艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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38話が終わりました

霞に色々ありましたが、スティングレイの元に来ました

最近

”スティングレイの方が主人公じゃね〜か‼︎このクラッシュバンディクーが‼︎ニトロ箱投げんぞ‼︎”

とのご感想を頂きました

作者も薄々気付いていました

スティングレイは、キャラとしてとても書きやすいです

今回のお話では、もちろんパパもスティングレイも出て来ます

まっくすの好きなものに注目


39話 雷鳥と雄鳥の子供(1)

「どしゅ〜ん‼︎」

 

「ばばばばば‼︎」

 

「隊長」

 

「ん〜⁇」

 

「霞…あんなだったか⁇」

 

私は読んでいた雑誌を置き、霞の方を見た

 

視線の先にはなんと、たいほうと霞が戦闘機のオモチャで遊んでいる

 

「い、意外だな…」

 

「だろ⁉︎ツンはどこ行ったってレベルでデレしかないぜ⁉︎」

 

「遊び足り無かったんだよ、きっと。最初からここに配属させてやったら良かったんだ…」

 

「パパ〜‼︎」

 

れーべとまっくすが私の所に来た

 

「これ読んで‼︎」

 

「どれ…」

 

ソファーに座ると、二人が両サイドに座った

 

「たくさんのむし」

 

どうやらたいほうの本のようだ

 

何故かは知らないが、たいほうはやたらと虫を捕まえて戦わせる癖がある

 

しかし、毒があったり攻撃的な生き物には近付かない

 

例えば、蛇やカラス

 

スズメやカモメには触るが、カラスには絶対触らない

 

横須賀にいた時にカラスがいたが”からすはあぶない”と言って近付きもしなかった

 

蛇は種類を選んで捕まえている

 

基地の森には、極々稀にマムシが出るらしいが、絶対に触ろうとせず、私やスティングレイに始末して貰う

 

アオダイショウは時々捕まえて振り回しているのを目撃する

 

「二人は何の虫が好きだ⁇」

 

「ボクは蛍‼︎」

 

「ハチこそ至高」

 

「は、ハチ⁉︎」

 

「ハチは強い。しかも早い」

 

「ハチ見かけても触っちゃだめだぞ⁇」

 

「うん」

 

しばらく本を読んでいると、たいほうと霞が急に大人しくなっているのに気が付いた

 

テレビから少し離れた所で、床に座って国営放送の子供向け番組を見ている

 

《この生き物は”うさぎ”と言います》

 

「うさぎ…」

 

たいほうより霞の方が食い付いた

 

《うさぎは、ニンジンや野菜を好んで食べます》

 

「たいほうもやさいたべるよ‼︎」

 

たいほうがテレビを見ている時、テレビの内容を見るよりたいほうを見る方が面白い

 

どうもたいほうは、テレビの中に人が入っていると思っているらしく、よくテレビに話し掛けている

 

《うさぎは、ペットとしても人気です》

 

「ぺっと」

 

ほんの一瞬、買ってやろうと頭をよぎったが、たいほうはクワガタと戦わせるとみた

 

「パパ、うさぎってつよい⁉︎」

 

ほら…

 

テレビが終わった途端にコレだ

 

「うさぎは弱いぞ。クワガタに挟まれたら逃げちゃうぞ⁇」

 

「クワガタつよいね」

 

「クワガタより強いの探してるのか⁇」

 

「うん‼︎でもだいたいたたかったよ」

 

「ハチこそ至高」

 

話を聞いていたまっくすが来た

 

「ハチはあぶないよ。どくもあるし、さされたらいたいよ」

 

「ハチミツは美味しい」

 

「はちみつ…」

 

おそらく、あの小瓶に入っていた蜜を思い出しているのだろう

 

たいほうは涎を垂らしている

 

「で、でも、ハチはあぶないよ‼︎まっくすもさわったらだめだよ⁉︎」

 

「大丈夫」

 

「さっ、たまにはお昼寝だ。れーべが寝ちゃった」

 

「かすみ、いっしょにいこ⁇」

 

たいほうが霞に手を出した

 

「うん」

 

霞はそれを掴み、部屋に向かう

 

「まっくすもお昼寝するか⁇」

 

「うん。れーべをお願い」

 

「連れて行くよ」

 

れーべを抱え、子供部屋に向かう

 

部屋に入ると、遊び疲れたのか、たいほうと霞は既に寝息を立てていた

 

たいほうもそうだが、霞の顔を見てホッとした

 

れーべを横にした後、まっくすもその横で毛布を被った


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