艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、36話が終わりました

遅れましたが、あけましておめでとうございます‼︎

最近、作者の体調があまり良くなく、執筆が遅れて申し訳ありません

今回のお話は、たいほうと暁がメインです

そして、また少し、パパの過去が明らかになります


37話 ラバウルの淑女(1)

今日はたいほうを連れて、ラバウルの連中の所に遊びに来た

 

ラバウルに来るなりたいほうは、暁と二人で岩場にある露天風呂に入っていた

 

「たまご」

 

たいほうの前に、ネットに入ったたまごが流れて来た

 

「これは温泉たまごよ‼︎温泉たまごはレディの食べ物よ‼︎」

 

「あかつきはれでぃ⁇」

 

「そうよ‼︎淑女とも言うわ‼︎」

 

「たまご」

 

暁がレディだと言う事より、たいほうは温泉たまごの方が気になって仕方がない

 

「食べさせてあげるわ‼︎」

 

暁はネットからたまごを二つ取り、一つ殻を割ってたいほうに渡した

 

もう一つを自身が持ち、殻を割って中身を食べる

 

「おいしいね‼︎」

 

「あんまり食べ過ぎると、お兄ちゃんの分が無くなっちゃうわ」

 

「ぷるぷるたまご」

 

温泉たまごを見て、たいほうは武蔵を思い出した

 

武蔵はぷるぷるした物が好きだ

 

たいほうもよく、武蔵からゼリーやらプリンやらを貰っている

 

「たいほうちゃんの所には、お母さんは居るの⁇」

 

「おかあさん⁇」

 

「そう。私の所には大和さんが居るわ」

 

「おかあさん…」

 

また武蔵を思い出す

 

武蔵はあったかくて、とても柔らかい

 

美味しいご飯もくれるし、抱っこもしてくれる

 

「むさしがいるよ‼︎」

 

「むさしさんはどんな人⁇」

 

「むさしはね、おっきくてあったかいの‼︎パパのおよめさんなんだよ‼︎」

 

パパの事を話すたいほうは、いつも嬉しそうだ

 

「ケッコンしてるのね⁉︎」

 

「うん。むさしはパパのこと”だんな”っていったり、じぶんのこと”つま”とか”よめ”っていってる」

 

「アツアツね…」

 

「あとね、すてぃんぐれいと、かしまってひともいるよ‼︎」

 

「スティングレイ⁉︎」

 

スティングレイの話をする時も、たいほうは嬉しそうな顔をする

 

「すてぃんぐれいはね、たいほうのぱいろっとなんだよ‼︎カッコいいんだよ‼︎」

 

「はぇ〜…」

 

暁にとって、専属のパイロットは夢のまた夢

 

暁は自分なりの”専属パイロット”の予想図を頭に描く

 

「かしまはね、すてぃんぐれいといると、へんなうごきしたり、よなかにうるさいの」

 

「どんな感じに⁇」

 

「くねくね〜ってうごいてるの。よなかになると、すてぃんぐれいのへやで”きて”とか”いく〜‼︎”とかいってるの」

 

「ほ、本物…」

 

「あかつきはどんなおかあさん⁇」

 

「大和さんは…そうね。優しい人よ‼︎本物のレディ…そう、大和撫子よ‼︎…お兄ちゃんより、バッカスの方が好きみたいだけど」

 

「ふくざつ⁇」

 

「そうでもないわ‼︎お兄ちゃんには暁がいるもの‼︎」

 

「あかつきすごい‼︎」

 

「伊達に改二じゃないわよ⁉︎」

 

暁は立ち上がり、自慢気にポーズを取った

 

 

 

「大佐、いいレコードが手に入ったんだ」

 

「どれ…」

 

ラバウルさんは、昔からレコードを集めるのが趣味だ

 

当時もそうだったが、執務室には相変わらず各国のレコードが揃っている

 

「ドイツのレコードでしてね。かなり古いですが、ようやく入手出来ました」

 

「ドイツ…ね」

 

ドイツと聞くと、れーべとまっくすが頭に浮かび、口角が上がる

 

「では…」

 

針が置かれ、曲が流れる

 

「懐かしいな…」

 

「ふふふ…今幾つですか⁇」

 

ラバウルさんとコーヒーを飲みながら、曲を聴き流す

 

私達はドイツに飛んだ事もあった

 

その時、ドイツの将兵が聞いていた曲がこれだ

 

太平洋戦争の時に、ドイツ兵の間で流行った曲らしい

 

聞いた話によると、男女二人が戦争によって引き裂かれる悲しい歌らしい

 

「戦闘機の無線から流れて来た事もありました」

 

「不思議と、聞くと勝てるんだよな…」

 

「女神が宿っているのかも知れませんね…」

 

 

 

 

男二人がレコードを聴いている中、たいほうと暁は、露天風呂から上がり、基地の中で遊んでいた

 

「気持ち良かった⁇」

 

「うん‼︎たまごもぷるぷるでおいしかった‼︎ありがと‼︎」

 

「喜んで貰えて良かったわ‼︎」

 

たいほうと暁はぬり絵をしながら、またお話をする

 

「たいほうちゃんの所には、駆逐艦はいるの⁇」

 

「いるよ‼︎れーべとまっくす‼︎」


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