リミットラバーズ   作:ホワイト・ラム

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本編再開!おまたせしました!
最近文字数が増えてる気がする……
減らした方良いですかね?


お前をそんな男に育てた覚えはないぞ!

すっかり夜の帳が降りた駅前を天峰と夕日が二人で歩く。

お互いはぐれないように、寄り添って歩いている。

「夕日ちゃん今日の夕飯どうだった?」

二人の沈黙を破り、天峰が先に口を開く。

「ん?……おいしかった……また行きたい……」

夕日が天峰の質問に答える。

「そっかぁ、それは良かった!時間ができたらまたいこうね?」

天峰が夕日の言葉に安堵し、次の約束を取り付ける。

「天峰……」

「どうしたの?夕日ちゃん?」

夕日が急に力なく話しかけた。さっきとは明らかに様子が違う、具合でも悪いのかと夕日を心配する天峰。

「私……今幸せ……あったかいごはん食べれて……家族と仲良く出来て……すごく幸せ……」

夕日がそっとつぶやく。

夕日は少し複雑な家族関係を持っている、今日のように家族や友人とどこかに食事に出かけ談笑し過ごすといった事は少し前まで夕日にとって考えられないことだった、そのため夕日はこのような日常に多大な幸福感と少しの動揺を感じるのだ。

天峰はその事を読み取り、夕日の頭を撫でた。

「まだまだだよ夕日ちゃん、もっともっと夕日ちゃんは幸せになれるんだよ?今までつらかった分ももっともっと幸せになるんだ」

天峰がにっこりとほほ笑む。

「うん……うれしい……」

夕日が天峰の腕に抱き着いた。

「おおっと!」

急に夕日がくっ付いてきたので天峰はバランスを崩しそうになる。

「あったかい……手つないでいい?」

夕日がそう提案する。

「もちろんさ」

その言葉に理性が飛びそうになる天峰!

ギリギリで踏みとどまり!

自身の手を差し出す天峰

二人で手をつなぎながら歩く。

「……なんだか……安心する……切って持ち帰っていい……?」

思いも依らない夕日の言葉に天峰がギョッとする。

「夕日ちゃん!?それはやめて!夕日ちゃん偶に思いも依らないこと言うから俺すごいびっくりする!」

「うん……たぶん死後硬直して……固くなりそうだから……やめておくね……」

夕日がクスクスと笑う。

(ああ、何だろ?危ない事言ってるのはわかってるんだけど……すごいかわいい!あと今更だけど俺夕日ちゃんと手をつないでるぞ!これでテンション上がらない奴はいないよな!ああ!俺夕日ちゃんになら殺されてもいい!……今のフラグじゃないよな?何を言ってるんだ俺は!本当にいつか殺されるぞ!だがそれでもいい!と思ってしまう自分が居る!)

天峰はアンビバレンツな妄想を何とか振り切った!

「さてと、あんまり遅くなるといけないよね?ちょっといそごっか?」

「やだ……二人だけだから……もう少し一緒に居たい……」

その言葉に天峰はなにも言わずに頷いた。

その後二人はゆっくりと歩いて自分達の家に帰った。

会話は少なくともそこには言葉で伝わらない何かが有った。

 

「二人ともおかえり!」

家に入ると同時に母親に話しかけられた、ずっと待ってたようだ。

「ただいま母さん」

「……ただいま」

二人とも挨拶を交わす。

(どうしたんだろ母さん、玄関で待ってるなんて珍しいな?)

天峰が不振に思う。

「ところで夕日、初体験どうだった?明日の夕飯は赤飯だからな!」

ニッと笑い親指を立てる。

「ちょっと!?母さん!?何言ってるの!?」

それを聞き天峰が噴き出す、牛乳飲んでたら間違いなく大参事!

天峰の事は無視して母親は言葉を続ける。

「夕日が女になったお祝いをしようかなって思ってな!」

突き進む母!

「母さん!夕日ちゃんとは何もなかったって!」

止める息子!

「バッカヤロー!!天峰!おまえ!たとえ相手が自分の義妹だろうと自分のヤった事には責任持ちやがれ!!私はお前をそんな男に育てた覚えはないぞ!」

止まらない母!息子は無力!

「ああ!もう!誤解だって!夕日ちゃんからもなんか言ってよ!」

天峰は夕日に助けを求めた!

