リミットラバーズ   作:ホワイト・ラム

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あ~チクショウ……最近幼女を書いていない……
もっと!!もっと私にロリコニュウムを!!



ぐはぁ!?禁断症状か……!?



……前にも……見た事有るの?

『H&S連合』と天峰達の対戦が始まって少し経った頃、第二試合が始まろうとしていた。

 

此処は『園田家』の控室、現在2人のメンバーが控え室に待機し、思い思いの時間を過ごしている。

コトッ……ズズッ……「短谷円……」

コトッ……ズズッ……ズズッ……「味シミ屋、イヤ違う。濃口堂」

コトッ……ズズッ……!?……ズズッ!!ズズッ…………

「コレお吸い物じゃねーか!!俺を舐めてんのか!?」

誰に聴かせるでもなく、紙コップにインスタントみそ汁を作り、飲んでいた一人の男 園田 文部が机を激しく叩き立ち上がる!!

その衝撃でその隣の男が作っていたトランプタワーが崩れる!!

「おい!!灯直!!コレお吸い物じゃねーかよ!?」

トランプタワーを作っていた男、園田 灯直に激しく詰め寄る!!

灯直は「やれやれまたか……」と言いたげに言葉をゆっくり紡ぐ。

「……いや、買って来たの俺じゃねーし!!知らねーよ」

火直が反論する。

その言葉に対して文部がキョトンとする、そしてしばらく黙りこみ……

「え?そうだよな?買って来たの俺だった!!あはははは!!」

脈絡も無く笑い出した。

(いい加減にしろよ!?……どうも俺はコイツのテンションには、ついて行けないんだよな……)

内心でやれやれと心労を募らせる。

(けど……アイツよりはマシか……)

そう思った時!!件の人物が扉から姿を現した!!

「ふはははは!!園田と園田よ!!待たせたな!!私が腕によりをかけてジュースを買ってきてやったぞ!!」

すらっとした長身に少し長めの髪、知的で意志の強さを感じる瞳。

ここまでは良い、ここで終わっていたらこの男はただの美男で終わっていた。

しかしそうではない!!

何を思ったのか制服の上にマント+紙で作った王冠。

そして先ほどからしている様に芝居がかった口調!!

『痛い』としか表現できない男がそこにいた!!

この男は園田 王聖 19歳(留年中)!!

『園田家』のリーダーにして「全体的におかしい方の園田」と呼ばれる男!!

「ほぉ~ら、園田よ。ジュースだ、ドクターイエローとメローペッパーどっちがいい?」

そう言って腕に掲げたビニール袋から、緑っぽいド毒々しい液体と黄色っぽいヤバそうな液体を取り出した。

「いや、全員園田だし……下の名前で呼んでくださいよ……」

そう言いつつも黄色いドクターイエローを手にする。

「ほら、園田お前の好きな味噌汁缶も有るぞ?」

「ヤッタァィ!!!ホホホォウ!!」

文部が狂喜乱舞する!!

さっきまで味噌汁飲んでたのに……

 

「お前たち、私のワガママに付き合ってくれてありがとう……絶対優勝台に連れてってやるからな!!」

王聖が力強く二人に宣言する。

「王聖さん……」

「味噌汁の人……」

最早突っ込みはしないでおこう……

 

 

 

その時アナウンスが響きわたる。

『ゲドゲド!!第一競技の結果が出たゲド!!勝者は《天気屋》!!ゲド!!同時に第二競技の組み合わせも発表するゲドよ~?第二競技の参加者は《園田家》VS《志余束学園ボーノレ部》ゲド!!』

 

「どうやら俺達の出番の様だな!!行くぞ園田達!!」

バサッとマントを翻し立ち上がる

が!!

「うおッ!?なんだ!?何かが引っ掛かったぞ!?」

「王聖さん、マント、椅子に引っ掛かってる!!」

「味噌汁うめぇえええええ!!」

ツッコみが足りない……

 

 

 

 

 

先ほどまで八家がさんざん殴られていた場所に、園田家のメンバーが立つ!!

「相手はまだ来てないのか?」

灯直は相手の席を見る、相手は『志余束学園ボーノレ部』らしいがデータらしきデータが殆ど無い幻のチーム!!

灯直にはそれが酷く不気味に思えた!!

