艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、307話が終わりました

今回のお話は、秋雲がお近付きの印に各々に配っていたケシカランブックのお話です

マーカスが貰ったのは…


308話 画伯はなんでもお見通し(1)

「大尉〜‼︎」

 

「お、秋雲か。どうだ調子は⁇」

 

ある日の昼、パースピザのテラスでお昼ご飯を食べようとしていると秋雲が来た

 

「大尉にこれを〜」

 

「どれっ…」

 

秋雲に大きめの茶封筒を渡され、中を見る

 

どうやら薄めの本みたいだ

 

「これはっ…‼︎」

 

すぐに茶封筒に直し、周りを見る

 

「本人には許可取りました‼︎大尉にならと‼︎」

 

すぐに茶封筒に直した為によくよく確認しなかったが、とても素晴らしい物が見えた気がする…

 

机の下でもう一度表紙を確認する…

 

ムチムチ…

 

寮母…

 

続きはなんだ‼︎いや‼︎表で開ける内容じゃない気がする‼︎

 

「どうです⁇」

 

「けしからんのでぼっしゅうします」

 

「何で棒読み⁉︎」

 

「これはわたしがせきにんをもってしょりします」

 

「あ、はいっ…」

 

秋雲は何となく察してくれたみたいで、歯を見せている

 

「なるほどなるほど、ぼっちゃんはそういうのが趣味パース⁇」

 

いつの間にかピザとジュースを持ったパースがいた

 

「違うんだパース‼︎これは責任を持って処理する‼︎」

 

「別の処理パース⁇」

 

「そうだっ‼︎いや違う‼︎」

 

両手にお盆を持ちながら余裕の表情で煽って来るパース

 

「ささ‼︎パースオリジナルパース‼︎」

 

トマトソースとチーズ、そしてふんだんに敷かれたサラミが美味しそうなシンプルなピザだ

 

「おっ‼︎美味そうだな‼︎秋雲も食うか⁇」

 

「ではお言葉に甘えて〜」

 

「ぼっちゃん」

 

「ん〜⁇」

 

パースが急に左耳に顔を近付けて来た

 

「…ぼっちゃんなら、パースがいつでもお相手するパース」

 

最近パースの扱いにも慣れて来た為、左手を回し頭を撫でた

 

パースは満足したのか、店内に戻って行った

 

「ぼっちゃん〜って言ってましたけど、昔からの知り合いなんですか⁇」

 

「そっ。俺のベビーシッターだ」

 

「んふ…閃いた‼︎ごちそうさまでした‼︎」

 

「これ、ありがとな⁇」

 

「いえいえ‼︎きっと大尉のお気に召しますよ‼︎」

 

これは食べてから確認せねばならんな…

 

 

 

その日の深夜…

 

「おやすみ、ビビリ」

 

「おやすみ、アーク」

 

今日に限ってアークが寝付けないと言い出したので、眠るまで横にいた

 

廊下に誰もいない事を確認した後、自室の机の前に座る…

 

「さてっ…」

 

いざ茶封筒の中身を見る…

 

ムチムチ寮母ママのサービスタイム…

 

パイロット寮の寮母の人に非常に似ている…

 

「…」

 

生唾を飲み、いざページをめくる…

 

「…」

 

それはそれはもうけしからん内容

 

これはちょっと横になって見た方がいいな…

 

いざベッドに移動しようとした時、机にあるPCに通信が入った

 

《何てもん見てんでち‼︎》

 

通信先はゴーヤ

 

PC辺りのカメラを同期させたのだろう…

 

「いいかゴーヤ。これは検閲だ‼︎」

 

《ほ〜、検閲でちか。いいご身分でちな⁇》

 

モニター先でゴーヤはしたり顔を見せる

 

今から何をするか分かっている上でおちょくっているんだな…

 

「頼む…内緒にしててくれ…」

 

《創造主に御褒美をあげようと思ったのに、要らないでち⁇》

 

「何だ⁇」

 

《そのヘッドホン付けるでち》

 

「これか⁇」

 

ゴーヤが言ったのは、カメラ付きのヘッドホン

 

内容を見て来る気だ‼︎

 

…まぁいい

 

ここはゴーヤに従うしかない

 

こんな情けない姿をバラされたら終わりだ…

 

ヘッドホンを付け、再びページをめくる…

 

《創造主。一旦全部のページを見せて欲しいでち》

 

「何だか分からんが分かった‼︎」

 

ゴーヤに言われるがまま、ページをめくって行く…

 

一旦内容はほとんど見ず、最後のページまで来た

 

《いやぁ、けしからんでちな》

 

「ゴーヤもそう思うか⁇」

 

《創造主がそういうのが好みと分かったでち。あ‼︎巡回しなきゃでち‼︎》

 

「…ゴーヤ」

 

《冗談でち》

 

ゴーヤと話していると、何かのファイルが送られて来た

 

“T-Voice Data”と名付けられたそれは、どうやら音声ファイル

 

《それが御褒美でち。創造主のお気に召すかは、創造主次第でち》

 

「分かった。今聞いてみるよ」

 

《だーっ‼︎ダメでち‼︎こいつは一人で楽しんだ方がいいでち‼︎じゃ‼︎》

 

急にテンパり出したゴーヤは急いで通信を切った

 

「どれ…」

 

何かゴーヤが作ってくれた音声のようなので、せっかくなので聞いてみる事にした

 

《あ、り、が、とっ‼︎ギューしてあげるわ‼︎》

 

《ず〜っと見てたんでしょ⁇コ、レ‼︎》

 

《凄いわ…こんなに…》

 

「…」

 

ページのセリフに合わせて、パイロット寮の寮母に非常に似た声が聞こえる…

 

何処かで音声を拾って繋げたのだろうが、不自然な点が無く、本当に耳元で囁かれているみたいだ…

 

反則だろ…こんな…

 

身震いした後、じっくり堪能する事にした…


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