リミットラバーズ   作:ホワイト・ラム

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楽しみにしていた人たちごめんなさい!!
更新がかなり遅れました!!

ちょっと色々ありまして……


まったく同情出来ない!!

Time limit 26:32:01

 

 

 

 

 

(はぁ~、染みるね……さて、愛しの藍雨ちゃんは何処かな~?)

今日も今日とて、末期ロリコン幻原天峰は小学校のグラウンドに夢中だった!!

更に始末が悪い事に現在は、思いっきりターゲットまでいる!!

もし、日本に妄想を規制する法律が出来たのなら間違いなくこの男は規制されたその日にほぼ間違いなく逮捕される!!

*この変態は主人公デス。

 

「ねぇ、天峰。今日の夜なんだけどなんか予定とか有ったりする?」

そんな天峰に卯月が話しかけた。

昨日の夜、夜宵に電話など『特別な』理由を付け、無理やりにも何かしらの会話などをすべきだと言われたのだ。

 

「今日の夜か?別にどこか行ったりする予定はないから大丈夫だぞ?」

 

「解った、電話するから待ってて」

そう言って卯月は踵を返した。

実はこの時点で、半分卯月はゆっくり二人で会話できる事を楽しみにしていた。

一対一の会話と言う物自体最近は無く、ひどく懐かしい気分になった。

 

 

 

(なんだったんだアレ?……ま、いっか。卯月の事だ、大した事は無いだろう……)

そう思い直し、再びグラウンドに目を向けるが……

 

「やあ!!幻原君、昨日今日と二日掛けて私の家に有った、オーラ育成マシンを全て持って来たよ!!今日の放課後から一緒に訓練だぞ?……これであのボーノレ部顧問のアイツの鼻をあかしてやれるぞぉ」

ニヤリと楽しそうに笑う城山。

しかし!!そのにやけ顔もすぐに消えてしまった!!

 

「へぇ?そうですか……それは良かったですね!!」

その理由は天峰の表情に有った!!

鬼や修羅の様な、恐ろしい表情!!

卯月に続き城山にまで、藍雨探しを邪魔されたのだ!!

ロリコニウムが切れかけている天峰は非常に不機嫌だ!!

 

「え?えっと……どうしたのかね?そんな怒りの形相で……」

 

「今日の部活の事でしょ?解ってますから!!そんな何度も呼ばないでくれますか?」

天峰の気迫に狼狽える城山に対し、不機嫌な表情で返事をする天峰!!

 

「す、すまない!!脅かしてしまった様だ……わ、私は体育館で待ってるからよろしく!!」

すごすごと城山は天峰から逃げて行った。

 

 

 

「さて、再開……あ、雨……マジかよ!!」

意気揚々と再開しようとしたその時、雨まで降り始め小学生たちは校舎にもどって行ってしまった!!

てて続けに起こる不運!!何ともいえない気分に天峰は行き場のない怒りを抱える!!

 

 

 

 

 

Time limit 22:30:00

 

 

 

「よーし!!まずはウェイク・アップからだ!!自らのサダメの鎖を解き放つんだ!!」

 

「「「「ウェイク・アーップ」」」」

城山の掛け声と共に、数人のメンバー達が胡乱な表情で思い思いのポーズを取る。

こんな事を言ってしまうと、非常に困るのだが凄まじく胡散臭い。

あと、活気が驚くほど無くゾンビの集団を見ている様だ。

 

「コラ!!幻原!!サボるんじゃない!!」

呆気にとられた天峰に、城山の激が跳ぶ!!

 

「いいか?確かにお前は才能はピカイチだ!!だけどな、努力を怠って勝てるほどオーラは甘くない!!……といっても、イマイチピンとはこんだろうな。先輩たちの実力を見せてもらえ!!安西!!お前のメテオストームパニッシャーを見せてやれ!!」

 

「はい!!」

謎の掛け声と、共に一人の先輩が体育館の真ん中に走り出す!!

 

「うおおおお!!メテオストームパニッシャー!!」

そう叫ぶと空中でくるくる回転し、いつの間にか持っていたバスケットボールをゴールにシュートした。

 

「おおー!!3ポイント……バスケ?」

呆気にとられるが一応拍手する天峰。

 

「どうだ、スゴイだろう?安西はコート内なら何処からでも3ポイントシュートが決められるんだ」

城山が自慢げに天峰に話すが……

 

「いや、すごいけどバスケ部行けばいいんじゃないですか?」

 

「実はな安西にはバスケが出来ない理由が有るんだ……」

天峰の質問に、城山が急に真剣な顔をし始める。

 

何かまずい事を聞いたか、と天峰が安西の方を向く。

 

「幻原とか言ったか。実はな、俺はバスケが好きでずっと一人練習していたんだが……バスケシューズのキュッキュ言う音がどうしてもダメだったんだ!!だから大会の3日前にやめたんだ……仲間からは『裏切り者』『何やめてんだ安西』『安西先生バスケがしたいです』とか言われたよ……」

そう言って遠い目をして黄昏る。

 

「まったく同情出来ない!!」

天峰の叫びが体育館に響いた!!

