艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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プリンツ入手した記念に書きまする

ドイツでアウトロー艦娘として名を挙げた、伝説の不良艦娘”プリンツ”

見るに見かねたミハイルはプリンツを更生させる為、パパの所に預ける事に

彼女を更生させる為、伝説の不良パイロットが立ち向かう‼︎


特別編 ドイツの魔女(1)

「プリンツゥゥゥゥゥゥ‼︎」

 

目の前で金髪のおさげ髪の女の子が歯を見せている

 

「…」

 

俺は煙草を吸い込み、彼女に紫煙を吹きかけた

 

「ぶわっ‼︎アドミラールさん、この人怖い‼︎」

 

「自業自得です‼︎普段の行いを、この人に正して貰いますっ‼︎スティングレイさん、頼みましたよ‼︎」

 

「承りました」

 

港までミハイルを見送る

 

「ヤダヤダ〜‼︎ドイツに帰る〜‼︎」

 

「行くぞ」

 

「ヤダ〜‼︎怖い〜‼︎」

 

プリンツの襟首を掴み、基地の中へと連れて行く

 

「ようこそ‼︎プリンツオイゲンさん‼︎」

 

中へ入るなり、数本のクラッカーが鳴った

 

「へ⁇」

 

「ぷりんつ」

 

「うわぁ‼︎ちっちゃい‼︎」

 

たいほうが無防備にプリンツへと近付いた

 

「ヘボヘボ空母なの⁇」

 

「後で分かるさ」

 

「ぷりんつのおっぱいぷるぷる」

 

たいほうはしゃがみ込んだプリンツの胸を突いた

 

「わっ‼︎」

 

「ん⁇」

 

驚かそうとしたプリンツだが、普段たいほうは突然出て来る虫や小動物で慣れているので驚かなかった

 

「げっ‼︎貴様はぷりんつ‼︎」

 

「でた‼︎色黒ワンコ‼︎」

 

「たいほうよ‼︎そいつから離れろ‼︎ぷりんつは危険だ‼︎」

 

「だいじょうぶだよ。かまないよ⁇」

 

ここに来て、プリンツは動物扱い

 

「たいほうとあそぼ⁇」

 

「ヤダね‼︎ヘボヘボ空母とは遊ばないよ〜だ‼︎」

 

「へぼへぼくうぼだって‼︎」

 

バカにされているのに、自分の事を言われてたいほうは嬉しそうにしている

 

「はっはっは‼︎たいほう、久し振りに演習でもするか⁇」

 

「えんしゅーする」

 

表に出て、たいほうは俺の所に来た

 

「そーびして‼︎」

 

「よっしゃ。万歳だ」

 

「ばんざーい‼︎」

 

脇腹に装甲板を付け、艦載機のカートリッジを何個か付けた

 

頭には、ハチマキの様な電探を装着

 

「甲板は持てるか⁇」

 

「かんぱんもった」

 

「ボウガンは⁇」

 

「ぼーがんもった」

 

たいほうは、たいほう専用に小さく造った、特製のクロスボウを見せた

 

「最初は何入れるんだった⁇」

 

「れっぷー‼︎」

 

「次は⁇」

 

「ぎょらいのひこーきと、ばくだんのひこーき‼︎」

 

「よし‼︎行って来い‼︎」

 

「ばつびょー‼︎」

 

たいほうが海原に出た

 

周辺海域では、海上を隊長と武蔵が

 

海中ではしおいが警戒網を敷き、安全は確保されている

 

「準備オーケーか⁉︎」

 

ジエットスキーの上でメガホンを持った、隊長の声が聞こえた

 

「パーペキよ‼︎」

 

「よし、演習開始‼︎」

 

「はっかん‼︎」

 

先制はたいほうが取った

 

上空では、三機のれっぷうが制空権を確保している

 

「いけ‼︎」

 

クロスボウから打ち出された、流星改とユンカース

 

雷撃と急降下爆撃がプリンツを襲う‼︎

 

「あだだだだ‼︎」

 

「はっかん‼︎」

 

たいほうの連続攻撃は止まない

 

「フォイヤー‼︎」

 

「えい」

 

プリンツの砲撃音が聞こえた次の瞬間、たいほうは一時的にクロスボウを背中のケースに仕舞い、甲板を前に出した

 

そこに、プリンツの砲撃が当たった

 

「ちょっと‼︎それは盾じゃないよ⁉︎」

 

「はっかん‼︎」

 

一瞬の隙を突いて、たいほうは三度目の発艦を行った

 

「ぐわ‼︎やられる…最後の手段…これなら‼︎」

 

プリンツから二本の魚雷が打ち出された

 

向かって来る魚雷

 

下を見つめるたいほう

 

危険極まりない攻撃だが、たいほうは下を向いたまま動かない

 

いざいざ当たると、誰もが思った瞬間…

 

たいほうは無言で魚雷を手に取った

 

「おさかなとれた」

 

「えぇぇぇぇぇぇ⁉︎嘘でしょ⁉︎」

 

「てつのおさかなは、ぽいする」

 

まだスクリューが回っている魚雷を、プリンツの方向目掛けて投げ返した‼︎

 

