リミットラバーズ   作:ホワイト・ラム

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注意!注意!注意!注意!注意!注意!注意!注意!注意!注意!注意!注意!注意!
本作はパラレルワールドの出来事です!
今回の話は本編に全く関係ありません!
設定の一部が本編と変化しています!
特別編3、4の世界感に近いです。
この話には幼女は出ません!
そのためロリコニュウムの摂取には向いていません!
本編中何か気分が悪くなったらすぐにブラウザバックしてください!
注意書きは以上です。


クリスマス短編2 パラレル編

ここは私立出素都論大学(通称出素大)の第二食堂。

 

出素大が大きくなり増設された新しい食堂だが、大学内の奥まった場所に有りさらには第一の食堂がおしゃれなカフェ風にリフォームされた為そっちに客が集まり、使用する学生がガクンと減ってしまった寂しい場所である。

しかも現在は朝の10時42分、朝食の時間は過ぎているしお昼にも少し早い。

そのため使用している人間はまばらだ。

 

そんな第二食堂の更に奥まった席に、二人の学生が座っていた。

一人は髪の長い儚げな少女で、良い事でもあったのか非常にニコニコとしている。

もう一人は先ほどの少女とすべてが逆で、細いながらもしっかりした身体と短く切り揃えられた髪、快活そうな雰囲気を纏っているが、その表情は苦虫をかみつぶした様に苦々しげだ。

 

「ねぇ?ハイネ。コレ要らないの?」

「いや、欲しいけどよ……夕日……その……」

髪の長い夕日と呼ばれた少女が、目の前の机の上にある紙の束と数冊の本を指さす。

もてあそぶ様に、紙束を指でつつく。

その様子にもう一人のハイネと呼ばれた少女が歯噛みする。

「簡単な事じゃない?たった一言、たった数時間の事じゃないの?」

まるで囁く悪魔の様に誘う。

「そろそろ期限じゃない?もう明後日だっけ?」

更に夕日が追い打ちをかける。

『明後日』と言う言葉にハイネの表情が曇る!!

そして遂に……!!

 

「わかった……今年はクリスマス会をやろう……」

「やったー!!楽しみ~」

忌々しげに話すハイネに対し夕日はとても無邪気に喜んだ。

(すまない……天峰……!!)

それに対しハイネは心の中で自身の弟に謝罪した。

 

 

 

このテーブルに置かれているのは、実は大学のレポート課題!!

ハイネはあまりレポート課題が得意ではないのだが、進学の為頑張っている。

しかし!!今回は不幸な事故が起きた!!

それは資料の枯渇!!

通常参考資料などは図書館で入手するのだが、今回は他の学部の生徒たちも本を借りたため、参考資料が手に入らなかったのだ!!

更にハイネは締切日を間違えていたため、まさに半パニック状態!!

仕方なく夕日に泣きついたのだが、渡されたのはハイネ風に半場作られたレポートと参考になる数冊の本。

あまりに出来過ぎた待遇に戸惑うが、夕日がハイネに出した条件は卑劣な物だった!!

『ねぇ?ハイネ。もうすぐクリスマスよね?私、天峰クンと一緒に過ごしたいな~』

その言葉の意味を解りやすくするならこうだ。

『課題渡してほしけりゃお前の弟よこせ』

夕日は基本的に落ち着いた人間だが、実は少しばかり困った嗜好が存在する。

彼女はちいさな子供が(性的な意味で)大好きなのだ!!

そしてさらに困った事に、自分の親友 幻原 天音(通称ハイネ)の弟が非常に好みのタイプらしい!!

そのため幾度となくアプローチを続けているのだ!!

 

 

 

天音が夕日の策略に落ちて1週間後……

天音と天峰は一つのマンションの前にたたずんでいた。

 

「お姉ちゃん、ここホントに坂宮さんのお家?」

マンションと言う物を深く知らない天峰は不思議そうに見上げる。

「ああ、そうだぜ……なんでも珍しく格安で入れる部屋が有ったから借りたらしいぜ?」

気乗りしない天音は天峰の手を引いて、エレベーターに乗る。

1、2、3、4と階を上るたび、天音の気持ちは重くなる。

 

(はぁ~この先はアイツ(夕日)の住処……一体どんな仕掛けが有るのか……)

その心持ちはもはや、ダンジョンに挑む冒険者の様な心持!!

