艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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今回の話はちょっぴりエッチです


33話 霧の街(5)

「温かいな…私が叩かれた理由が分かる」

 

「武蔵…」

 

「提督は、絶対人を見捨て無かったな…忘れていたよ…」

 

「そうだ…」

 

「もっと、私に触れてくれ…」

 

頬から手を離し、すぐにイヌミミと言われていた部分に触れた

 

「あっ…そっ、そこは敏感なんだ…」

 

「やっぱりくっ付いてるのか⁇」

 

指先で摘んだりするが、抜けたり歪んだりしない

 

それどころか、武蔵が震え始めた

 

「ほ…他の所にして欲しい」

 

言われるがまま、腕や足に触れる

 

「その…柔らかいな…」

 

「ふふっ…こう見えても、私は女だ」

 

「あ、そうだ提督。ここも触れてくれ」

 

「…その」

 

恥ずかしさのあまり、自身の頬を掻く

 

武蔵が指定した場所は、胸だ

 

若い頃、一度だけ流れに任せて、半ば無理矢理ローマを抱いた事があった

 

流石に後悔している…

 

私は彼女の初めてを奪い、あまつさえ他人とケッコンしている

 

だが、ローマはそれを誰に言う訳でも無く、私を責める訳でも無く、未だに黙ってくれている

 

「ろーまにはしたのだろう⁇」

 

「…何で知ってる」

 

「私にはお見通しだ」

 

そう言って、イヌミミの電探を指差した

 

「い、いくぞ‼︎」

 

「んっ…」

 

抱かれて埋まった事はあるが、直は初めてだ

 

「いいぞ。好きな人に触れられるのが、こんなに気持ちがいい事とは…思わなかった」

 

「くそっ‼︎」

 

「うっ‼︎」

 

私は、二度目の過ちを犯した

 

ケッコンしてるとはいえ、また強引だ…

 

 

 

「やってしまった…」

 

朝起きて、横で眠っている武蔵を見て最初にそう思った

 

とにかく、着替えてみんなの所に行こう

 

「おはよう、提督」

 

「おはよう…ごめんなさいでは、許してくれないよ、な⁇」

 

「何故謝る⁇私は妻だ。抱かれて当然だ‼︎」

 

「いや、その…無理矢理に…」

 

「構わん。多少強引な提督の方が、私は好みだ」

 

「そっか…じゃあ、ありがとう、だな⁇」

 

「そうだ」

 

「…また、お願いしてもいいか⁇」

 

「チビ達が眠った後なら、な⁇」

 

「朝ご飯食べる前に、先に工廠に行って来る」

 

「あぁ‼︎行って来い‼︎」

 

玄関まで見送りに来てくれた武蔵に、行って来ますのキスをした後、工廠に向かった

 

「パパ〜‼︎」

 

たいほうが来た

 

「…」

 

私に抱き着いた後、何やら匂いを嗅いでいる

 

「におうか⁇」

 

「むさしのにおいがする」

 

「うっ…」

 

たいほうの鼻は誤魔化せないな…

 

「いっしょにねんねした⁇」

 

「そ、そうだ。たいほうもパパと一緒にねんねするだろ⁇武蔵だけにしないのは可笑しいだろ⁇」

 

「うんっ‼︎むさしはあったかいしね‼︎」

 

ふぅ…

 

たいほうが無垢で良かった…

 

「一緒に行くか。お友達が出来たんだ」

 

「やったね‼︎」

 

たいほうを抱っこしたまま、工廠に入る

 

「おはよう…パパ」

 

調整を終えた雲龍がいた

 

「おはよう。どうだ、体の具合は」

 

「うん…昨日、横須賀さんに最終チェックをして貰ったの…」

 

「わぁ〜…」

 

たいほうの口が開いたまま塞がらない

 

「どうした⁇」

 

「むさしのおむねとおんなじくらいかな⁇」

 

「おいで」

 

たいほうを降ろすと、雲龍に抱き着いた

 

「ぷにゅぷにゅだね‼︎」

 

雲龍の胸に顔を置き、すりすりしている

 

「…かわいい」

 

「あたしたいほう‼︎」

 

「私は雲龍…よろしくね」

 

「さぁ、雲龍。まずは街に行こうか」

 

「うん」

 

みんなを集め、昨日回れなかった繁華街を回る事にした


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