艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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66話 人をダメにする椅子が欲しい乙女達(2)

「これが乙女にする仕返し⁉︎」

 

そして、先程に戻る

 

「でもな‼︎ぶっ飛ばすこたぁねぇだろ‼︎」

 

「アンタはぶっ飛ばさないと分からないでしょ‼︎」

 

「ぐぬぬ…」

 

「ん〜っ‼︎」

 

相変わらず喧嘩をする二人

 

そんな様子を見ているきそは、こんな事を思っていた

 

喧嘩する男女って、ホントは仲が良いって言うけど、レイと横須賀さんも、仲良さそうだなぁ…と

 

「ふんっ‼︎まっ、良いわ‼︎気持ち良かったし…買ってあげる‼︎」

 

結局欲しいのかよ…

 

だが、売る訳にはいかなかった

 

このマッサージチェアー、人をダメにする

 

ジュースは出るわ、映画は見れるわ、マッサージしてくれるわ、快適空間この上ない

 

だが、やり過ぎると、こり返しが酷い難点があった

 

「ダメだ。まだ調整が済んでない」

 

「量産体制も出来てないんだ…」

 

「売れないなら頂戴⁇」

 

「いいか、きそ。お前はあんな傲慢な女になってはいかんぞ⁇見ろ‼︎オッパイしかな…うわなにをするやめ‼︎」

 

「わぁ…」

 

横須賀は急に俺に抱き着き、俺の鳩尾辺りに胸を押し付けて来た

 

でた…色仕掛けだ…

 

こうなりゃ、横須賀がやる事は一つ…

 

「きそちゃん⁇アメリカ製のお菓子あげるから、鹿島呼んで来てくれる⁉︎」

 

「分かった‼︎」

 

「オイコラ待てきそ‼︎オーケー分かった‼︎お前にやる‼︎」

 

「やったね‼︎チュッチュッ‼︎」

 

横須賀のキスを、頬に何度も食らう

 

「ぐわっ‼︎きそ‼︎頼むから行くな‼︎助けろ‼︎ヘルプ‼︎おい‼︎」

 

きそは出入り口の隅で半分だけ顔を出し、此方を見てニヤついている

 

「おぉ…凄い絵面になってるダズルな…」

 

突然現れたのは、ワンコの所の榛名だった

 

「丁度いい‼︎榛名‼︎ぐわっ、離せ‼︎こいつを剥がしてくれ‼︎」

 

「横須賀さん。レイを離すダズル‼︎」

 

榛名は横須賀の頭を掴み、無理矢理引き剥がした

 

「レイが悪いのよ⁉︎マッサージチェアーで私を…」

 

「マッサージチェアー、ダズルか⁇」

 

榛名は不思議そうな顔をしている

 

「そう。榛名もしてみるか⁇」

 

「したいダズル‼︎」

 

「じゃ、そこに座ってくれ」

 

「あ、その前に…これ、提督からダズル」

 

榛名は持っていた封筒を、俺に渡した

 

「おっ、頼んでた艤装のデータだな⁇サンキュー‼︎」

 

「よし、座ったダズル‼︎」

 

「きそ‼︎モニターだ‼︎」

 

「オッケー‼︎」

 

再びモニターのスイッチを入れると、何やらグロテスクな映画が流れ始めた

 

榛名は人差し指で、モニターをコツコツ突いた

 

榛名の癖だ

 

榛名は何かを指差す時、何度かその方向に振る

 

「これは榛名が好きなモンスター映画の続編ダズル」


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