自分の弟を横目に何としても、天峰を守り抜こうと言う決意を新たにする。

 

チーン……

 

エレベーターが小さく音を鳴らして13階で停止する。

夕日の部屋はこの階の4号室と聴いている。

天峰の手を引いて、坂宮と表札の着いた部屋のインターホンを鳴らす。

『ハーイ、ハイネ来てくれたんだ。丁度()()も終わった所だし今鍵開けるねー』

やはり重い気持ちの天音に対して、何処までも楽しそうな夕日の声が響く。

 

「はぁい、二人ともいらっしゃーい」

「……マジか!?」

「わー!!坂宮さんすごーい!!」

扉から姿を見せた夕日を見て、天音は困惑気味に、天峰はうれしそうに声を上げる。

夕日の服は赤と白のワンピース、胸元にはベルあちこちには白いポンポンと俗にいうサンタのコスプレをしていたのだ!!

 

「お前それ買ったのか?……いや、似合ってはいるけど……」

「違う違う、良いのが無かったから自分で作ったの、どう?」

その場でくるんと回転する。

「すごいすごーい!!坂宮さんサンタさんみたい!!」

「さあ、今夜は楽しみましょうね~。あ、天峰クン?私は夕日お姉ちゃんってよんでね?」

そう話す夕日に天峰が興奮気味に頷く。

 

(気付け天峰!!それはサンタじゃない!!変態だ!!ガチなショタコンの危険な女だ!!)

天音の必死の願いむなしく、天峰はサンタ夕日に手を連れられ部屋の中に入って行った。

鮮やかな手口!!見知らぬ場所で気遅れする天峰を一瞬にして籠絡した!!

その手口はまさに子供の心理を知り尽くしたハンター!!

以前の八家の例を見る限り、夕日は自由自在に子供の心を操れるかもしれない!!

恐怖とトラウマ、憧れと信頼その相反する感情を巧みに操り子供を誘う魔性の女!!

それが現在の坂宮 夕日なのだ!!

 

夕日の部屋はクリスマス風の飾り付けがされていた。

テーブルの上には、料理が並んでおり。

夕日の話によると冷蔵庫の中には手作りのケーキが有る様だ。

 

「うわぁ!!すごいすご~い!!」

天峰がその場でピョンピョンと飛び跳ねる。

「今日は天峰クンの為におねーちゃん頑張ったんだよ?」

そう優しく微笑んで天峰の肩を抱く。

それに対して天峰がさらに表情を明るくした。

「ホント!?夕日お姉ちゃんありがとう!!」

「……天峰クンちょっとここで待っててくれる?」

そう言うと夕日は隣の部屋に姿を消した。

 

不審に思った天音が隣の部屋に付いて行く。

そして夕日の行動を見て絶句!!

「おい、何をし……てる……ん……だ?」

「ああ~!!もうすごいかわいい!!今すぐ監禁したい!!今すぐハイエースしたいぃ!!かわいい顔を涙でグチャグチャにしたいぃ~!!!!」

 

そう言ってベットの上でゴロゴロと転がっていた!!

(うわぁ……今更だけど、コイツ色々手遅れだな……)

天音がそう思う間、尚も夕日はおまわりさんに聞かせられない様な妄想を口走る!!

暫くして落ち着いたのか、ゆっくりと立ち上がった。

 

「ああ、ハイネ。見てたの?」

実にそんな事どうでもいいと言った感じで、言葉を交わす。

「まあな……お前の頭の中一体どうなってるんだ?」

「頭の中?私の頭の中ではさっき天峰クンが私の手によって、小学生にしてお父さんに成った所だけ――」

「そう意味じゃねーよ!!ってゆうかお前ホント何考えてんだ!!頭完全に湧いてんだろ!!」

「少しばかりテンションが上がって、ます」

何を言ってもヌカに釘!!暖簾に腕押し!!夕日に対する皮肉も悪口も全く効果なし!!

これこそが変態の圧倒的防御力!!

