リミットラバーズ   作:ホワイト・ラム

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今回は前応募してもらったオリジナルキャラクターを登場させました。
沢山の応募ありがとうございました。
此処にて感謝の言葉をお送りさせていただきます。


ううん!!キモい方!!

天峰達の住む町にある天井付の全天候適用屋内型グラウンド「フリーアグレッシブ」、通称 豪華な空き地。

前任の市長が街の若者のスポーツを応援するために、市民の血税を搾り取って作った巨大な運動施設だが、一回の使用料がべらぼうに高くしかしその割には大した設備もなく、市民からはもっぱら「デカいだけの有料体育館」「空き地の方がまだ良かった」「フリーとか言ってるのに有料?」「大人しくラブホ建設しとけ」などの輝かしい言葉をいただいている施設である。

しかし!!今この空き地で世紀の戦いが始まろうとしている!!

 

 

 

無駄に250台まで車を停められる駐車場に天峰達一行が降り立った。

「いよいよ今日ですわね……」

「みんなガンバってね!!私一生懸命応援するから!!」

「うわ~、大きいです……なんか緊張してきました!」

「藍雨ちゃん、もう一回『大きいです……』って言ってくんない?出来れば少し羞恥を込めて……」

「…………」キチ……スッ

「夕日ちゃん!?無言のカッターはやめて!!」

5人がそれぞれ真剣な面持ち(若干一名違う)で今日の会場となるフリーアグレッシブを見上げる。

天峰達が会場を見上げている現在も次々に会場に人が吸いこまれていく。

「よう、天峰。遅かったな?」

天峰の後ろから、すでに天峰にとっては聞きなれた声がかけられた。

「ヤケ!着てたのか?」

「当たり前だろ?此処、俺んちのすぐ近くだしな。ところで……」

そう言ってはにかんで笑う。

「天峰、まさかと思うけどこのチームって、俺達以外ってまさかオールロリータ?」

八家が他の4人に視線を送る。

「もちろんさ!!」

それに対して凄まじく良い笑顔で答える!!

天峰まさに!!ヘヴン状態!!

「なるほど……さしずめこのメンバーは幻原 天峰のロリロリハーレム隊って訳か……」

真剣なまなざしで天峰達を再び見る。

「そんな訳……有るか?まあ、いいや早くエントリーしようぜ?」

天峰達はロリーズの刺すような視線を背中に感じながら、エントリーに向かった。

今回は前回よりも数が少ないらしく、エントリー自体は早くに完了した。

まあ、チーム名の決定で少しもめたが……

結局は藍雨の提案したチーム「天気屋」に決定した。

 

「まったく……なんでおとなしく『トレーディア奴隷団』にしなかったんですの!?」

自分の名前が採用されずに不機嫌になるまどか。

「いや、チーム名に奴隷って無いでしょ!?せめて俺の『ロリコニックナイツ』にしなかったんだ?」

「……天峰……さすがに……その名前は無い……」

天峰の案を却下した夕日が横から話しかける。

因みに夕日はカッターを取り出しチーム名の記入欄を、血の赤一色で染めようとしたため全員で止められた。

「間を取って私の『マヨネーズごはん』でも良かったのに……」

やや落ち込んだように木枯が頬を膨らませる。

「いや、それを言うなら俺の……」

「ヤケは話にならないからな!?」

天峰が突っ込む!!

八家はチーム名の記入欄に「もっと欲しいのアンアン」と書こうとしていた。

本人曰く読み上げる人が女性の可能性に賭けたらしい。

最早チーム名かどうかも怪しい!!

そんな一行の間に、山重と森林が立ちふさがる!!

「おはよう!!幻原!!そしてまどか!!俺に負ける用意は出来たか!!」

「山ッチ違うって、『俺達』だよ。まあ?最初っから仲間割れシテル?チームなんて敵じゃないんだけど?」

二人がこちらを挑発するが……

「うるさいですわ!!今取り込み中ですわ!!ねぇ?やっぱり今から名前変えません?」

「ああ、先輩……すみません今こっち忙しいんで」

「……天峰……この……暑苦しい人と……ハイネが嫌いそう……な人誰?」

「ゆーかちゃん知らないの?私のおにーちゃんだよ?」

「……暑苦しい方?」

「ううん!!キモい方!!」

「き……キモ!?」

全く相手にされない!!先輩たち早くも涙目!!

無視よくない!!イジメ絶対ダメ!!

「フン!!い、今のうちに!!吠えておけ!!」

「お、お前ら覚えてろよ!!絶対恥かかせてやるからな!!」

先輩二人組は捨て台詞を吐いて帰って行った!!