しかし!

「天峰に……幸せにしてもらった……」

夕日が頬を染める!

さらに加速する天峰のアウェイ!

(夕日ちゃーん!なんで今そんな誤解を招くような発言したの!?)

「な、なにぃ!兄貴夕日に手を出したのか!嫌がる夕日を無理やり押し倒して、無垢な体を自らの醜い欲望の結晶を叩きつけたのか!?」

さらに実妹!天音まで登場!さらっと事態を悪くする!

確実に狭まる天峰包囲網!

「みんな一回落ち着こうぜ?二人でごはん食べてきただけだからね?」

天峰が諭すように全員に言う。

「はー、なんで男ってのは自分のしたことを認めようとしないんだ?甲斐なくても産ませるだけは出来るんだよな~」

母親がいつの間にか煙草に火を付けている。

「だから違うからね?」

天峰が必死に弁明する。

そしてついに夕日が

「うん……ごはん食べてきただけ……」

真実を述べた。

「「なーんだ、つまんねーの」」

母親とその娘はつまらなそうに言って去って行った。

(もうやだこの家……)

天峰は一人そう思った。

 

 

翌日の放課後……

天峰は体操服に着替えてグランドに向かうように山重に言われた、今日のボーノレはグラウンドでやるらしい。

(あー、正直言うとすごい帰りたい……)

心の中でぼやきながら第二理科準備室で着替えをする。

え?更衣室は無いのかって?ここがそうだよ?

「お!天峰!今日はクラタナシュをやるぞ!」

天峰が着替えていると山重が入ってきた。

(あー、幼女成分が足りない!俺の青春には幼女が必要なんだ!)

むさくるしい空間で一人無い物ねだり!

幼女のないまま着替えを済ませ山重と二人で話ながらグラウンドに向かう。

「ん?なんだ?騒がしいな……」

「そうですね」

部活で放課後はいつもにぎわっているグラウンド!

しかしいつもと様子が違う!

天峰の天才的な第六感が有る者を発見した!

「山重先輩!アレ!」

天峰はグランドの中心に誰かいるのに気が付いた。

 

「そこの庶民!万里お兄様の部室を知らないかしら?」

「ねえねえ、知らない?」

高圧的な声とおっとりした声が聞こえる。

「まどか!何をしているんだ?」

まどかを発見した山重が、二人に駆け寄る。

「あ!お兄様!ワタシお兄様の勇士を見たくてはるばる駆けつけましたのよ」

まどかが笑いながら山重の胸に飛び込む。

(うーむ、ツンツンした子がデレるといいものだな……ツンデレが人気なのもうなずける……)

まどかの表情を見てニヤリとする天峰!

事案発生一歩前!

「というか、警備員は何してんだ?」

もちろん天峰の通う学校にも警備員はいる、部外者であるまどかと木枯が簡単に入って来れるハズは無いのだが……

「ん~とんね!まどかがばいしゅーしたって言ってた!」

木枯が天峰の疑問に笑いながら答えた。

「買収って……警備員それでいいのかよ……」

自身の学校の警備が不安になる天峰。

(テロリストが学校を占拠した時のイメトレは欠かさないでおこう……)

すごくどうでもいいことを決意した天峰!みんなもやったこと有るかな?

「はあ、来てしまった物はしょうがない!おとなしく見学してくれよ?」

結局は山重が折れた、この男まどかには意外と甘い!

「やりましたわ!ワタシの愛が通じましたのね!」

その場で大げさにリアクションするまどか。

「あ~まどかちゃん?悪いけど昨日持ってった俺の自転車返してくれないかな?」

タイミングを見計らって天峰が話しかける。

「あら、ごめんなさい?ワタシ忙しいので後にしてもらえます?正直邪魔ですわ」

昨日と同じく辛辣な言葉!

天峰はこの子がひと波乱起こすのではないかと嫌な予感がしていた。

 




茶番!
「ふはは!萌えろ萌えろ!もっと萌えるがいいさ!」
「おい小僧!派手にやるじゃねーか!」
「あ!ご、ごめんなさい!」
「かまう事ねェ!それよりもっとやろうじゃねーか」
「え、ええ!?」
「これから毎日ロリで萌やそうぜ?」
*別に更新速度は変わりません。

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