艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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72話 巨竜を屠る(3)

「でも、これでシールドは中和出来るね‼︎」

 

「後は火力だ…よっと‼︎」

 

T-50の上から飛び降り、こちらに来たレイに対して、シールドが発生しない

 

「地上部隊に任せるか、航空機で大火力を出すか…二択だな」

 

「レイ‼︎アレン‼︎」

 

「ミハイル⁉︎」

 

振り返るとミハイルがいた

 

基地の巡回で横須賀に来ていたらしい

 

「丁度良かった‼︎お前、高火力出せる武器無いか⁉︎」

 

「珍しいな、レイが兵器の注文だなんて…」

 

レイはミハイルに事の事情を説明した

 

「なるほど…なら、貫通力も備えた物が必要だな…分かった、すぐに空輸で運ばせよう‼︎」

 

「頼んだぞ。未来はお前に掛かってる‼︎」

 

爆弾の確保は出来た

 

後はパイロットだ

 

「Uちゃん⁇」

 

ミハイルの横にUちゃんがいた

 

私は膝を曲げ、Uちゃんに目線を合わせた

 

「私とお絵描きしよっか⁇」

 

「ミハイルさん、大切なお話⁇」

 

「そうよ〜‼︎USBちゃんは偉いわね〜‼︎」

 

横須賀はそのままUちゃんを連れて行った

 

「さて、パイロットの召集だ。俺、隊長、アレンは決定。あ、ター坊もついでに入れよう」

 

「俺も隊長に連絡してみるよ‼︎」

 

 

 

 

数時間後…

 

良い感じに日没が近くなって来た

 

「レイ‼︎爆弾が来たぞ‼︎」

 

「よし‼︎妖精共‼︎急いで俺の機体に装備しろ‼︎」

 

”よっしゃ‼︎”

 

”やるでやるで‼︎”

 

「レイ、ラバウル航空隊が援護に来てくれる‼︎スカイラグーンで補給をした後、攻撃に向かう‼︎」

 

「レイ、アレン、高山さん。私はこの輸送機に乗って後を追います。爆弾の説明は皆が揃った時にお伝えします」

 

「よし、了解した‼︎出発すっぞ‼︎」

 

「オーケー‼︎」

 

「行こう‼︎」

 

 

 

 

 

窓の外で、三機の戦闘機と輸送機が離陸して行く…

 

「あ…」

 

私はまた、ここから彼等を見ているだけだ…

 

 

 

 

 

「レイ、一杯だけ飲んで行こう」

 

「喉カラカラのままじゃ、墜落するぞ⁇」

 

スカイラグーンに着き、機体から降りるや否や、二人に喫茶ルームに誘われた

 

「すぐ行くから待っててくれ‼︎」

 

「早く来いよ‼︎」

 

二人が行ったのを見計らい、俺はとある機体に歩み寄り、妖精と共に下腹部ハッチにミサイルを入れた

 

ミサイルを積み終わり、俺はその機体の先端に手を置いた

 

「俺の平和の形を教えてやる…その気になったら、後ろから着いて来い」

 

機体を軽く二回叩き、俺は喫茶ルームに向かった

 

 

 

 

喫茶ルームに入ると

 

隊長

 

ラバウルさん

 

健吾

 

アレン

 

ミハイル

 

ター坊

 

そして愛宕とグラーフがいた

 

「全員揃ったな」

 

「よし、簡単に作戦を説明する」

 

アレンが地図を取り出し、作戦概要を説明し始めた

 

「この作戦は少数精鋭で行う。電磁防御装置の中和については、ほぼほぼ可能であると見ていい。大佐、レイの二機が隙を見て後部射出口から進入、中枢部に爆弾を投下した後、二機の脱出をもって作戦を成功とする‼︎」

 

続いて、ミハイルの爆弾についての説明があった

 

「大佐、レイ、この爆弾は小型だが、火薬を最大限詰め込んである。高度が低すぎると自分まで被弾してしまう可能性がある。だから、10秒だけ猶予を持たせてある。その間に逃げ出してくれ‼︎」

 

「了解した‼︎」

 

「任せな‼︎」

 

「では、成功を祈って‼︎」

 

小さなグラスに注がれた日本酒を静かに乾杯し、各自それぞれ飲み干す

 

「出撃‼︎」

 

隊長の掛け声で、男衆が動き始めた

 

「アレン⁇」

 

「どうした⁉︎」

 

アレンを引き止めたのは愛宕だ

 

「あのね、帰って来たら話したい事があるの…」

 

「今じゃダメなのか⁇」

 

「今言ったら、貴方の重荷になる…あ、心配しないで‼︎悪い話じゃないから‼︎」

 

「分かった。必ず帰って来る‼︎」

 

「待ってるわ…いってらっしゃい‼︎」

 

アレンは喫茶ルームを出て、機体に乗り込んだ

 

「さぁ、行こう‼︎」

 

六機が空に上がって行く…

 

彼等を見送り、女達は席に着いた

 

「愛宕、アレンに話って⁇」

 

「ん…あのね…」


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