艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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52話 大切な人(2)

「鹿島が鹵獲されました‼︎犯人の潜伏場所は佐世保鎮守府‼︎現在、フィリップが先行中‼︎」

 

《隼鷹‼︎空母の連中と共に佐世保に向かえ‼︎》

 

《SS隊、緊急発進‼︎スティングレイ機を護衛するぞ‼︎》

 

《飛龍、蒼龍‼︎高速艇で佐世保に向かって下さい‼︎》

 

《榛名、霧島‼︎高速艇を出す‼︎スティングレイさんの応援に向かって‼︎》

 

《仕方ね〜ダズルな。世話のかかる野郎ダズル》

 

《分かったマイク‼︎》

 

各所それぞれが主力の艦娘を佐世保に向かわせる

 

本当に良い仲間を持ったと思う

 

「ありがとうございます。艦載機はレイの援護に向かって」

 

《了解。今出撃しました》

 

《飛龍の艦載機を護衛に付けます‼︎蒼龍は爆撃機を満載ですよ‼︎》

 

「鹿島の奪還が主の任務です。鹿島は…彼に任せましょう」

 

 

 

 

「ん…」

 

皆が佐世保に向かっている頃、鹿島は何処かの部屋で目を覚ました

 

「ここは⁇」

 

後ろ手で縛られ、脚を開いた状態でベッドに括り付けられていた

 

「ヤダ…」

 

服は着ているが、こんな状態

 

何をされるか分からない

 

「お目覚めかい⁇僕の鹿島…」

 

「貴方は‼︎」

 

鹿島は覚えていた

 

昔、飛行教官時代に面倒を見た一人だ

 

当時、何度も言い寄って来ていたが、当時からレイの事が好きだった為、鹿島はずっといなしていた

 

どうやら今は提督をしているみたいだ

 

「ケッコンしたのか…誰とだ⁇」

 

「貴方には関係ないでしょ‼︎解きなさい‼︎」

 

「関係あるさ。君は僕の物だ」

 

「何を言って…」

 

彼は鹿島の手に着いた指輪を取り、枕元に置いた

 

「これは新しい指輪だ。僕とケッコンしよう、鹿島」

 

「嫌‼︎誰が貴方何かと‼︎」

 

鹿島が否定すると、彼は鹿島の頬を拳で思い切り殴った

 

「痛い‼︎やめて…」

 

「僕に逆らうと、もっと酷くなるよ

⁇」

 

ヤダ…

 

レイ、助けて‼︎

 

 

 

 

 

 

 

佐世保鎮守府近海上空…

 

フィリップのレーダーには、鹿島の居場所が示されている

 

鹿島の指輪には、緊急時居場所が分かる様に発信機が仕込まれている

 

「フィリップ」

 

《どうしたの⁇》

 

「…すまないな。付き合わせて」

 

《鹿島はレイのお嫁さんでしょ⁇なら、僕は助ける義務がある》

 

「お前は立派だな…俺と違って」

 

《悲観的になるのも分かる。でも大丈夫‼︎見て、周りを‼︎》

 

レーダーを切り替えると、艦隊と航空機が多数接近していた

 

「感づかれたか⁉︎」

 

《IFFを見て》

 

IFFには”unknown”と表示されている

 

「アンノウン…」

 

《待て待て待て〜い‼︎助けに来たぜ〜⁇ヒャッハー‼︎》

 

「隼鷹⁉︎」

 

《そうだよ。横須賀さんが応援を出してくれたんだ‼︎感づかれると奇襲の意味が無いから、限界ギリギリまでアンノウン表示で行くよ‼︎》

 

「お前達…すまない‼︎」

 

《やっと声に覇気が戻りましたね‼︎》

 

「飛龍か⁉︎」

 

《しっかりするんダズル。貴様はマヌケでナンボダズル》

 

「ハンマー振り回す榛名だな⁇」

 

《そんじゃ‼︎行きますか‼︎スティングレイ‼︎私達の艦載機が援護したる‼︎後は好きにしてくれ‼︎》

 

隼鷹の掛け声と共に、その場にいた全空母から艦載機が発艦する

 

「壮観だな…」

 

《夕陽が綺麗だね…僕達を見届けてるみたいだ》


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