 

その後他のメンバーの話を聞くが何処かおかしな奴らばかりだった。

仕方なく城山が大量に持って来た、謎の器具たちで練習させられた。

 

 

 

 

 

Time limit 19:12:09

 

 

 

(あー……疲れた……明日も有るのか……憂鬱だな)

天峰は結局城山の謎の健康グッズにそっくりな、大掛かりな道具でひたすら練習したのだが結局何がしたかったのか、不明なままで終わってしまった。

 

オニイチャンワタシヲカワイガッテニャー オニイチャンワタシヲカワイガッテニャー

「ん?メールの着信音か……」

自身のポケットの中の携帯がメールの着信を知らせる音楽を鳴らす。

携帯のメールを読むとそれは家族からだった。

簡単に言うと、ファミレスに行ってくる何かテイクアウトしようか?という物だった。

天峰はそれに対し『適当に牛丼とか食ってくるから要らない』と書いて返信した。

 

そして自転車にまたがるとさっきのメール内容通り、適当な店を探し始めた。

 

 

 

(さーて、ドコ行こうかな?マスト、スカイシャーク、デデーズも良いな)

自身の胃袋と何を食べようか相談しながら、自転車をこぐ。

 

(あれ?今のって……!!)

人ごみの中、知っている顔が有った気がして天峰は自転車を降りる。

流れる人の中を掻き分け、目的の人物まで近付いて行く。

 

「あ、やっぱり藍雨ちゃんだ。どうしたのこんな所で?」

それは藍雨だった。

どこか不安そうに、街中を歩いていた。

 

「ふぇ?……!!。幻原先輩!!うわ~ん、心細かったです!!怖かったです!!」

目に涙を浮かべながら、藍雨が天峰に抱き着いてきた。

一瞬呆然とするが……

 

(イェス!!まさか!まさか!!まさか!!!小学生が向こうから抱き着いて来てくれるなんて超常現象が今!!たった今!!目の前で!?それどころか俺が当事者だとぉ!?う、腕で抱きしめたら……抱きしめたら!!!だっこできてしまう!!小学生高学年の子をだっこ出来てしまうぞ!!やばい…ッ…!!ニヤケが!ニヤケが止まらない!!ダメだ!!ニヤケるな!!通報される……!!通報されてしまうぞ天峰!!お、落ち着いて深呼吸……甘い!!空気が甘いぞ!!!藍雨ちゃんなのか?藍雨ちゃんの匂いなのか!!?し、静まれ、静まるんだ俺の中のビーストよ!!破壊者を守護者に変えるんだ!!この欲望はコントロールしなくてはならない!!)

 

天峰が己の欲望と激しくファイトしている最中も、周りの人々は夜も近い街中で高校生に抱き着いて、涙を流す小学生というあまり見ない組み合わせに、眉を顰める!!

最早半分アウト!!通報カウントダウンはすでに始まっている!!

 

天峰はそんな周囲の視線を敏感に感じ取った!!

そしてロリコン特有のステルスの能力を使い無理やりキリッとした顔を作り、藍雨に優しく語りかける!!

 

「藍雨ちゃんいったいどうしてこんな時間に、こんな所に居るんだい?」

天峰の質問に藍雨は、しゃくりあげながら答え始めた。

 

「ううッ……実は、今日友達の家に、遊びに行ったんですけど、帰りの道に迷ってしまって……自転車のチェーンは外れるし、暗くなって来たし……」

そこまで聞いて、天峰は再び藍雨を優しく抱きしめた。

そして肩をポンポンと叩く。

 

「あーよしよし、心細かったね。もう大丈夫、俺がそばにいてあげるからさぁ、行こうか」

そう言って優しく藍雨の手を引き始めた。

近くに停めてあった藍雨の自転車のチェーンを直し二人で自転車を引いて歩き出す。

 

「天峰先輩は何処に住んでいるんですか?」

安心したのか、いつの間にか呼び方が幻原から天峰に変わった藍雨が尋ねてくる。

 

「ん~?俺?駅の向こうの神独町だよ」

 

「神独!?反対側じゃないですか!!そんなの――」

おそらく『悪い』と言おうとしたであろう、藍雨に天峰は自らの指を振る。

「待った!!藍雨ちゃん?悪いとか言わないよね?俺は藍雨ちゃんを一人にする方がよっぽど心配なんだよ?」

 

「は、はい……」

言おうとしたことを先に言われた、藍雨はもう黙るしかなかった。

しかし、そのこころの中には心強さとうれしさが渦巻いていた。

 

「天峰先輩!!先輩って趣味とかなんですか?」

キラキラとした視線で藍雨が、天峰に尋ねる。

 

「え!?読書と……か?」

急にきた、質問にしどろもどろする。

流石に藍雨の前で「幼女をじっくりネップリ舐めるように観察する事だよ!!」とは言えなかった。

そのため、当たり障りのない読書と答えた。

 

「何読むんですか?今度私にも見せてくださいね!!」

現在天峰のカバンの中には八家から借りた、幼女に調教される系の本が有るのだが流石にこれを藍雨に見せる訳にはいかなかった!!

 

「な、ナンプレかな?読書って言うよりゲームだけど……」

焦りながら、以前暇なと買ったナンプレを藍雨に見せた。

その後も、二人で会話しながら藍雨の家に向かう。

 

 

 

「付きましたよ、ここが私の家です」

藍雨は大きな門の有る純和風の家の前で止まった。

 




やっとヒロインがアップを始めました。

長かった……

途中何度「卯月ヒロインにしない?」と思ったか……

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