リミットラバーズ   作:ホワイト・ラム

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前回のテンションは今回はありません。
いつもの天峰君の煩悩が帰ってきました!
*投稿ミスが有ったようです。
本作が正式な8話です。
ご迷惑おかけしました。


当たってるよ!」「当ててるの…

暗い病室で一人の少女がうなされている。

「!!はあ、はあはあ、また、あの夢?」

坂宮夕日がベットから飛び起きる。

まだ五月だというのに、全身にいやな汗をかいている。

また無意識に手を、自分の顔の右側に当てていた。

手探りで時計を探した。

(5時45分…起きるには…早い…あそこ(旧館)に行こう…)

夕日は自分の病室を抜け出し、旧館に向かう。

(今日は約束したから…来てくれるよね…)

何かにすがるような気持ちで夕日は旧館に向かう。

 

「ん~ふぁ~、朝か?よく寝たな~」

天峰がゆっくりと目を覚ます。

(さーてと!夕日ちゃんに会いに行きますか!卯月に会うと厄介だしな…早めに言って本でも(隠したエロ本!)よんで夕日ちゃんを待ちますか!)

もはや卯月は厄介者状態!あまりにひどすぎる天峰の脳内!

(いや待て!エロ本だと!?旧館には何が有る?そう!夕日ちゃんの使ったベットが有るではないか!そう!服の次に長く夕日ちゃんに触れた物質!その名もO・H・U・T・O・N!これは潜り込むしかない!そうと決まればダッシュだ!)

再び言おう!あまりにひどすぎる天峰の脳内!

*天峰君は度重なる、ロリコニウムの過剰摂取のため半暴走状態にあります、ロリコニウムを使用している全国の皆さんは過剰摂取にご注意ください。

 

「お!足が痛くない!ついに治ったか!」

スキップしながら旧館に向かう天峰。

「夕日ちゃーん!いるー?」

居ないことを期待して天峰が勢いよく扉を開ける。

「え!?」

「!!」

そこにはパジャマを着替える夕日が!

勢いよく夕日が脱ぎ掛けの服で自分の体を隠す。

「うわ!?ごめん夕日ちゃん!俺外行ってるから!」

天峰が扉を閉める。

(来ましたよ!ラノベやアニメのお約束!不自然に水着や裸が出る回!俺この作品の主人公でよかった~)

突然のメタ発言!

(見えたぞ!一瞬だが白い肌確かに見えました!柔肌イタダキマシタ!テンションフォルティッシモ!下着の確認と恥じらいの表情が見えなかったのが悔やまれるな…)

ロリコン大歓喜!

「ガラッ!」

天峰の興奮を余所に、扉が少しだけ開けられる。

扉の間から、夕日の手だけが現れチョイチョイと手招きする。

(お呼びがかかったみたいだな…とりあえず真剣に謝ろう…)

天峰は部屋に入った。

「見た?」

ただ一言ぼそりと夕日が言った。

(おおぅ、何時にもまして不機嫌顔…誤魔化すかな…)

「何も見てないよ?」

明後日の方角を見ながら天峰が誤魔化す。

「…うそ…見られた!…チョット大人なパンツも…スリーサイズも…ホクロの数も!」

夕日が感情を爆発させる。

「ちょ!ちょっと!あの一瞬でそこまでは無理だよ!」

天峰が反論する。

「「そこまでは」?」

夕日が言葉尻を取る。

「あ…いや、そこまでってのは言葉のアヤだよ!ホントは何も見てないんだ!」

「…本当に?」

「ホントに」

「…じゃあ、私の目を見て…」

夕日の二つの瞳が天峰の方をじっと見る。

(うう、幼女の視線が痛い…)

「ごめん夕日ちゃん!!実は少しだけ見ちゃいました!」

天峰はとっさに土下座のポーズをとった。

(本人かなり気にしているみたいだし…全力で謝ろう…)

謝罪を続ける天峰に、予想外の言葉が投げかけられた。

「どうだった?」

その言葉には怒りは感じられず、こちらの意見を知りたいという、問いかけだった。

(どうって…ここは紳士らしく…いや何ともなかったっていうのは、年ごろの子には失礼だ!素直に言おう!)

天峰はゆっくり頭をあげ。

「ちょっぴりテンション上がりました!ごめんネ!」

地雷を全力で踏み抜いた!

夕日がクルリと背を向けベットに近づく。

(あれ?ミスったか?花瓶来るか?)

天峰は夕日と初めて会った時の事を思い出し震えた。

しかし夕日は花瓶をスルーし、ベットの横の戸棚をあけた。

(お?セーフ?最悪のパターン花瓶は回避したぜ!)

チキ…チキ…チキチキ!

「ん?コレ何の音だ?」

「…ああ、これよ」

ヒョイっと夕日が取り出したのは大型のカッターナイフだった。

「えっと?夕日…さん?」

天峰は冷や汗をかく。

「私の体を見られた…だから…殺す!」

夕日がカッターを持って近づいてきた!

*因みにカッターの刃は横向き!肋骨に止められる事無く内臓を狙えるゾ☆!

「わー!ちょっと!ちょっと待って!!見たのは悪かったから!謝るから!」

天峰は逃げようとしたが、土下座のポーズをしていたのが祟り転んでしまった、奇しくも犬などの動物の降伏の様なポーズになる。

「許さない!」

夕日が凄まじい怒気を含んだ声で言った。

「ひいい!夕日ちゃん!当たってる!当たってるよ!」

「当ててるの…!」

カッターの刃を夕日の腕ごと止めながら、天峰が言う

このタイミングでなければ、男が女性に言われたいセリフが出てきたが、天峰は気が付いてはいない!

「ごめん!!なんでもするから!なんでもするから許して!」

「じゃあ…責任とって…死んで!」

なおも腕に力を込める。

「へ?責任?」

その言葉と天峰の煩悩と混乱し、まともな思考を失た天峰の脳がかなり間違った答えを導きだした!

「解った、夕日ちゃん!僕と付き合おう!」

「え?」

今度は夕日がおかしな声を上げる。

「いや、だからさ、付き合おうって言ったの」

天峰の真剣なまなざし。

「…付き合うって私と?」

「うん、もちろんさ!」

「…私の事好きなの?」

「世界で一番愛してるよ!」

それは

「ほんのり、ペタン、ちょこん、な体型でも?」

「俺にはそれがベストさ!」

天峰の

「こ、子供は何人欲しい?」

「野球チームが作れるくらい!」

生存本能が

「…嘘じゃない?」

「嘘なもんか!」

導き出した

「…ふつつか者ですが…よろしくお願いします…」

「一生大事にするよ!!」

答え(言葉)だった。

「…うれしい」

夕日が天峰に抱き着く。

(あれ?殺されないように答えてたら、付き合うことになったぞ?まあいいか!)

天峰のは何処か他人ごとのように感じていた。

(退院したら108chに「生き残ろうとしたら幼女が彼女になった件」とかでスレ立てよ…)

 


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