 

暫くして会場にアナウンスが鳴り響く。

「開始時間10分前に成りました~、選手の方々は1番ゲートにチーム毎で集合してくださ~い。繰り返しま~す。開始時間10分前に成りました~、選手の方々は……」

 

「さあ、行こうかみんな?いよいよだ!!気合い入れて行こう!!」

天峰の掛け声にそれぞれが頷きゲートに向かって行った。

 

 

 

そして再びアナウンスが会場に響き渡った。

『さーて皆さん遂にいよいよ始まりました!!第913回目のボーノレグランプリです!!歴史の闇に埋もれた悲運の競技ボーノレ!!しかし!!いま!!そんな競技を競うべく全国から腕利きのボーノレプレイヤー達が集まりました!!さて、今回はどの様なプレイが見れるのか!?わたくし昨日から遠足前の小学生の様に眠れませんでした!!申し遅れましたが実況はわたくし!!タナトスこと、立花 利康(たちばな としやす)がお送りします!!そして……解説は外道 進二朗(そとみち しんじろう)さんです!!』

『ゲ~ドゲドゲド!!愚か者共の皆さんこんにちは!!趣味は電車の乗り放題チケットを買って、なるべく混む時間帯の優先席でお年寄りを前に昼寝をする事ゲド。日曜はもっぱらデートスポットで奇声を上げてカップルのテンションを下げる仕事をしていますゲド。《まさに外道》がキャッチコピーの外道 進二朗ゲド!!貴重な休みを馬鹿な事に使うお前らを今日は嘲笑しに来てやったゲドよ~?』

解説と実況の二人が声高らかに自己紹介をする。

 

「なあ、ヤケ。あの変な二人組色々と大丈夫なのか?俺、スゴイ心配なんだけど……」

不安を感じた天峰が八家に話しかけるが……

「おい!!天峰!!スゲーぞ!!今日はタナトスさんと外道さんの奇跡のコンビだぜ!?こんな事10年以上なかったんだぜ!?まじか!!今日あの二人に俺達を見てもらえるんだよな!?」

非常にハイテンションで興奮した様子の八家、言われてみれば周りの人間も同じような感じだ、中には涙を流しながらケータイで声を録音している人もいる……

(え……何ここの人たち……)

あまりの奇行に天峰は絶句する。

『それでは名前を呼ばれたチームから入場してくださ~い』

タナトスの声が響く!!

いよいよ入場が始まる!!

 

『エントリーナンバー1!!《H&S連合》!!』

タナトスの言葉と共に元気そうに手を振る少女と、逆にひたすら寡黙で愛想を持たないモデルガンを背中に背負った少年が歩いてきた。

『今大会の注目のチーム!!参加人数僅か2名!!八咲 鈴菜(ハチザキ スズナ)と笹暮 硝(ササクレ ショウ)の二人が織りなすキラーマシーンの様なボーノレ!!実はこの二人!!前々回のボーノレ大会で優勝を争った二チームのメンバー!!お互い意気投合し今回はチームを組んだとのことです!!さて、今回は何人に精神的、肉体的苦痛をもたらすのかぁああああ!!!』

 

 

 

『エントリーナンバー2!!《ゴールデンストーンズ》!!』

再びタナトスの声と共に入って来たのは見た目がそっくりな双子、コック帽と白いエプロンをつけている。

二人してゆっくり歩いていたが、何かに気が付き待合室に戻って行った。

次に現れたのは日焼けした大柄な男でまさにスポーツマンと言った感じの男で、何故か二人に引っ張られていた。

『ゴールデンストーンズはリーダー蛇野 獅石(ヘビノ シシャク)とそれをサポートする金平 人(カネヒラ ジン)と金平 牛(ギュウ)の兄弟から成るチームです!!総合能力では歴代ボーノレトップレベルの蛇野が居ますが、実は彼は非常に上がり性!!毎回実力の半分も出せません!!今回もいかに早く緊張をほぐすかがカギになります!!しかしその件に関しては金平兄弟どうやら思惑が有るようです!!さて!!今回はどんな力を見せてくれるのか!?非常に楽しみです!!』

 

 

 

『エントリーナンバー3!!《園田家》!!』

その言葉と共に入ってくるのは三人の少年達!!えらそうに胸を張る男の後ろを、無駄に笑顔の少年と、手を控え目に振りながら入ってくる。

『園田家は実に珍しいチームです!!家とついてますが完全に血のつながりがありません!!偶然同じ苗字の様です!!具体的に紹介しますと一番前のエラそうなのが「全体的におかしい方の園田」こと園田 王聖(ソノダ オウセイ)!!二人目の無駄に笑顔の方が「どっかおかしい方の園田」こと園田 文部(もんぶ)そして最後にこのチーム唯一の常識人!!「おかしくない方の園田」こと園田 灯直(ひじき)!!めくるめく園田ワールド!!絶妙な空間を形成している!!一体どのようなプレイを見せてくれるのかぁあああ!!』

 

 

 

『エントリーナンバー4!!《フリーダムソングス》!!』

名前が呼ばれた瞬間バイクの音が大音量で響渡った!!

しかし入口から出てきたのは何の変哲もない5人組の少年達!!

『フリーダムソングスは何とボイスパーカッションを得意とする4人組です!!リーダーの刻々 刻(コクコク キザム)はまるでホントの様にあらとあらゆる音を声で奏でる人呼んで「すべての音を刻みし者」と呼ばれています!!そのわきを固める4人は鍵盤ハーモニカ、水笛、トライアングル、カスタネット等微妙な楽器を演奏する集団です!!一体何をしでかすのか!?楽しみで成りません!!』

 

 

 

『さあさあ!!次行ってみましょう!!エントリーナンバー5!!《天気屋》!!』

遂に天峰達のチームが呼ばれた。

「行こうか、みんな?」

そう言って天峰達は舞台に飛び出した!!

 




ツッコミがたりない……
ボケは余ってるのに……

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