艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、44話が終わりました

パラオに続き、好戦派の基地を奪還したパパ達

舞鶴を奪還した後、またしばらく平穏な日々を過ごします

今回のお話は、作者が最近ようやく手に入れた艦娘のお話です

作者がその艦娘にして欲しい願望が書かれています

この小説の中でも、結構お気に入りのキャラに仕上がってます


45話 甘えん坊の黒猫(1)

「じゃあ、ちょっと行ってくる」

 

「行ってらっしゃい‼︎」

 

一人の艦娘が抜錨する

 

長い黒髪が潮風を受けて、踊る

 

彼女が目指すのは…

 

 

 

 

「づがれだ〜…」

 

「イラッシャイ。オツカレダネ」

 

離島棲姫に出迎えられ、席に着くスティングレイ

 

彼は夜間哨戒を終え、とりあえずスカイラグーンに来た

 

「ヨクガンバッタネ」

 

「へへ、サンキュー」

 

スティングレイの前に、今日はミルクティーが置かれた

 

スティングレイと離島棲姫が楽しく飲んでいると、入り口が開いた

 

長い黒髪を揺らしながら、カウンター席に座った

 

「…何処の奴だ⁇」

 

外見は艦娘だが、見た事が無かった

 

「アタラシイオキャクサンダネ。ノミモノハナニニスル⁇」

 

「麦茶だ」

 

「カシコマリマシタ」

 

注文を終えた後、黒髪の少女は此方を向いた

 

「貴様がスティングレイだな⁇」

 

「あぁ」

 

「貴様を一目見たくてな…此処に足を運んだんだ」

 

「お…おぉ…」

 

黒髪の少女は此方に擦り寄って来て、ソファに四つん這いになりながら更に顔を近付けて来た

 

黒髪は下ろしているのかと思えば、両脇の髪を赤い紐で結っている

 

それと、何処と無く見透かされた感じの瞳

 

身長の割にはかなり大きめの胸

 

長さの違う靴下

 

だが、かなり綺麗な顔立ちをしている

 

黒髪の少女は俺の匂いをかいだり、頬をペロッと舐めたりして来た

 

「な…なんだ…艤装の開発依頼か⁇やめろ…」

 

「貴様が気に入ったのだ。此処にいる時は、私は貴様の物だ」

 

そう言って、人の膝の上で横になる

 

何故だ…何故否定出来ない…‼︎

 

「私に触れろ、スティングレイ」

 

「おい…」

 

腕を握られ、仕方無く彼女の長い髪を撫でた

 

彼女は嬉しそうに膝の上でゴロゴロしている

 

何なんだ…こいつ…

 

「スティングレイ、マタオアイテシテネ⁇」

 

「すまんな…」

 

離島棲姫が空気を読んで席を離れた

 

「幸せだ…貴様に触れられると癒される…」

 

「…」

 

顎の下に手を置いて擦ると、彼女は一瞬ビクッとした後、またゴロゴロし始める

 

………可愛いな

 

いやいや‼︎俺には鹿島がいる‼︎

 

「ムギチャダ」

 

「う、うむ‼︎ありがとう‼︎」

 

机に置かれた麦茶を一瞬で飲み干し、彼女は俺の膝から離れた

 

「またゴロゴロさせてくれ」

 

「お、おぅ…」

 

彼女はそのままスカイラグーンから出て行った

 

「シリアイ⁇」

 

「さぁ…」

 

 

 

三日後…

 

スカイラグーンで、今度は隊長と共にオヤツを食べていた時、彼女はまた来た

 

「またゴロゴロしてもいいか⁇」

 

「へ〜へ〜。どうぞ〜」

 

「ふふっ‼︎」

 

彼女はまた膝の上に寝転がると俺の腕を掴み、頬擦りをし始めた

 

「誰だ⁇」

 

「さぁ…ただ懐いてる…」

 

隊長と話しながらでも手を動かしている

 

髪、顎の下、頬

 

その部分をたっぷりと撫でる

 

しばらくすると立ち上がり、満足気にスカイラグーンを後にする

 

俺はどんどん彼女が気になっていた

 

 

 

そして、また数日後のスカイラグーン…

 

今度は温泉に入っていた時に彼女はやって来た

 

「ナデナデしてくれ」


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