艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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49話 リンゴジュースの呪い(3)

「じゃあ、現在使用禁止になった、小型の爆弾の名前は⁇」

 

「ううっ…クラスター爆弾…」

 

泣きながら質問に答えた

 

「パイロットの肩書きは伊達じゃないのね」

 

「たいほう…俺の事分かるか⁇」

 

「マーカス・スティングレイ。年齢不明、出身国不明だが、国籍登録はアメリカ。元スパイだったが、何らかの事情で放棄。その後ヨルダン軍パイロットとして戦果を上げ、後に大佐と共に国連軍パイロットとして世界に名を馳せる。所持免許が多く、パイロット免許の各種、医師免許、薬剤師、保育士等多方面に取得。趣味は旅行。好きな場所は大阪新世界。好物は果物とジャンクフード。あと…」

 

俺はたいほうの口を塞いだ

 

「お、オーケー。全部正解だ」

 

「全部知ってる…凄い」

 

「むぐむぐ…」

 

「もう言わないか⁇」

 

口を塞がれたたいほうは、頷くしかなかった

 

手を外し、自由になったたいほうはまた話し始めた

 

「ゴホン…他に好きな事は⁇」

 

「巨乳が好きだ」

 

「それは私への当て付けですか⁇」

 

「イエス」

 

直後にビンタが飛んで来た

 

たいほうはそんな事しない‼︎

 

てか、今日はよく殴られるな‼︎

 

「紳士の風上にも置けませんね‼︎最低です‼︎」

 

たいほうはそのまま何処かに行ってしまった

 

「もう嫌…ホント嫌…」

 

ついには床にへたり込んだ

 

たいほうのダメージが一番デカい

 

霞もデカかったが、たいほうは効き過ぎた

 

床に頬を置いてボーッとする俺の頭を、グラーフが優しく撫でてくれた

 

「…ありがと」

 

「鹿島を探そう⁇そしたら、解毒剤作ってくれるかも」

 

「そうだ、鹿島だ‼︎」

 

後調べていない所は…格納庫だ‼︎

 

「グラーフ、格納庫に行くぞ‼︎」

 

「分かった。レイに着いて行く」

 

 

 

 

 

「たたた大変な事に…」

 

格納庫の隅で鹿島はカタカタ震えていた

 

「まさか薬があんなに効くなんて…」

 

分かっていると思うが、犯人は鹿島だ

 

飲んだ人の性格を全く別の物する薬を作ったのだが、まさかあんなに効くとは思っていなかった

 

「いたーーー‼︎鹿島ぁぁぁ‼︎」

 

「ひっ‼︎」

 

ようやく見つけた鹿島に近付き、事の事情を聞いた

 

「犯人はお前か‼︎」

 

「は…はい…すみませんっ‼︎」

 

鹿島は頭を下げて謝った

 

「あれの効果時間は⁉︎」

 

「何かを食べれば治ります‼︎ホントです‼︎」

 

「飴玉はいけるか⁉︎」

 

「ダメです。本当のご飯です。朝昼晩の‼︎」

 

「グラーフ、はまかぜと協力してカレー作ってくれ。俺はみんなを集める‼︎」

 

「分かった。レイ、頑張って」

 

グラーフが去った後、鹿島の視線に気付いた

 

「今回俺に何かあっても、全部薬のせいだからな⁉︎」

 

「えぇ…ごめんなさい…」

 

「ま、何も無いけどな‼︎俺はたいほうを探してくる。子供達を食堂に集めといてくれ‼︎」

 

「は、はいっ‼︎」

 

とりあえず、たいほうを探さなければ‼︎


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