リミットラバーズ   作:ホワイト・ラム

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なかなか筆が進まず遅れました。
スミマセン……他の書いてました!!
別に夕日ちゃんに飽きた訳ではないです……


『お前先シャワー行って来いよ』

太陽が落ちつつある時間帯、天峰は夕日を連れてコンビニへ向かっていた。

「夕日ちゃん、コンビニだけどこの先サークルXとモーソンどっちに行く?」

足を止め夕日に向き直る。

二人は現在手をつなぎながらコンビニへ向かっている。

え?リア充死ね?相手が病んでなかったら私もそう言ってます。

「……モーソン……コーヒーが……おいしい」

一瞬考えて決断を下す。

「解った。じゃあモーソンに行こうかカリアゲクンも食べたいし」

二人は再びコンビニへ向かって歩き出した。

 

 

 

「ラシャーセ!!モーソンへようこそ!!」

良く教育された店員が挨拶する。

「夕日ちゃん何食べる?」

適当に店内を物色する。

(あ……今日水曜だ。惨泥(漫画)と禍神(漫画)立ち読みして無いな)

ふらふらと漫画コーナーに向かう。

前回展開が気になるところで終わった漫画から読み始める。

「有った有った。今週の『無職王伝説テラニィト』はどうなったかな?」

ぱらぱらと雑誌をめくり、お目当ての作品を読み始める。

「おお……やはり波浪ワークは強敵だな……」

主人公の必殺技が効いてない展開が続いていた。

さらにじっくりと読み進めていくが……

チョイ、チョイ。「ん?」

服の袖が引っ張られる。

服を引っ張ったのは夕日だった。

「あ、夕日ちゃん。欲しいモノは決まった?」

天峰は欲しいモノが決まったのだと思い本を閉じた。

「……天峰、浮気は許さない……」

夕日の明らかに不機嫌な態度。

「…………え?どうしたの?浮気?」

訳もわからず一瞬ストップ&フリーズする天峰の脳内!!

「……今……私と居るの……他の子……見ないで」

立て続けに責める夕日。

「他の子って?」

全く心当たりがない天峰。

何がいけないのか直接聞く事にしたのだ!

「……あれ」

夕日が忌々しそうに雑誌の表紙を指さす。

モーソン名物!!大人コミックコーナだ!!

実はモーソンは珍しくR18雑誌に力を入れているコンビニ!!

フライ系やお弁当ではなくR18雑誌コーナーが充実しているのだ!!

……って八家が言ってた。

「あー。アレね、俺が読んでるのは普通の本だよ、ほら」

自分の読んでいた雑誌を差し出す。

「別に怪しい所なんてないでしょ?」

パラパラとめくって見せる。

「……疑って……ごめん」

納得したのか夕日が去っていく。

(ふー、危なかったぜ……横目でチラチラ見てるのがバレたかと思った……)

欲望に正直な天峰は実際表紙をガン見していた!!

(だってしょうがないじゃない!?あそこに有る『千尋と一緒!!大人の階段のぼちゃお!!』とかすごい惹かれるモン!!男の夢じゃん!!)

天峰の心は見た目が小さな女の子がスク水を着ている雑誌に夢中だ!!

(さて、ここでクエスチョン!!あの雑誌を夕日ちゃんに気付かれずに手に入れるのはどうすればいいでしょうか!!

3つから選びなさい。

①ロリコンの天峰はナイスアイディアを突然思いつく。

②ヤケが来て買って行ってくれる。

③買えない。現実は非情である。)

「……天峰?……何を見てるの?」

突然腕を掴まれる!!!

答え③現実は非情!!

「あ、ゆ、夕日ちゃん。欲しい物は決まった?」

キョドル天峰!!泳ぐ視線!!

「……おでん……食べたい……」

夕日が天峰をレジ横のおでんコーナーまで連れて行く。

「おでんか……季節外れだけど、たまにはいいかもね」

「……うん」

二人でおでんの具を選ぶ。

「たまごと大根は鉄板だけど……夕日ちゃん何が食べたい?」

トングを持ちながら夕日に聴く。

「……ちくわぶって何?」

夕日が不思議そうにちくわぶを見る。

「え!?夕日ちゃんちくわぶ知らないの!?」

「……私の住んでた……トコには……なかった」

おでんというのは地方によって入れる具にばらつきがある。

生まれが違う人同士で話してみると意外に面白い。

「じゃあ食べてみる?」

「うん……」

二人で買い物を師コンビニを出た。

 

 

 

「わぁ!見て夕日ちゃん!夕日がすごいきれいだよ」

「……うん」

街に沈んで行く夕日を二人で見た。

「……天峰」

「何?夕日ちゃん?」

「……さっきも……言ったけど……厄介事……有るならて…私にも手伝わせて……」

夕焼けに照らされながら夕日が強い意志を持った瞳で天峰を見つめる。

「解ったよ、家に付いたら話すよ」

二人で自宅までゆっくり帰った。

 