 

「つうか、こんな事して大丈夫なのか?隣の部屋から壁ドンとか来るんじゃねーの?」

以前ネットで知った言葉を使ってみる天音。

しかしそれに対し夕日は悠然と答える。

「ああ、それは大丈夫。この部屋防音してるから、壁に張るだけで防音できるヤツが有るのよ」

そう言って、壁紙を指さす。

最近はこういうのが有るのかと一瞬安心しかけるが……

おかしな点に天音が気が付く。

「ちょっと待て。なんで日常的に防音が必要なんだ?」

「なんでって、泣いたりしたら隣にばれ――女の子だし不安じゃない?」

明らかに何かまずったという感じで途中で言い直す!!

しかし天音はそれを聞き逃しはしなかった!!

「ん、隣に?バレ?なんだって?」

責めるように、夕日に近づく!!

それに対し夕日は少し後退する。

 

「い、嫌ね。ハイネ、私が何か酷い事するとでも……」

 

ガチャン

 

その時夕日のポケットから何かが落ちた。

それを理解したのか夕日が笑顔のまま停止する。

そして錆びた機械の様にぎこちない動きで落ちた()()を拾い再びポケットに隠す。

「おい、今のなんだ?」

笑顔のまま夕日の腕を天音が掴む!!

「あ、あら。年頃の女の子の必須アイテムの()()()()()?」

そう言って取り出すのは手錠!!おもちゃか、本物か知らないがとにかく拘束用の道具!!

「それが必須なのは警察だけだ!!そしてお前は警察にお世話になる側だろ!?」

そう言って夕日から無理やり手錠を取りあげる!!

 

「お前これで何をしようとしたんだ?」

「ベットの足に付けて逃げられなくして、天峰クンを飼おうと――」

「没収な」

「ちょ!?返して!!」

そう言った手錠を自身のズボンにしまう天音。

夕日が慌てて、天音から手錠を取り返そうとして二人がもみ合う!!

そして不図した拍子に天音が胸のベルを掴んでしまう。

 

そしてそれを軽く引っ張ると……

 

「あ、いやん……」

 

夕日のサンタワンピースがほどけるようにバラバラになった。

「……おい……コレはなんだ?破れたんだが……」

もう十分と言ったように、天音が夕日に聞く。

正直言って心の中では、「もういい、もういいだろ!!」と悲痛な声を上げそうになっていた!!

どう考えても、マシな答えは帰ってこないと理解したが、それでも一応聞いてみる事にした。

 

「天峰クンでも、脱がしやすい様に作ったのよ?自信作――プギ!?」

 

無言で夕日の腹を殴る!!

「ちょ!?いきなり……ひぎぃ!?」

更に2発!!3発!!4発!!

 

「……一応お前に恩が有るから、天峰を帰らせはしない……さらに実際やった訳ではないから通報もしない、友達を警察に突き出すのは辛いからな……だがな?よくよくかんがえてくれ?お前のやろうとしてる事、ソレ犯罪、OK?お前の罪をかぞえろ?」

「愛することが罪とで――」

「もう数発要るか?」

殺気を目の前のショタ專痴女に飛ばす!!

「自重します!!」

 

 

 

その後すっかりおとなしくなった?夕日たちはクリスマスを楽しんだ。

途中、夕日は天峰のスープに怪しげなドリンクやを混ぜようとしたり、膝の上に乗せて必要に天峰の尻をなでたりしたがおおむね(天音の助けも有って)無事に終了した。

 

 

 

帰り道にて……

「夕日お姉ちゃんの家楽しかったね!!また行きたい!!」

楽しそうに笑う天峰を見て天音は……

「もう、二度とアイツの家にはいかせない!!」

「えー!!なんで!?」

「どうしてもだ!!」

 

夕日の部屋にて……

「うん。カメラはしっかり撮れてる」

極秘に仕掛けたカメラの映像をパソコンでチェックしていた!!

 

今年も平等にクリスマスの夜は過ぎてゆく……

 

 




久しぶりにパラレル作品(仮タイトル・リミットリバース)を書きました。
何故か一部の人に人気が有ります。
と言いつつ、自分でも書いてて楽しい作品です。

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