「わかった…たいほう、おるすばんする」
「机にビスケットがあるから、食べていいぞ」
「うん…」
”たいほうは任せ︎頼むで提督︎”
「ジェットスキーを出せ」
”おっしゃ︎”
「私を怒らせたな…」
脱衣場にあった、たいほうのボウガンを手に取り、カートリッジを挿した
「フィリップ、聞こえるか⁇」
《ゴメンネ…ボクノセイダ》
「一緒に行ってくれるか⁇」
《タスケテクレルノ︎》
「戦争は嫌いだが、戦う理由が見つかった」
《パパニツイテイクヨ》
「頼むぞ」
《ウンッ︎》
「よし、出せ」
《ウゥゥゥウ︎》
口を封じられ、檻に入れられたマリアがホバークラフトに乗せられ、タンカーに向かっていた
「こいつは高く売れるぞ︎」
チクショウ…
ワタシヲウルキカ…
ヤハリニンゲンハ、シンヨウナランナ…
「まさかもう一度握る事になるとはな…」
”ライフルの撃ち方は分かるな⁇”
「大丈夫だ。特にこいつは」
レバーアクションのライフルは撃ち慣れている
それに、ジェットスキーの上ならポンプ式よりこっちの方が有利だ
《イコウ︎》
「よし、出る︎」
初期加速はやはり難ありだが、今回ばかりはそれでいい
「ホバークラフトは…もう格納されたか」
《タンカーダ︎ヤッパリジェットスキーハハヤイネ》
「行くぞ︎」
《ラジャー︎》
いつもより活気に溢れたフィリップの相槌を合図に、ボウガンからフィリップを発艦した
「ロケット弾の発射を許可する。私の合図でタンカーに食らわせてやれ︎」
《ラジャー︎》
フィリップが発艦した後、無線である場所に連絡をした
「おい、聞こえるか︎おい︎」
「大佐ですか⁇」
「横須賀君か︎基地の付近に不審なタンカーが現れてマリアが連れて行かれた︎」
「分かりました、付近で遠征を行っている艦隊を回します。私もすぐ伺います︎」
「頼むぞ︎」
タンカーの上では、マリアの入った檻が下されていた
「こんな奴が人類の恐怖だとはな…」
「よくもやってくれた…な︎」
《ウゥッ︎》
蹴られたり殴られたりされているマリアの頭には、ふと一人の人間が過った
パパハ…ヤサシカッタな
ワタシタチニモ、ワケヘダテなく、アイシテくれた…
カエリたい…
ソウだ、かえろう
パパの所…に…
「何だ⁇」
タンカーの下で、ジェットスキーが並行している
タンカーに乗った人は、背中のライフルを構え、弾を装填している
「何をする気だ…」
「徹甲弾か…」
ま、脱臼は覚悟だろう
弾を装填し、タンカーの腹に一発当てた
大きな銃声が聞こえた後、タンカーに人一人入れる穴が空いた
「相変わらずいい加減な威力の武器だな」
まぁ、これで入れる
タンカーの中に入ると、フィリップの通信が入った
《マリアヲミツケタヨ︎カンパンニイル︎》
「ありがとう。ロケット弾の安全装置を解除したまま、その場で待機しててくれ」
《ラジャー》
しばらくタンカーの中を歩いていると、誰かの声がした
「あんたは…」
「捕まってしまいました…」
昼間来た行商船の男性だった