リミットラバーズ   作:ホワイト・ラム

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最近、何が面白いのか……
という事に迷いはじめました。
うーン……これが倦怠期!?←違う。




ふぅ……だいぶ良くなったよ

『ゲドゲド!!第二競技の結果が出たゲド!!勝者は《園田家》!!ゲド!!同時に第三競技の組み合わせも発表するゲド!!第三競技の参加者は《フリーダムソングズ》VS《ゴールデンストーンズ》ゲド!!』

 

 

 

外道の挨拶を、一回戦目で負傷した八家は選手控え室で聞いていた。

「ふぅん、先輩達のチームは負けたか……」

パスンッ!パスッ!

何処か興味なさそうに、顔を濡れタオルで押さえつけながら呟く。

「その様ですわね……」

パシッ!パシッ!!

まどかが地面に四つん這いになった(・・・・・・・・・)八家の尻を蹴りながら(・・・・・・・・・・)話す。

「ねぇねぇ……まどかはなんで変態さんのおしりを踏んでるの?」

何処かで買ったチョコバーを齧りながら、木枯が興味深そうに話す。

「木枯ちゃん、知らないのかい?コレは最新式の治療法方さ!!今俺は頭と顔が痛いだろう?頭の反対は何処かって言ったらおしりだ、じゃあおしりに痛みを与えれば痛みはおしりに向かうから、頭の痛さが半減するんだよ?」

ニコリと笑いながら、優しい口調で木枯に説明する八家。

賢明な読者諸君ならすぐに解るだろうが、そんな効果は全くない!!

唯単に八家が話しているだけである!!

 

「本当に効くの~?」

その証拠に騙されやすい、木枯にすら怪しまれている!!

八家の頭の悪さがうかがえる光景である……

「まぁ?本人がやってほしいと言うんですから?ワタシは心優しいのでやってあげるだけですわ。ホラ!この変態庶民!!ありがとうございますと言いなさい!!」

そう言って靴底で、八家の尾てい骨あたりにを踏みにじる!!!

「ああ~!!ありがとうございますぅ!!」

そう言って恍惚の表情を浮かべる八家!!

諸君!!これこそが変態紳士である!!

そして!!

実にいやな需要と供給である!!

「わたしジュース買ってくるね~」

そう言って木枯が「付き合いきれない」と言った表情で控え室から出ていく。

 

 

 

 

 

競技場グラウンドにて……

「蛇野さんファイト!!」

「行けますって!!」

仲間に向かって熱い声援を送る、見た目がそっくりな双子のボーノレ選手。

金平 人と牛の兄弟の視線の前には、上がり性の選手、蛇野 獅石はのっしのっしとその巨体を揺らしながら歩いて行く。

それに対して……

 

「いざ!!出陣!!」

「「「「エイ!!エイ!!オー!!」」」」

まるで将軍の出陣の様に送り出される刻々 刻。

一歩、歩くごとにカスタネットで馬の蹄の音、水笛でほら貝の音、さらに全メンバーでガヤまで行うという正に豪華絢爛と言える登場だった。

 

 

 

 

 

その様子を離れた観客席で天峰、夕日、藍雨が見ていた。

「刻々か……開始時点では辛酸を舐めさせられたんだよな……出来ればここは向こうのチームを応援したいな……」

彼の選手宣誓は、天峰にとって苦い思い出である。

しかし、

夕日と藍雨はジッと蛇野の方を見ていた。

蛇野は他のメンバーと明らかに、秘めているポテンシャルが違う!!

二人はそれを読み取っていたのだろう。

「ここからじゃあ、しっかり見えませんがたぶんかなり鍛えてますよ?」

「……威圧感……が有る……たぶん自信の表れ……?」

 

幼女二人が横でこそこそと話しているのを天峰が見て……

(百合も……有りだな!!)

とどうでもいい妄想を続ける!!

何処までもかみ合わないメンバー達である!!

 

 

 

 

 

天峰達の控室に有るTVの画面に、蛇野と刻々の姿が映し出されている。

 

「ふぅ……だいぶ良くなったよ。えっと……女王ロリちゃんありがと」

そう言ってスッとその場で立ち上がる八家。

ニックネームのセンスがおかしいのは、今に始まった事ではない!!

「ちょっと!?ワタシの名前はまどかですわ!!そんな女王蟻みたいなニックネームで呼ばないでくださる!?」

まどかが顔を真っ赤にして怒鳴る。

しかし八家はそれを全く意にかえさない!!

「ああ、ごめん。どうも昔から人の名前って覚えるの苦手なんだよ」

そう言ってし所在なさげに自分の頭を掻く。

その態度にまどかがさらに眉を吊り上げる!!