「うわぁ〜‼︎」

 

雷撃は命中、プリンツは完全に航行不能となった

 

「そこまで‼︎たいほうの勝ち‼︎」

 

「かった‼︎」

 

たいほうは海上でぴょんぴょん跳ねている

 

「ん…」

 

「ぷりんつ」

 

艤装から黒煙を吹き出すプリンツが目を開けると、たいほうの顔がドアップで映った

 

「たいほうのかち」

 

「強いね、タイホーは」

 

「ぷりんつ、たいほうのおともだち⁇」

 

「へ⁇」

 

「友達になってやりなさい‼︎これは命令ですよ、ヘボヘボプリンツさん‼︎」

 

「ぐっ…」

 

岸ではメガホンを持った俺がプリンツを煽る

 

「なれる…かな」

 

「だいじょうぶだよ。いっしょにごはんたべて、ねんねしたらおともだちだよ‼︎」

 

たいほうは手を差し伸べた

 

プリンツは少し悩んだ後、たいほうの手を取った

 

「…なるよ、たいほうのお友達に‼︎」

 

「やったね‼︎おうちかえろ⁇たいほうおなかすいた」

 

「うんっ‼︎」

 

どうやら、仲良くなれたみたいだ

 

 

 

「ういんなー」

 

たいほうの前に、焼き立ての太いウインナーが置かれた

 

「ドイツの名物です‼︎」

 

「うふふっ‼︎スティングレイのよりふっと…‼︎」

 

何かを言おうとした鹿島の口を、ローマが咄嗟に塞いだ

 

「それ以上言ったら、ドックに放り込むわよ」

 

「す、すみません…」

 

「いただきます」

 

たいほうのウインナーは、隊長が小さく切っている

 

「そうだ‼︎たいほうちゃん、魚雷どうやって取ったの⁇痛くないの⁇」

 

「いたくないよ。すてぃんぐれいがね、てつのおさかなは、おなかをつかむか、よけるっていってた」

 

「そうなのか⁇」

 

興味を示したのは隊長だ

 

「魚雷は信管が先っちょに付いてる。当たる前に掴めば、投げ返すなんざ造作もないさ」

 

「たいほうもよく見えたな」

 

「たいほうつよい⁇」

 

「あぁ‼︎強いぞ‼︎」

 

「ごちそうさん。ちょっと工廠にいる。何かあったら言ってくれ」

 

「分かった」

 

工廠に入り、先程の二人の艤装を出した

 

「しかしまぁ…派手にやってくれたもんだ…」

 

たいほうの甲板は凹み

 

プリンツの艤装に至っては、至る所に攻撃の激しさが見えた

 

”プリンツも大分強いな”

 

黄色いメットを被った妖精が肩に乗って来た

 

「まぁなぁ…あの一発で、装甲空母の甲板をここまでするとは…」

 

”あれや。ドイツの科学は何とやら…や‼︎”

 

「ふっ…たいほうの甲板を頼めるか⁇」

 

”任しとき‼︎朝飯前や‼︎”

 

妖精達と共に、艤装の修理に取り掛かる

 

ま、何とか直せそうだな

 

「こいつは塗り直すか…迷彩の塗料あるか⁉︎」

 

”これや‼︎”

 

「サンキュー」

 

口やかましく行動する妖精達の横で、俺は黙々と作業を続けた

 

 

 

その頃、たいほうとプリンツは入渠ドックにいた

 

幾ら演習とはいえ、細かな傷はある

 

それを取り除く為、少しだけ入る事になった

 

「あわ‼︎」

 

たいほうの前にはカエルの洗面器の中に、キャラクター物の弱酸性のシャンプーが入っている

 

プリンツが気になったのはシャンプーの横にあった、ゴム製の黄色い物体

 

「これは⁇」

 

「がーがーさん‼︎」

 

「ガーガー…サン⁇」

 

ドイツの子は、何故か皆コレに興味を示す

 

れーべもまっくすも、これに興味を示していた

 

「がーがーさんはね、おふろのなかにいれるの」

 

「ほぉ」

 

体の泡を流し、二人で湯船に浸かる

 

「ガーガー=サンは⁇」

 

「じゃん」

 

入る時に沈めたのか、水面からアヒルが出てきた

 

「ぴゅー」

 

アヒルのお腹を押すと、口から水を吐いた

 

「ゲロ吐いた‼︎」

 

「ぷりんつもして⁇」

 

何処からともなく、2匹目のアヒルを取り出し、プリンツに渡した

 

「こうやって…こう‼︎」

 

「こうやって…おぉっ‼︎」

 

気に入ったのか、その辺に水を出しまくる

 

「がーがーさん、ぷりんつにあげる」

 

「いいの⁇」

 

「うんっ‼︎」

 

プリンツがしばらくアヒルで遊んでいると、たいほうがプリンツにくっ付いた

 

「むさしもやわらかいんだよ⁇」

 

プリンツの胸を揉むたいほう

 

たいほうだから許される行為だ

 

「柔らかいですか⁇」

 

「うんっ。むさしのつぎくらいにすき」

 

「そろそろ上がる⁇」

 

「うん」


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