艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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50話 ブロンド少女と凶鳥と(3)

コックピットが真っ暗になり、数秒後にパッと明るくなり、映像が映し出された

 

映像は滑走路にいる状態で、本当にそこに居るかの様な臨場感だ

 

《敵機を撃墜して下さい》

 

離陸をし、画面に映った敵機を撃墜していく

 

《次は、地上ターゲットを破壊して下さい》

 

画面が市街地に切り替わる

 

「…」

 

黙々と敵施設を破壊し、結果発表

 

《戦闘評価…A。戦闘力はピカイチですが、もう少し、この機体の性能を理解しましょう》

 

因みこの評価、SSまであるらしい

 

隊長とレイの上官は涼しい顔してSSを取っていた

 

流石は隊長の二人…と言った所か…

 

レイもそうらしいが、どうやっても隊長には勝てない

 

やはりそこは隊長と部下の違いか…

 

「アレン〜‼︎」

 

《お呼びの様ですね。開けます》

 

コックピットが開くと、バスケットを持った愛宕がいた

 

「あ、いたいた‼︎お昼にしましょ〜‼︎」

 

機体を降り、格納庫を出た

 

「たまにはお外で食べましょ⁇」

 

愛宕に連れて行かれたのは、基地を見渡せる小高い丘

 

そこにマットを広げ、その上に座る

 

「じゃ〜ん‼︎」

 

バスケットの中には、綺麗に並べられたサンドイッチとジュースが入っていた

 

「アレンの嫌いなレタスは無いわ」

 

「すまんな、気を使わせて」

 

私はレタスがどうも苦手

 

他の物は食べられるのだが…

 

「うんっ、美味い‼︎」

 

「うふふっ、良かった。好きなだけ食べて‼︎」

 

愛宕にそう言われ、次から次へとサンドイッチを放り込む

 

当の愛宕は最後に残った一つを口に入れ、美味しそうに頬張る

 

「お腹いっぱいになった⁇」

 

「うん。美味しかった…ふぁ」

 

お腹に物を入れたら、急に眠気が来た

 

「すまん…ちょっとだけ横になる」

 

「おやすみなさい」

 

 

 

あれから何分経ったか分からない

 

「ん…」

 

「あら⁇起きた⁇」

 

目を開けると、愛宕の顔がどアップで映った

 

しかも、後頭部に柔らかい物が当たっている

 

「膝枕してくれてたのか⁇」

 

「ちょっとは寝やすいでしょ⁇」

 

そう言って微笑む愛宕

 

私は再びポケットに手を入れた

 

「…愛宕はさ」

 

「ん〜⁇」

 

「いいお嫁さんになるな」

 

「そうかしらね〜⁇」

 

「もし…もし、だ。愛宕が良かったら…」

 

もう言ってしまおう

 

これ以上引っ張っていても仕方無い

 

「俺と…」

 

いざいざプロポーズしようとした時、総員集合のサイレンが鳴った

 

膝枕から立ち上がり、上着を着る

 

「行くの⁇」

 

「あぁ」

 

「…頑張ってね⁇」

 

「帰って来たら渡したい物がある。だから、待っててくれ」

 

「分かった‼︎待ってる‼︎」

 

 

 

 

どうやら緊急任務らしく、司令は空で受ける事になった

 

《はぁ…はぁ…》

 

無線の先から、隊長の荒い息遣いが聞こえてくる

 

「隊長⁇年ですか⁇」

 

《ははは。そうですね…そろそろ、体を考えなければいけませんね…》

 

《大佐と年近いのに、年って…ははは》

 

この基地に来てから、ギュゲスが変わった気がする

 

よく笑う様になり、戦果も以前よりあげている

 

「隊長、作戦は⁇」

 

《あ…それなんだけど…》


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