*実際にはメンバーが足らない等の不足の理由です。

 

そうしていると相手側のチームがゆっくりと現れた。

しっかりした体格の男、山重とその隣の優男風の森林。

そして圧倒的なプレッシャーを出す謎の女。

 

「王聖さん、来たようですね……」

灯直はそっと王聖に耳打ちする。

「出たな!!『志余束』!!ずいぶん遅かったではないか?逃げたと思ったぞ?」

その場で相手のチームを挑発する王聖。

すると向こうのチームから山重が

「フン!!気にするな!!少し仲間内で揉めただけだ!!」

謎のポーズを決めながら返事をしてきた。

 

(うわぁ……この面子メッチャ濃い……しかも揉めたのかよ!!……あ!ウチも似たようなもんか……)

灯直は一人ため息をついた。

何はともあれゲームは開始される!!

 

『それでは今回もクジを引くゲド!!』

外道の言葉に灯直がクジのマシンに歩み寄る。

「行けぇい!!園田!!君に決めた!!」

王聖がどこぞのモンスターを操る主人公の様な応援?をする。

「ウム!!この場合は!!卯月!!お前の初仕事だ!!行けい!!」

相手も気だる気に座っていた少女をこちらに送ってきた。

 

卯月と灯直が向かい合う。

(あれ?この子、うつむいてるけど結構かわいいかも……)

不覚にもときめく灯直、笑顔を作り愛想笑いをする。

「初めまして、園田 灯直です。今日はよろしくお願いしますね」

ここ数年で一番うまく出来たつもりの笑顔で相手の卯月に話しかけるが……

「ああん!?あなた、今私の事を笑った?」

「ヒッ!!ごめんなさい!!」

凄まじくガラが悪く返された!!

まさに何人か殺ってそうな目付!!

幽鬼という言葉が灯直の脳裏によぎった!!

 

 

 

同時刻応援席にて……

「天峰先輩……なんだか卯月先輩、機嫌悪そうですね?」

観戦に来ていた藍雨が、同じく観戦していた天峰に話す。

現在天峰、藍雨、夕日の三人が『志余束』の実力を見るためここまで来ていたのだ。

因みに八家、まどか、木枯の三人は控室に残っている。

 

「うーん……あんなに卯月の機嫌が悪いのは久しぶりだな……」

「……前にも……見た事有るの?」

天峰の呟き夕日が疑問を呈す。

「ああ、天音と卯月がゴルバニアファミリー(擬人化した動物の人形)で遊んでた時、間違ってわざとお家にZAIDO(モーターの入った歩く恐竜型プラモ)を突っ込ませた事が有って……二人で『地獄姉妹』とか言って一週間くらい荒れてた事が……」

「先輩!?何やってるんですか!?」

「……天峰……流石にそれは……酷い……」

藍雨と夕日が驚き、天峰を非難する!!

「……いや、だってよ?さみしかったていうか……かまってほしかったって言うか?まぁ、若さゆえの過ち的な?」

しどろもどろになりながら二人に事情を説明する。

事情というよりは明らかに良い訳だが!!そこは突っ込んではいけない!!

*今回の天峰(主人公)の出番はこれで終了です。

by作者

 

 

 

天峰達がどうしょうもない会話をしている間にも、『園田家』と『志余束』の競技は決まり準備が着々と進んでいる!!

『さーて!!今回の競技は《メイドイン場ベル》ゲド!!』

外道の言葉に導かれスタッフが、大きめのテーブルと空き缶、紙コップ、トランプが運ばれてくる。

『メイドイン場ベル』は道具から有る程度予測されるように、物を高く積み上げる競技である。

それぞれ、積み上げた高さの合計でポイントを競う。

空き缶と紙コップは積み上げたときのポイントは同じだが、トランプはそうではない!!トランプは形がタワーの場合のみポイントが5倍に加算される。

この高さはそれぞれをバラバラに加算される為、缶、紙コップだけでそれぞれタワーを制作しても良いし、一つの物に絞っても構わない。

 

 

 

「王聖さん、この競技、俺向けです。行かせてくれませんか?」

灯直が王聖に進言する。灯直には物を手早く正確に積み上げる特技が有る。

昔、偶然テレビドラマで見たシャンパンタワーに憧れて、密かに練習したのがここまで昇華したものだ。

「ああ、お前ならしっかりやれるだろう……園田もそう思うよな?」

そう言って二人はさっきまで静かにしていた、文部に語りかける。

「ふぅ……偶にはお吸い物も……ハッ!?お吸い物とかクソだろ!!」

二人の視線に気が付い文部が、地面にお吸い物を叩きつけた!!

