艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、58話が終わりました

今回のお話は、大阪新世界で、色んな艦娘が色んな事をしでかします

ゲスト艦娘も出てくるかも⁇

探してみて下さい‼︎


59話 ゴールデンウィーク特別企画③ 新世界より愛を込めて(1)

天王寺動物園を出たら、お昼の時間帯になっていた

 

俺達はすぐそこの新世界に行き、何か食べる事にした

 

「や〜‼︎久々の故郷だぜ‼︎」

 

新世界に来てから、気持ちが穏やかだ

 

それもそのはずだ

 

隊長の傘下に入った後、何年かこの街で暮らしていた

 

なので、周辺の街の事情にも詳しい

 

「ちょっと…」

 

ふと、霞が服の裾を握って来た

 

「どうした⁇」

 

「昨日はきそと一緒にいたでしょ⁇今日は私達と一緒に居なさい⁇」

 

「ごはん食べたらな⁉︎」

 

「分かったわ‼︎」

 

しばらく歩くと、一件の串カツ屋に着いた

 

大通りからほんの少しだけ路地裏に入った場所に、昔良く行っていた店があった

 

「あったあった‼︎ここは安くて美味いんだ‼︎」

 

当時と少し外見は変わったが、やってる事は同じみたいだ

 

「くしかつ⁇」

 

相変わらず武蔵の肩車の上にいるたいほうが看板を見て、不思議そうな顔をしていた

 

「そっ。一個一個は小さいけど、その分安いんだ」

 

「くしかつおいしい⁇」

 

「あぁ‼︎俺のお墨付きだ‼︎」

 

皆で店に入り、席に着いた

 

この時、俺は間違いを犯した

 

たいほう含め、戦艦組の連中の存在を忘れていたのだ

 

店に入って数十分後…

 

「くしかつおいしいね‼︎」

 

「あ…あぁ…」

 

口の周りに衣をいっぱい付け、手に串カツを持ったたいほうが、武蔵の膝の上で嬉しそうにしている

 

「次だ次‼︎」

 

「中々美味しい…」

 

「美味です」

 

「ここからここまで、一通り追加ね」

 

完全に俺の判断は間違いだった

 

戦艦二人が大食いなのは分かる

 

現に、注文した品が置かれた瞬間消えている

 

グラーフもあのボディなら大食いなのは理解出来る、てか知ってる

 

問題ははまかぜとたいほうだ

 

はまかぜがヤバい

 

戦艦並に平らげている‼︎

 

「はっ…」

 

そう言えば聞いた事がある…

 

たいほうは横須賀の繁華街にある”蟹料理”瑞雲””で出された、18人前の蟹鍋をほぼ一人で食べたらしい

 

「ヤバい‼︎隊長‼︎食えなくなるぞ‼︎」

 

「お、おぅ‼︎ちょっとヤバいな‼︎」

 

当初は和やかに皆が食べるのを見ていたが、注文した品がどんどん消えて行くのを見て、隊長と顔を見合わせ、俺達も急いで食べる事にした

 

が、時既に遅し…

 

「あの…」

 

奥で揚げ物をしている女の子が俺達の所に来た

 

声が可愛く、白いカチューシャをしていて、結構小柄な体型だが、出る所は出てる

 

「はい‼︎」

 

「すみません‼︎提供する品が…無くなりました‼︎」

 

「何だと⁉︎」

 

カチューシャの子は必死に頭を下げ、謝っている

 

武蔵とローマはここぞとばかりに串カツを頬張っている

 

「あのあの…お勘定は少し割引しますので…その…もう出せません‼︎」

 

「仕方無い…食い納めにしよう」

 

「そうね。この街は結構美味しい物が揃ってそうだし」

 

ようやく戦艦の二人が手を置いた

 

「本当すみません‼︎」


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