艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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35話 激戦‼︎忍び寄る侵略者‼︎(2)

たいほうに塩を渡すと、それを振り撒き始めた

 

「うぁ〜‼︎ちっちゃ〜い‼︎」

 

小さくなったなめくじを再び棒で突き始めるたいほう

 

「さ、ここに入れよう」

 

木の棒をお箸の様に使い、なめくじを瓶に詰めて行く

 

「おかずにするの⁇」

 

「しないしない‼︎森に返してやるんだ」

 

「おいしいかもしれないよ⁉︎しいたけみたいだよ⁉︎」

 

「ダメだ。しいたけの方が美味しいぞ」

 

「そうだね」

 

あらかた詰め終わった所で、森に行こうとした

 

「パパ、なめくじもっといるよ⁉︎」

 

「なん…だと⁇」

 

「つぎはすぺんさーのところ‼︎」

 

スペンサーの格納庫の周りにも、なめくじが発生していた

 

「なんなんだよ‼︎」

 

「おりゃー‼︎」

 

二人でなめくじを小さくした後、瓶に詰める作業を繰り返して行く

 

「つぎはこるせあ‼︎」

 

頭が痛くなって来た…

 

コルセアの格納庫のなめくじ処理が終わった所で、既に三つの瓶がパンパンになっていた

 

「さいごはここ‼︎」

 

「ゔっ…」

 

着いたのは、資材や資源を置いてある倉庫

 

「てんじょー」

 

「ゔっ」

 

「かべ」

 

「ゔゔっ」

 

「パパのあたま」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎‼︎‼︎」

 

なんなんだこの基地は‼︎

 

「よし、たいほう。パパが肩車してやるから、天井のなめくじを叩き落とせ‼︎」

 

「うんっ‼︎」

 

たいほうを肩車して、天井のなめくじ処理を始める

 

木の棒で天井のなめくじを落とし終えた所で、数十匹はいる

 

「次は壁だ‼︎」

 

「しお‼︎」

 

「やってしま、あぁぁぁぁあ‼︎‼︎‼︎」

 

背中になめくじが入って来た‼︎

 

「たたたたたたいほう‼︎取ってくれ‼︎」

 

「すとっぷすとっぷ」

 

背中の中に木の棒が入り、なめくじを取って来る

 

「パパなめくじきらい⁇」

 

「ヌルヌルが嫌いなんだ」

 

「ぬるぬるの、のろのろだね」

 

「ヌルヌルは嫌だ」

 

「かしまのおへやにあった、じゅーすもぬるぬるだよ‼︎」

 

「…飲んでないな⁇」

 

「のんじゃだめだっていわれて、みかんのじゅーすくれたよ‼︎」

 

「良かった…」

 

話が少しずれたが、倉庫のなめくじも何とか瓶に詰め終えた

 

「おっ…」

 

ようやく雨が上がった

 

「さ、森に返しに行こうか」

 

「うんっ‼︎」

 

なめくじの瓶は全部で六つ

 

最初の頃に小さくしたなめくじは、段々元の大きさを取り戻しているのか、ミチミチになっている

 

「さっ、おかえり」

 

基地の近くの木が生い茂った場所に、なめくじ達を放した

 

「なめくじばいば〜い‼︎」

 

「ばいば〜い」

 

基地に帰り、早速入渠

 

多少雨に濡れたが、まだ体がヌルヌルする気がする

 

「あがった〜‼︎」

 

「はい」

 

はまかぜからとうもろこしを受け取り、机の上で食べ始めた

 

「おいしいね‼︎」

 

「美味しいな。たまにはこれも良いな」

 

とうもろこしを食べ終えた後、疲れたのか、たいほうはソファで寝てしまった

 

「全く…よっこら」

 

たいほうを部屋に寝かせ、また食堂に戻って来た

 

「たいほうとなめくじ取ってたんですか⁇」

 

「そっ。もう散々だよ」

 

ソファに横になり、リモコンでテレビをつけた

 

「なめくじは料理できません」

 

「はは…だろうな…」

 

「あ、そうだ…提督」

 

はまかぜは急にキョロキョロしだし、辺りに誰も居ないのを確認すると、急にこちらに寄って来た

 

「どうした⁇」

 

「…だっこ」

 

「よっと」

 

はまかぜを腹の上に抱き、テレビを見続ける

 

「本当にしてくれるんだ…」

 

「忙しくなきゃな」

 

「…嬉しい」

 

「そうか⁇」

 

そう言った後には、もうはまかぜは眠っていた

 

お前も疲れてるんだな…

 

いつも美味しいご飯をありがとう

 

彼女もまた、部屋に運ぼうとした

 

たいほうとそんなに身長は変わらないのに、ちょっと重たい

 

やっぱり胸の差なのか⁇

 

少しやましい考えをしつつも、はまかぜを布団に寝かせた

 

 

 

 

 

その夜…

 

たいほう

 

れーべ

 

まっくす

 

三人仲良く眠っている所に、小さな侵入者達が忍び寄る

 

小さな侵入者はたいほうの枕元に何かを置き、去って行った

 

 

 

「おはよう。なにこれ⁉︎」

 

たいほうの枕元には、瓶が一つ

 

「パパ〜‼︎なにこれ‼︎」

 

起きて来たたいほうから瓶を貰い、中の液体の匂いをかいでみた

 

「なんだコレ。甘い匂いがするな…工廠で調べて貰うか」

 

 

 

 

”ハチミツっぽいな。成分がほとんど一緒や”

 

「たべてもだいじょうぶ⁉︎」

 

”大丈夫や。パンに塗って食べや”

 

「分かった‼︎」

 

食堂に帰り、たいほうは瓶の中身をパンに塗って食べ始めた

 

「わぁ‼︎おいしいよ‼︎」

 

「おっ、どれどれ…」

 

言葉に甘えて、私も塗って食べてみた

 

「うん‼︎中々イケるぞ‼︎」

 

「パパつやつや」

 

食べている途中、まっくすがポロッと言った

 

「ん⁇」

 

「たいほうもつやつや」

 

「わぁ」

 

瓶の中身を食べた二人の肌ツヤが良くなっている

 

「どれ」

 

それを見た他の連中が、瓶の中身をパンに塗って食べ始め、その内に無くなってしまった

 

疑問に残るのは一つ

 

一体誰が持って来たんだ…⁇

 

 

 

”美味しいハチミツ”が、ジュースサーバーから出るようになりました‼︎


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