「アナタねェ!!そんな態度では会社では通じませんわよ!?」

「そうそう、そういうのって大事だよね?」

その場でへらへらと笑いはじめる八家。

しかし

その瞳にはいつもの彼に、ふさわしくない熱がこもっている。

「ねぇ、まどかちゃん。天峰から聞いたよ、山重先輩と喧嘩したんだって?」

「ッ!?…………それは……お兄様が……」

全く予想していなかった質問だった為、まどかが口ごもる。

「この種目……と言うかこのスポーツ自体どう思う?」

そう言いながら、モニターの画面を指さす。

現在も絶賛競技は続行中で、難易度の高いポーズを取りながらプレイする、だるまさんが転んだの様な競技が繰り広げられている。

 

「……正直言って、理解不能のスポーツですわ……お兄様もこの会場に集まってる人たちも何の意味が有るのか、それどころかどうしてこんな競技をしたいのかすら解りませんわね……」

目の前にたった一人とはいえ、このスポーツを楽しんでいる男(怪我をする事すら厭わないレベル)がいるので多少気まずそうに話す。

「そうだよね、何がしたいのか解んないよね?けど大体の物事ってそうじゃ無い?

プロのスポーツ選手だってさ、究極的な話ただの遊びを本気でしてる人達じゃない?いや、それだけじゃないよ、大会の有る将棋やチェスだってただの遊び、1億部売った漫画家もただのお絵かき職人だよ、けど他の人に認められてるんだよ。

不思議だと思わない?」

指おり、いくつかの職業を例に挙げ始める。

その表情から彼の真意は読み取れない。

「何が言いたいんですの?」

まどかが質問をするが、八家はそれを無視してさらに話を続ける。

「俺から言わせてもらえば、宝石商も唯の綺麗な色の着いた石を売ってるだけ、それでなんであんな物が高いのか理解できないんだよ……」

「アナタ!!なんて事を言いますの!!ワタシに文句が有るならはっきり仰い!!」

実家の宝石商の事を馬鹿にされ、憤慨するまどか。

外聞も気にせず八家に食ってかかる!!

「……色つき石でなら怒れるんだ?」

「アナタ……いい加減ワタシも我慢の限界が……」

尚も自身の家族の仕事を馬鹿にする八家に対して、どんどん怒りが湧きあがってくる!!

「山重先輩も、この競技に自分の青春かけてるんだよ!!」

突然の八家の大声に、ビクリと体を縮困らせるまどか。

そんな、まどかを余所に尚も八家は言葉を紡ぐ。

「いいかい?キミから見たらつまらない事でも、本気でやってる人たちがいるんだよ。この会場にいる人たちは、みんなそうなんじゃないかな?自分の競技を認められたくて、確かな証拠が欲しくて、『優勝』って言う証左が欲しいのさ。けどキミはどうだい?相手を邪魔するために参加したんだって?それって失礼な事じゃないかな?」

八家はそう言って一旦言葉を区切り、一回深呼吸した。

「君のやってる事は正直ムチャクチャだ、他人と自分では見える世界は違うんだよ。けどそんな中でお互い譲り合って生きてるんだ、キミはずっと守られてたから知らないみたいだけどね」

その言葉にまどかはハッと思い直す。

何時も自分で強く生きているつもりでいた。

誰よりも努力しているつもりでいた。

全て他人より優れようとしたために……

しかし考えてみれば。

何時も隣に佐々木が居たし、木枯が居た。

そして今回は……

「天峰が居る……」

「そう、だね。天峰は変な所で優しいんだよ結局、困ってる奴をほっておけないんだ。感謝しなよ?アイツはたぶんキミと同じ様にこの競技、面白味とかは感じてないけどキミの為に参加してるんだろうね……さて、俺の言いたい事はこれだけ、この後どうするかはまどかちゃんが決めなよ。天峰はきっと助けてくれるさ……あ、コレ言ったの俺だって天峰には黙ってて、腐女子共の餌食にされそうだからね」

そう言ってにニカッと笑い、近くの椅子に座って本を読み始めた。

 

 

 

 

 

「ワタシは……どうすれば……良いんですの?」

自問自答、目標を決めたら迷わず直線。

全ての障害は力づくで破壊する。

それこそがまどかの人生で学んだこと。

しかし目の前にあたらしい課題が出来た。

どう動くか、自分の中でどうするか考え始めた。

「ワタシは……」

その時、館内放送が再び流れた。

 

『ゲドゲド!!第三回戦遂に決着ゲド!!』

 

「おっと、ゆっくり考えてる暇は……」

「問題有りませんわ!!これ位の時間が有れば答え位出せますわ!!」

そう言って不遜な顔で八家を指さす!!

その顔にはもう迷いはなかった。

 




この前銭湯に行ってきました。
広いお風呂は良いですね。



いざ、出ようとしたら、使っているロッカーの前でオジサンが着替え中……
リアルに全裸待機をすることになりました……

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