*スタッフが後で美味しくいただきました。

「王聖さん……」

「責めてやるな……アイツも自身のキャラを確定させるのに必死なんだ……」

「そうですね……」

何ともいえない気持ちでステージに上がる灯直!!

そして……ステージに待っていたのは卯月!!

 

「悪いけど勝たせてもらいます」

「パーフェクトもハーモニーも、もうどうでもいいわ……」

二人が会話を軽くかわし、自分のテーブルに着く。

卯月の言葉が支離滅裂?

しょうがない、彼女も自分のキャラを立てるのに必死なんです。

 

『それでは競技!!スタートゲド!!』

その言葉と共に灯直が空き缶て手にする。

カンッ、カンッ、カンッ!!

リズミカルに、しかし手早く缶を積み重ねていく!!その動きはまさに精密機械!!

この缶詰み、本来なら下側を多く積み上に積む数が減っていく。

丁度ピラミッドの様になる筈なのだ。

しかし灯直は違う!!一つの缶の上にさらに缶を乗せる!!

そのため他者とは違い高速で缶が積まれていく!!

 

チラリと灯直が横目で卯月の様子を見る。

自身と同じく缶を使って積んでいるが、明らかにこちらよりもスピードが遅い!!

灯直は勝利を確信した。

(よし、行けるぞ!!これで20缶目だ!!)

あらかじめ用意してもらった、足場に乗りながら20缶目を乗せようとするが……

ガシュウゥアン!!

甲高い音を立てて、タワーが崩れた。

「な!?なんだと!!」

突然の事に灯直が驚きに目を見開く!!

 

卯月の方を見るとニヤリと笑っていた。

その手には缶が握られていた。

(やりやがった!!)

心の中で灯直が悪態をつく。

この競技、相手への妨害は禁止されていない。

しかし相手への攻撃は、自分に対する攻撃を許可するのと同じことである。

最悪の場合、足の引っ張り合いの泥仕合に発展する可能性すらある!!

しかし、しかし灯直は違った!!

「俺は、俺の戦い方をする!!」

卯月のそう宣言して、再び一から缶を積み始めた!!

「チッ!」

卯月は舌打ちをすると、再び自分の缶を積みはじめた。

カチッ!!カチッ!!カチッ!!

まるでパズルのピースがはまっていく様に、次々と缶が積み上げられていく!!

『ゲド!!両者残り時間10秒ゲド!!ラストスパートゲド!!』

『非常に白熱しております!!わたくし非常に楽しみで成りません!!』

その言葉に灯直はさらに腕を早める!!

(正確に!!素早く!!そして平常心!!)

心の中には王聖の顔が浮かぶ。

(あの人に……勝利を届ける!!)

そう思った瞬間!!

カチャーン!!

再び響く甲高い音!!

灯直の積み上げた缶が崩れてく!!残ったのはたった一つの缶のみ!!

そして絶望のアナウンス!!

『両者そこまで!!缶から手を離すゲド!!』

「あはははは!!」

勝利を確信したように卯月が笑い声を上げる!!

しかし、笑ったのは一人ではなかった。

「…………最初の一投で予測して無かったとでも?」

ニヤリとニヒル灯直が口角を釣り上げる。

 

ガシャーン!!と音がして卯月の立てたタワーが崩れる!!

「気が付かなかったみたいだな?アンタ自分のタワーが崩れ掛かってたんだぜ?最初から」

一瞬唖然とする卯月、しかしこちらもニヤリとして自分の机を指差す。

そこには缶の上に缶が立っていた。

たったそれだけなのだが、これでポイントは成立する。

1対2で卯月の勝と思われた!!

が!!

「言った筈だよ?『予測した』って……」

そう言って灯直は上を指さす。

そこには最後に上に投げていた缶!!

カシャーン!!

甲高い音が立て缶の上に落ちる。

同点?否である!!

「俺はすでに未来を掴んでる!!そして……これからも掴み続ける!!」

さらにもう一つ落ちてくる!!

カチィ!!まるで手で置いたようにきれいに缶が落ちる!!

3対2……『園田家』の勝利が決定した瞬間だった。

 

第二競技『メイドイン場ベル』

勝利者 『園田 灯直」!!




ふう……非常用ロリコニュウムが有って助かったぜ……
皆さんも季節の変わり目の、ロリコニュウム不足に注意してください。

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