「紹介するわ。防空駆逐艦”秋月”よ」
「防空駆逐艦…成る程な…」
「二人が動けないのは、その子がパイロットの天敵だからよ」
本能が寄せ付けないのか…
成る程…
「秋月は良い子よ⁇」
「顔見たら分かる…体が動かんだけだ」
「頭触って見たら⁇」
言われた通りに、秋月に手を伸ばすが、やはり体が受け付けず、途中で止めてしまった
「秋月の事…嫌いですか⁇」
「嫌いじゃない‼︎本当だ‼︎信じてくれ‼︎」
「秋月。艤装を降ろしなさい」
「あ‼︎忘れてました‼︎」
床にドカッと艤装が置かれ、妖精達が何処かに運んで行った
それと同時に、俺と隊長の血の気も戻った
「改めて…申し訳ありませんでした‼︎」
「テメェか‼︎隊長のコルセア叩き落としたのは‼︎」
「敵機だと思って…」
「レイ、秋月は産まれ立てなの」
「産まれ立てって…」
「数日前建造されたばかりの子よ。後もう一人居るんだけど…」
その時、隊長の眉間にシワが寄った
「レイ」
「あぁ…」
何処からか、視線と殺気を感じる
秋月のから感じた殺気と同じだが、二人共順応が早い為、体を動かせる
「照月。出て来なさい」
「…」
島風の連装砲ちゃんみたいな子を抱えて、部屋の隅から出て来たのは、浜風とドッコイドッコイのロリ巨乳の女の子だ
「防空駆逐艦”照月”よ。秋月の妹なんだけど、経験はこの子の方が上よ」
「ま、よろしくな、照月」
レイがいつもの様に差し出した手を、照月は弾いた
「触らないで‼︎」
「こら照月‼︎ちゃんと挨拶しなさい‼︎」
秋月が声を荒げた
「秋月。照月を連れて、ちょっとだけ廊下に居てくれる⁇」
「はい、分かりました」
秋月は照月を連れ、執務室から出て行った
「は〜…」
横須賀は頭を抱えている
「とりあえず、色々申し訳ありません…秋月はコルセアを潰した上に、照月は失礼な態度を…」
「秋月はまだしも、照月は訳ありか⁇」
「そうね…」
横須賀は何故か俺から目を逸らした
「女の悩みか⁇」
「そうね…それも重大な…ね」
「恋してるって…感じじゃなかったな」
そう言ったのは隊長だ
「私達に異常な殺意を向けていた。あれは本気の殺意だ」
「俺の言い方がキツかったか⁇」
「あんたはマヌケだから大丈夫よ…」
「なんだと⁉︎」
「襲われたのよ。入渠直後に、ね」
その場に居た全員が黙る
そこまで重たい内容だとは思っていなかった
「隊長、レイ。ここまで無礼な事をして頼めるタチじゃないけど…照月の面倒をしばらく見て頂けませんか⁇」
「俺達の艦隊に入れるのか⁉︎」
「違う。今日一日で良いの」