萌える。
20XX年一人の男が逮捕された。
容疑は淫行、まだ13歳の少女に対し到底説明不可能な淫らな行為を働いたとして逮捕された。
裁判の場で彼は泣きながらも同意の上であったことを主張するも、その行為を良しとしない世間の風潮により彼はあっけなく終身刑となった。
この事件により世間の流れは大きく変わる。
「ロリコンは悪」それがスローガンとなりロリコンの撲滅が始まった。
諸君は信じられるだろうか?
男友達との猥談の席で「小さな女の子が好き」といった瞬間警察に通報され逮捕されるのだ、そしてまともに裁判自体行われず終身刑が決定する。
その様は中世に流行った魔女裁判を連想させ、一部ではロリコン裁判と呼ばれた。
この世界では小さな女の子はまさに触れてはいけないアンタッチャブルな存在と化したのだ!
しかしある日地下で潜伏していたロリコンたちが一斉に蜂起した!
声高らかに幼女との恋愛の自由を主張したのだ!
はじめは小さな波紋、しかしそれは次第に大きくなっていた。
そしてついに!
ロリコン裁判で初の無罪判決が現れた!
それは歴史が大きく動いた瞬間だった!
立て続けにロリコンたちが無罪になり、ロリと成人男性のカップルはTVにてセンセーショナルに報じられた!
そしてついに女性の結婚可能年齢が10歳に引き下げられた!
今まで身を隠していたロリコンたちは一斉に力を取り戻した。
当時ロシアの軍艦の船長にしてロリコンのロリスキー提督はこう語る。
「日本でその法律が認められたときは涙を流しました、ずっと作戦司令室で幼女と逢引していたんですがこれで太陽の下で彼女の肢体を見れるってね」
そして時は流れ……
当時13歳の少女に淫行して逮捕された少年が釈放された。
少年は公園で幼女と成人男性が指を絡ませながら歩く姿をみて涙したという。
「ずっと、望んでいた理想の世界がここにある!」
リミットラバース 完!!
「ちょっと!?聞いてるの!?」
鋭い声で現実に戻される天峰!
「あれ?びっくりするほどユートピアは?」
自体が呑み込めない天峰!
「はぁい、つらーい現実にようこそ!」
迫る卯月の言葉!
「さてと、アンタが夕日ちゃんに逮捕待った無しのプレイをさせている事についてなんだけど……」
「誤解だ!夕日ちゃんが勝手に言った事だ!」
「知識としては知ってたわよね?」
痛いところを付かれる天峰。
「それは……天峰のベットの下とか……辞書のケースの中とかの……本に書いてあったから」
夕日の援護!
しかしそれは天峰のダメージにしかならない!
「お願い!夕日ちゃんやめて!それ以上はもう無理!」
泣きそうな天峰!
諸君も想像してほしい、女性二人から道端で自分の持つアブノーマル系のエロ本をネタに怒られるのを、少なくても作者は瞬間的に死にたくなる。
「……他にも……」
「やめてー!!!」
天峰が夕日の口を両手で押さえる!
見た目だけなら人さらいに見えるネ☆!
「さっきの本は俺のじゃないんだ!!ヤケがおいて行った奴なんだ!ごめん卯月!今日やる事有るから!」
そう叫ぶと天峰は夕日をそのまま連れて行く。
その後コンビニで買ったアイスで夕日を口止めして帰る二人。
「夕日ちゃん?外であんなこと言っちゃダメだよ?」
天峰は諭すように夕日に話す。
「……気まずいから?」
「……うん」
露骨に目をそらす天峰。
「……解った……もう言わない」
そう言って自身の家の扉を開ける。
「お!兄貴に夕日じゃねーか。2人一緒に下校か?何の話してたんだ?」
珍しく先に帰っていた天音が二人に声をかける。
「天峰と……天峰のエッチな本の……話」
悪夢再び!
「夕日ちゃん!?だからそういう話はしちゃダメだって!!」
「え?ここ……家だよ?」
きょとんとした顔で話す夕日。
「あ……あー、外でしちゃいけないって意味だと思ったのね」
度重なる精神への負荷で力尽きる天峰!真っ白に燃え尽きた!
しかし……
「あぁ!エロ本の話かよ!!アレだろ?兄貴の箪笥の下の引き出し外したところにしまってある奴だよな?ほら☓☓☓とかさせるヤツ!兄貴も意外と鬼畜だよな!」
死体に鞭打つ天音!
