艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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特別編 ドイツの魔女(6)

「やっぱりかしまなんだね‼︎」

 

「う…」

 

悪気の無いたいほうの視線が痛い

 

「スティングレイ、私、二人を応援しますよ‼︎」

 

そう言ったのはプリンツ

 

プリンツだけには、鹿島とケッコンすると事前に話していた

 

プリンツは二つ返事で承諾してくれた

 

ここまでして貰ったのに、ケッコンまでワガママ言ったらマズい

 

そう言う見解だった

 

そして何故か、横須賀にも話が行き渡り、次の日には横須賀に呼ばれた

 

 

 

「お…おい…」

 

「早く早く‼︎」

 

しおいが背中を押す

 

横須賀は形だけでもと、身内だけのケッコン式を行ってくれた

 

「お…」

 

「行きましょ‼︎」

 

ウエディングドレスに着替えた鹿島の手を取り、バージンロードを歩く

 

「では、誓いのキスを」

 

神父役は何故か横須賀だったが、この際もういい

 

「往生際が悪いぞ‼︎レイ‼︎」

 

「だ、だぁってろ‼︎」

 

ほんの少しキスを躊躇っただけで、バッカスに茶化された

 

「もう一回聞くけど…俺でいいのか⁇」

 

「レイじゃなきゃ嫌ですよっ‼︎」

 

鹿島の方からキスを貰う

 

会場は拍手喝采

 

俺達が終わると、次はワンコ

 

香取先生の恥じらい顏を見るのは初めてだ

 

「…提督よ。あれが”おねしょた”と言うのか⁇」

 

誓いのキスをする二人を見て、武蔵がボソッと言った

 

「そんな所だ…しかしまぁ、よく落としたもんだ」

 

「確かにな…」

 

ワンコも段々と男らしくなってはいるが、やはり香取先生の貫禄には勝てない

 

香取先生も同じく、彼女の方からキスをした

 

これでワンコの式も終わった

 

「いやぁ〜…いつ見てもいいもんだなぁ〜」

 

二組の式を見て御満悦の隊長

 

それもそうだ

 

ワンコは元とはいえ、二人共自身の部下だからだ

 

「隊長⁇何帰ろうとしてんだよ⁇」

 

「式は終わっただろ⁇」

 

「私はたいほうとぱふぇを食べる」

 

「隊長、もう一組忘れてませんか⁇」

 

隊長と武蔵の思考が止まる

 

そして、出した答えは同じ

 

「「…ラバウル、さん⁇」」

 

「隊長に決まってんだろ‼︎」

 

「明石‼︎連れて行って‼︎」

 

「は〜い」

 

二人して明石に連れられ、服を着替えた

 

「に…似合ってる…か⁇」

 

髪を下ろし、眼鏡を外して、ウエディングドレスに着替えた武蔵が出て来た

 

いつもより可愛い

 

「行こう、武蔵」

 

「…あぁ‼︎」

 

皆と同じく、バージンロードを歩く

 

「誓いのキスを」

 

「て、提督よ…恥ずかしいから、提督からしてくれ…」

 

「ふっ…分かった」

 

たまにしているのに、やはり大勢の前だと恥じらいが出る

 

皆と違い、私からキスをした

 

再び拍手喝采が起こる

 

「提督につけて、私は幸せだ…」

 

「こちらこそ…ありがとう」

 

こうして、式は幕を閉じた

 

一番心配していたスティングレイの相手も決まり、隊長の基地は幸せに包まれた…




重巡洋艦”プリンツ・オイゲン”が、スティングレイの艦隊に加わります‼︎

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