 

 

その後

家に居た天音に天峰がおでんを強奪され、すきっ腹のまま夕食を済ました。

天峰の部屋にて……

自身のベットに座って夕日を待つ天峰。

夕日は今お風呂に入っている。

(今更だけど……コレってシュチュエーション的には『お前先シャワー行って来いよ』に近いな……)

などとどうでもいい事を考えながら待っていた。

「……おまたせ」

濡れた髪をタオルで拭きつつ、パジャマ姿の夕日が天峰の部屋に入ってくる。

「待ってたよ、さっそく紹介を始めようか」

自身が前もって開いておいたボーノレのホームページを夕日に見せる。

「……ナニコレ?」

夕日が最もな感想を言う。

「ん……ボーノレ?」

自分自身でもなぜこんな事しているのか、真剣に考えると悲しくなってくる真実に気付いた天峰。

「…………ハッ………解った……私も天峰……手伝うから」

一瞬鼻で笑った気がしないでもないが気にしてはいけない……

「ありがとう夕日ちゃん……あとメンバーは一人か……」

競技の定員は全部で5人。

天峰、夕日、木枯とまどかは説得するとして後一人メンバーを入れる事ができる。

「……天峰……あて……有るの?」

夕日が心配そうに聴く。

ある意味この心配は当然の事である。突然友人が『謎のスポーツ大会有るんだけど参加しない?』と言ってきたら殆どの人が断るだろう。そのため最後の一人の探しは難航しそうである。

「一応有るんだけど……心配なんだよねー」

自分の頭を掻きながら話す。

「……私の……クラスに今まで……登校してない子が……居る……名前借りる?」

要するに夕日は競技不参加用に一人ダミーを作ろうというのだ。

「いや、さすがにチョットそれは……とりあえず相談してみるよ」

充電器に刺さっていた携帯電話を掴みナンバーを慣れた様子でプッシュ。数瞬後に相手につながったようで。

うんうん、そうそうと相手と話始める。

「……ん!じゃあよろしく!」

そう言って電話を切る。

「……天峰……誰に……電話したの?」

「さーてね、明日のお楽しみだよ。あ!ヒントを言うと夕日ちゃんもよーく知ってる相手だよ」

天峰はあえて夕日に秘密にした。

「……イジワル……」

夕日が少し頬を膨らませる。

 

 

 

翌日の放課後

授業の終了と共に中等部の玄関に走る天峰!!

「夕日ちゃんおまたせ!!」

ハアハアと息を切らせ夕日と落ち合う。

見た目の犯罪臭マジすごい!!

「……行くの?」

夕日が鞄を持ちながら話す。

「もう時間が無いからね。直接まどかちゃんと交渉するよ」

ポケットから携帯を取り出す。

「えーと……ナンバーは……」

まどかからもらった名刺を確認する。

「その電話は不要ですな」

後ろから声が掛けられる。

「佐々木さん!!」

そこにいたのはまどかの執事の佐々木だった。

「どうしてここに?」

携帯電話をしまいつつ佐々木に向き直る。

「天峰様ならここ等で、まどか様に接触しようとするハズですから」

全て見ていたように天峰の行動を当てる佐々木。

「すごい洞察力ですね……」

「これでも皆様の三倍近く生きているモノで……さ、行きましょうか?木枯様も待てますよ?」

佐々木に連れられリムジンに乗り込む。

「ハロー!!道案内さん!!」

何時もの明るい様子で天峰に手を振る木枯。

「やあ、木枯ちゃん」

天峰もそれにこたえる。

「……天峰……この子……誰?」

夕日が露骨に警戒した様子で尋ねる。

「ああ、夕日ちゃんこの子は……」

「わたし森林 木枯!!よろしくね!!わー!!この子かわいいね!!道案内さんの彼女!?」

抱きっと夕日に抱き着く木枯。

「……!!邪魔……」

夕日がどかせようとするがビクともしない木枯。

「あ、木枯ちゃん?その辺にした方が……夕日ちゃん嫌がってるし……」

仲裁に入る天峰!!

「ゆーかちゃんって言うんだ!!ねえねえ!道案内さんとキスした?キスした?」

「……してない!!」

真っ赤になって否定する夕日。

(うーん……ローなテンションの夕日ちゃんとハイなテンションの木枯ちゃんが絡むとこうなるのか……)

珍しくペースを乱される夕日を見ながら天峰はそう思った。

「……天峰!!……助けて!!」

 

 

 

 




今回で物語が大きく動き出しました。
もうしばらくお付き合いください。

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