「ここでニューカマーを紹介しよう‼︎ドイツで生まれたみんなの妹‼︎UボートのUちゃんの登場だぁ‼︎さ、Uちゃん、みんなに一言‼︎」
Uちゃんは向けられたマイクに息を吹きかけた
可愛すぎてこの場で抱き締めたいが、ここは我慢しよう
男衆から歓声が上がっているが、ここはあえて無視しよう
「さ〜ぁ‼︎お待たせしました‼︎それでは始めましょう‼︎アヒル追い〜…スタート‼︎」
実況しながら提督達が居る付近に足を近付けると、手にジュースを持ったアレンが近づいて来た
「お前実況上手いなぁ‼︎」
アレンに気付き、マイクを一瞬切った
「ミハイルは⁇」
「いるぞ‼︎」
アレンの横からミハイルが顔を見せた
「今日はたまには三人で飯食おう‼︎じゃあな‼︎さぁ‼︎アヒルが逃げ回る‼︎」
実況に戻ったレイを見て、二人は応援を続けた
「とれた‼︎」
「おっと‼︎たいほうがアヒルを捕まえたぁ‼︎果敢に挑んだ彼女に拍手を‼︎」
拍手に包まれながら、たいほうが柵から出て来た
「横須賀さんの所で待ってるんだぞ⁇」
「わかった‼︎」
アヒルを抱えたたいほうは、横須賀の所に走って行った
「さぁ‼︎残りのアヒルは後2羽‼︎賞品を手にするのは一体誰だ‼︎」
「とれた」
「とったぁ‼︎」
「おっとぉ‼︎残りの2羽が同時に捕まったぁ‼︎幸運を掴んだ二人の名は〜…Uちゃん‼︎そして〜文月だぁー‼︎」
俺は二人を肩に乗せ、みんなに見せた
「さぁ、横須賀さんの所で待っててね」
二人が横須賀さんの所に向かったのを見送り、再び実況に戻る
「アヒル追いは終わったが‼︎小さな勇者達には果敢に挑戦した事を讃え、出口でグラーフ・ツェッペリンからお菓子の袋が貰えるぞ‼︎」
「頑張ったね」
カゴを持ったグラーフから、子供達がお菓子を受け取っている
「さぁ‼︎三人の勇者を讃えよう‼︎まずはたいほう‼︎」
「がーがーさん」
たいほうはまだアヒルを抱えていた
「たいほう、がーがーさんを横須賀に渡そうか‼︎」
「はい‼︎」
「いいこね〜‼︎よしよし‼︎」
横須賀がたいほうの頭を撫でている
「さぁたいほう‼︎好きな賞品を選ぼうか‼︎」
「これ‼︎」
ためらいも無く手にしたのは、アヒルのぬいぐるみだ
「U、これにする」
Uちゃんが手にしたのは、間宮の無料券だ
「文月はこれな⁇」
最後に余ったお菓子の詰め合わせを文月に渡した
「わぁ‼︎何ですか何ですか⁉︎」
「お菓子の詰め合わせだ。お父さんと一緒に食べるんだよ⁇」
「うんっ‼︎」
「さぁ‼︎小さな勇姿が見れた所で、次に行こう‼︎何と‼︎この競技は観客席のみんなも参加出来るぞ〜‼︎借り物競走だぁ〜‼︎」
競技用トラックの上に机が置かれ、裏向きにされた紙が幾つも置かれた
「観客席のみんな‼︎大中小の艦娘達に協力してあげて欲しい‼︎では‼︎参加者の紹介だぁ‼︎第一コーナーを走るのは、疾き事島風で有名の彼女‼︎島風だぁ‼︎」
「応っ‼︎」
島風にイヤに気合いが入っている
「第二コーナー‼︎おっとこの方もニューカマーだぁ‼︎男なら誰でも夢見る良妻賢母‼︎鳳翔さんの登場だぁ‼︎鳳翔さん、このレースの意気込みを‼︎」
「皆様、どうかこの鳳翔にお力添えを下さい‼︎」
「ありがとうございます‼︎続いて第三コーナー‼︎恋の雷撃は貴方にロックオン‼︎おおいだぁ‼︎」
「隊長さん、見てくれてるかしら…⁇」
「おおいの想い人が分かった所で第四コーナー‼︎最近パスタとピザの食い過ぎで体重が増えたと豪語するローマの登場だぁ‼︎あだっ‼︎」
ローマのゲンコツがつむじに落ちた
「オーケー…冗談はこれ位にして、最後のランナーを紹介しよう‼︎高速戦艦随一の速さを誇る、榛名の登場だぁ‼︎彼女の速さは尋常じゃない‼︎」
「観客席の野郎共‼︎榛名に貸さなきゃ、ハンマーで一撃ダズル‼︎いいな‼︎」
「榛名の宣戦布告が終わった所で借り物競走〜…スタート‼︎」
横須賀が空砲を撃ち、借り物競走がスタートされた
なるほど、ここに島風を配置すれば、速さだけじゃ勝てないって訳か‼︎
そうこうしている内に、島風が机が置かれた場所に着き、少し遅れて四人が着いた
「さぁ‼︎全員が借り物が書かれた紙を取る‼︎最初は島風‼︎中身は何だ‼︎」
「プロレス消しゴム‼︎誰か持ってませんか⁉︎」
「何とプロレス消しゴム‼︎これは難易度が高い‼︎今の時代、持っている方が貴重だぁ‼︎さぁ‼︎誰が一番早く着くか分からなくなって来たぁ‼︎」