き、食堂の出入り口まで来た

 

食堂の出入り口は全部で4つ

 

一つ目は、お風呂からの出入り口

 

二つ目は、みんなの部屋がある長い廊下に繋がる出入り口

 

三つ目は、外に繋がる工廠側の出入り口

 

4つ目は、埠頭がよく見える出入り口

 

僕達は4つ目の出入り口から、中の様子を見ていた

 

「あの丸眼鏡いつもキレてるわね。退きなさい」

 

「な、何よアンタ‼︎」

 

「私にやらせて。アンタじゃすぐキレるから無理よ」

 

ローマを退かし、叢雲はレイ達の前に座った

 

「犬。三問連続で正解しなさい。そしたらご褒美あげる。鹿島は後ね」

 

「ヘラか⁉︎」

 

「私語は慎みなさい。ではこれ」

 

見た限り、今日は応用問題だ

 

「ヒヨコ‼︎」

 

「次」

 

「ラーメン‼︎」

 

「次」

 

「牛‼︎」

 

ちゃんと正解してる

 

やっぱ物覚えはいいんだ…

 

「やれば出来るじゃないの。その調子で覚えなさい。次、鹿島」

 

「は、はいっ‼︎」

 

「これ」

 

「羊‼︎」

 

「これ」

 

「救急車‼︎」

 

「これ」

 

「カエル‼︎」

 

鹿島もちゃんと正解してる

 

「なぁに⁇二人共やれば出来るじゃない。心配して損したわ」

 

「いやぁ、ははは」

 

「褒められる程では…」

 

照れる二人だけど、普通あの歳なら知ってるはずの問題ばかりだ

 

「叢雲…って言ったわね⁇アンタ、二人に教えられる⁇」

 

ローマは叢雲を見てニヤついた

 

考えは見え見えだ

 

全部押し付けるつもりだ‼︎

 

「えぇ。犬を躾けるのは主人の役目でしょ⁇」

 

「じゃ、これお願い‼︎」

 

叢雲の前に、大量のフリップが置かれ、ローマは背伸びした

 

「う〜んっ‼︎助かるわ‼︎私、人に教えるの苦手なのよね‼︎」

 

「…ま、いいわ。二人共、取り敢えずはご褒美よ」

 

そう言って、叢雲は二人の口にクッキーを投げ入れた

 

「じゃ、行くわ。これ。ヒントは山にいるわ」

 

「山…」

 

「う〜ん…」

 

「最初の文字は”さ”よ」

 

「分かりました‼︎お猿さんですね⁉︎」

 

「そっ、正解。犬。お嫁さんの方がデキるわよ⁇アンタも頑張んなさい」

 

「お、おぅ‼︎」

 

叢雲の教え方は上手だ

 

最初にヒントを出し、分かりにくい様子なら、もっと分かりやすいヒントを出す

 

そして、答えたら少し褒める

 

間違えても怒らずに、これは何々だと、キッチリ教えている

 

そして数十分後に、叢雲教室は終わった

 

「ま、今日は上出来ね。これからも精進しなさい」

 

「「ありがとうございました‼︎」」

 

「叢雲‼︎」

 

帰って来た叢雲を捕まえ、ソファに座らせた

 

「教え方上手だね‼︎」

 

「私だってこれ位は出来ないとね…それに、誰だって知らない事は沢山あるわ⁇」

 

そう言って、叢雲はレイの方を見た

 

「世の中、知らない事だらけだと教えたのは犬の方よ⁇だから私は、犬の知らない事を教えるの…それでいいでしょ⁇」

 

「フムフム…やっぱり叢雲はツンデレなんだね…」

 

「何とでも言ってなさい」

 

そう言って、叢雲は口角を歪ませた

 

 

 

 

駆逐艦⁇”叢雲”が、艦隊の指揮下に加わります‼︎




叢雲…ヘラの別の姿

翔鶴と同じく、きそにボディを造って貰った

ヘラの時はドSが目立ったが、叢雲の時は少しだけマイルドになり、若干ツンデレが入って来た

物事を教えるのが上手く、ローマに代わってレイと鹿島の一般教養の教師になった

叢雲になると、若干視力が落ちるらしいから、きそに眼鏡を発注して貰っている

きそ「眼鏡は目下建造中‼︎」

ペタペタ触るのが好きな翔鶴と違い、此方は触られるのが好き。もしかしたら隠れMかも知れない

グレイゴーストのAIの時に、きそに見せて貰った映画の影響で、色んな事に興味を持ち始める

因みに一番好きな映画は、すぐ上のきそのセリフがヒント。分かる人いるんかな⁇

たこ焼きも好きだが、最近コンビニのおにぎりやサンドイッチに興味を持ち始めた

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