「ちょ!?なんでお前知ってんだよ!!」
「なんでって……隠された宝を探すのはトレジャーハンターの精神だろ?」
「おまえ、トレジャーハンターじゃねージャン!うわ~ん!僕もうお家帰る!」
天峰は幼児後退しながら自身の部屋に駆け込んでいった。
「は~兄貴は心が脆すぎるんだよな~」
ため息をつきながら天峰の部屋のドアを見る天音。
「そんな……事は無い……お兄ちゃんは……強い……」
夕日がそうフォローする。
「ふ~ん。ん?夕日お前!今兄貴の事{お兄ちゃん}って呼んだか?今まで呼び捨てだったのに!なんか兄貴と有ったな?言え!!」
「いやだ……秘密……」
「教えろよー!」
天峰の二人の妹の会話は続く。
結局天音の「お兄ちゃんって呼ぶとアイツ暴走するぞ?」の一言に対して。
「うん……心当たりが……ある」
とのことで夕日は天峰の居ない所でだけお兄ちゃんと呼ぶことにした。
翌朝
「また歩きか……いい加減いやになってきたな……」
3日めにもなるとさすがにげんなりする天峰。
そう言って通学路を歩く。
まどかのリムジンに自転車を忘れてから今日で三日目である。
時間をかけて登校する。
「はあ~」
「どうした天峰?元気がないぞ?」
八家がぐったりする天峰を心配する。
「ああ、ヤケ……いや、歩きで登校したんだけど、やっぱり疲れたわ……」
力なく返事する。
「歩きで登校?そういや昨日も歩いて帰ってたよな?二日連続か?」
「ああ、そうだ」
「それは辛い!自転車通学には夢が有るよな!!前から自転車漕いでくる女子の生足チラリズムとか、風にのって仄かに香る汗の香り!さらには猫背になった女子の下着のライン!!どれもたまんねーよな!!それが二日も無いなんて!なんてかわいそうなんだ!」
この男の脳内も天峰に負けない!
八家が本気で同情する!
「えっとヤケ?お前が俺の倍以上の距離を自転車で通ってるのって、まさかそれが理由か?」
若干引き気味な天峰!
「バカな事言うなよ、帰りにエロ本帰るメリットも忘れちゃいけないぜ?可愛そうなお前にはこれを貸してやろう、ほら」
八家がそういってカバンから取り出したのは人生における保健体育の教科書!
「週姦テラエロス最新号だ!今週はロリータ特集だぞぉ?」
そう言って幼い少女の掛かれた漫画雑誌を取り出す。
「ヤケ……ありがとな!」
自身を心配する親友に感謝しつつ固い握手をする二人!
友情!快楽!猥談!それが彼らの三本柱!
「朝から何してんのよ……」
いつの間にか卯月が立っていた。
「男同士の絆を確かめ合っていたんだ」
八家がきらりと歯を輝かせながら言う。
「エロ本が絆って……最低の絆ね……」
冷ややかな視線で二人を見る。
「そんな事よりどうした?卯月?俺らのクラスに来るなんて珍しいな?」
「辞書忘れちゃったのよ、天峰英和辞書無いかしら?」
「英和か~和英なら有るんだけど……そっちはあったかな?」
自身のロッカーを漁る天峰。
「俺ので良かったら貸しましょうか?」
八家が机から辞書を取り出す。
「なんか特定の単語に線引っ張ってありそう」
遠慮する卯月!
「ヤケの辞書は借りない方がいいぞ、全部中身エロ本だからな、お!あった」
ロッカーから辞書を取り出し卯月に渡す天峰。
「そんな事ないよ!?さすがにそれはない」
八家が弁明する。
「じゃあ、八家君の辞書みせて?」
卯月がそう話す。
「はいはーい」
カバンの中からは計5冊の辞書!
「なんでこんなに?」
「3冊はフェイク!中身はエロ本です!」
笑顔でサムズアップ!
「「やっぱりエロ本かーい!」」
この日人前で堂々とエロ本を出したり貸したりできる八家に少し尊敬を覚えた天峰だった。
一人一人、順番に順番に、この私のロリコン空間にばらまいてやる!
コンビニにアイスを買いに行って思いついたネタ。
ロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリコンでわりーか!
再起不能!