艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、305話が終わりました

今回のお話は、とある人物のヒミツが明らかになります

お話の中でちょくちょく登場していた謎の美女

それはある悩みを抱えていた一人の子でした


306話 気になるあの子の秘密(1)

この日、哨戒任務を終えた健吾は横須賀に来ていた

 

「さぶっ‼︎」

 

たまには一人で遊びたい気分の健吾

 

温かいうどんを食べに来たのだ

 

早速ずいずいずっころばしに入る

 

「いらっしゃいませ‼︎」

 

「一人です。あの、うどんってありますか⁇」

 

「オッケー、うどんね‼︎うどん一丁ー‼︎」

 

「はーい‼︎」

 

瑞鶴にうどんを注文し、カウンター席に座る

 

「頂きます‼︎」

 

「頂くであります」

 

テーブル席には、蒼龍と神州丸がいる

 

お昼時の為か、二人もうどんを食べている

 

「可愛いよね、神州丸ちゃん」

 

「えぇ。あのお箸の持ち方…ふふ…」

 

神州丸のお箸の持ち方は、まだまだぎこちない

 

それが瑞鶴と健吾には堪らなく可愛い

 

「はいっ、うどんお待たせ‼︎」

 

「頂きますっ‼︎」

 

健吾もうどんを啜り始める

 

「はぁっ…」

 

冷えた体に温かいうどんは身に染みる

 

「あ、そうそう。涼平君大丈夫だった⁇」

 

「えぇっ…あれからっ…何時もより強くなった気がします‼︎」

 

健吾はうどんを啜りながら、瑞鶴と話す

 

「良かった‼︎戻れたんですね‼︎」

 

反応したのは蒼龍

 

「蒼龍さんにお礼を言っていました。後日、何か送りますと」

 

「いいんですいいんです‼︎健吾さんの一部分を頂きますから‼︎」

 

蒼龍は立ち上がり、ジワリジワリ健吾に近付く…

 

「背に腹は変えられません…分かりましたっ‼︎」

 

健吾は目を閉じる…

 

「うっ…」

 

椅子を回転させられ、蒼龍の方に向けられる

 

「ちょっとちょっと‼︎店内でスプラッシュはダメだよ⁉︎」

 

「あ〜…‼︎」

 

時既に遅し

 

蒼龍は健吾をしっかりホールドし、肩に噛み付いた‼︎

 

「くっ…」

 

「あ⁇ん〜…何か微妙れす…」

 

「…」

 

肩に歯を立てられただけで、ちょっと痛い位で済んだ

 

「ん〜、男の子だと思ってました」

 

「ゔっ…」

 

「え⁉︎中尉って男の子でしょ⁉︎」

 

「あ、あのあの‼︎」

 

「違いますよ‼︎胸ありますし‼︎ほら‼︎」

 

「だっ‼︎」

 

蒼龍は健吾の背後から胸部を触る

 

普段から分厚いシャツを着ているので中々分からないが、こうするとそこそこ胸があるのが見える

 

「あー…えと、その…人間、隠したい事も、あるよね‼︎」

 

「えと…あの…」

 

「黙ってるから、大丈夫よ⁇」

 

「そうだったんですか…ごめんなさい…」

 

「い、いいんですいいんです‼︎あはは‼︎」

 

健吾は顔を真っ赤にしつつも、蒼龍を許した

 

「お詫びに今日は私が出しますから、ねっ⁇」

 

「じゃあ…お寿司食べていいですか⁇」

 

「勿論‼︎」

 

「お腹いっぱい食べてね‼︎」

 

健吾はお寿司を頬張り始める…

 

 

 

 

その頃、アレンも横須賀に来ていた

 

「マクレガー大尉」

 

「柏木さん⁇」

 

刑部から降りたアレンは、ダイダロスの艦長である柏木さんに招かれ、ベンチに座ってコーヒーを飲み始めた

 

「すまない、足止めして」

 

「構いませんよ。自分も話したかったので」

 

温かいコーヒーを飲みながら、先に口を開いたのは柏木さんの方

 

「その、マクレガー大尉。息子…いや娘…息子…う〜ん…」

 

「健吾の事ですか⁇」

 

柏木さんは健吾の父親

 

ラバウルさんや隊長、横須賀辺りは薄っすらと分かっているかも知れないが、その事実を完璧に知っているのはアレンしかいない

 

「そっか…今は健吾と名乗っていますか」

 

アレンはコーヒーを飲むのを辞め、柏木さんの方を見た

 

「どう言う事です⁇」


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