申し訳ありません‼︎
「グヘヘ…限定の同人誌手に入れたわ…これはレア物よ…」
上の階から、結構濃いめの腐女子が降りて来た
黒髪で、巨乳で、眼鏡を掛けている
ん⁇どっかで見た様な…
「げっ‼︎」
此方を向いて、気不味そうな顔をした後、彼女は紙袋で顔を隠して出口に向かった
「待て」
咄嗟に彼女の手を掴んだ
「は、離して‼︎」
「何で俺の顔見て逃げた‼︎万引きしたなら今出せ。一緒に謝ってやる‼︎」
「離しなさいよ‼︎このマヌケ‼︎」
「あっ‼︎」
彼女が俺の腕を弾いた瞬間、紙袋の中身が飛び出た
「ギャ‼︎」
「わ〜…」
中から出て来たのは、それはそれは素晴らしい女の子達がイチャイチャしている表紙の同人誌だ
彼女はそれらを拾いながら、此方に眼光を向ける
腐女子の正体は横須賀だ
変装してまで買いに来ている
「あ…あんたには分からないでしょうね‼︎百合の世界は素晴らしいわよ⁉︎」
「まぁ…その、何だ。すまない」
「何であんたが此処にいんのよ‼︎」
「ゴールデンウィークだっ‼︎」
「あ、そっか」
「レイ‼︎決まった‼︎コレにする‼︎」
タイミング悪く、きそがクリアファイルを持って来た
えげつない位、美麗なドラゴンのクリアファイルを持って来た
「他にも買って良いぞ⁉︎」
「ホント⁉︎もうちょっと選んで来る‼︎」
きそを上手く引き剥がし、横須賀を立たせる
「私が此処に居たのは、絶対内緒よ⁉︎」
「心配すんな。趣味は人それぞれだからな」
「絶対内緒だからね⁉︎」
「分かった分かった‼︎早く行け‼︎」
横須賀の背中を押し、外に出した
外に出してもまだ口煩く言っている
「隊長にも言っちゃダメよ⁉︎」
「へいへい」
「たいほうちゃんにもよ⁉︎」
「へ〜へ〜」
「…あんたと私の、秘密だからね⁇」
再び紙袋で顔を隠し、顔を真っ赤にする
「その煩い口を閉じるにはどうすればいい⁇」
「…キスでもしてみたら⁇」
「は〜…」
後頭部を掻きながら、致し方無く、横須賀の唇を人差し指で抑えた
「なっ‼︎」
「一応関節キスだ。今しがた、しゃぶりまくってやったからなぁ‼︎」
「…」
横須賀は口元をプルプルさせてはいるが、そんなに怒ってはいなさそうだ
「…ちょっとは否定しろよ」
「…別にいい。じゃあね」
横須賀は駆け足で去って行った
「ったく…素直じゃねぇ女だ」
店に戻ると、変わらずクリアファイルを持っているきそがいた
「決まったか⁇」
「うん。コレと…コレにする‼︎」
持って来たのは、先程のクリアファイルと、美少女剣士のキーホルダーだ
「よし。コレを持って、レジに行くんだ。お勉強だぞ⁇」
「メイド喫茶にあったあの機械⁇」
「そうだ」
きそにお金を渡し、レジに行かせる
大きいお友達の中で、小さなきそが並んでいるのは中々面白い
「いらっしゃいませ‼︎お預かりします‼︎」
レジは高く、きその身長では届かない
たいほうが食堂の机に届かないのと同じだ
目より上しか見えない
「600円になります‼︎」
「1000円あるよ」
「じゃあ、それを貰えるかな⁇」
「はい‼︎」
「1000円お預かりします‼︎400円のお返しです‼︎」
きそは小銭と商品を貰い、こっちに来た