突如として天峰の前に広がる非日常!
目の前には13歳の幼女!坂宮 夕日!
ベットに寝転がり、こちらを見ている!
これだけならただの寝起きの一コマ!
しかし!しかしだ!
「どうしたの?好きにしていいのよ?それともやっぱり私のような寸胴体系はお気に召さない?」
なんて言ってしまい、胸のパジャマのボタンに手をかけようとする。
明らかに画面の端に「この後めちゃくちゃS(ry」とかつきそうな展開!この作品はR18作品になってしまうのか!?
(おいおいおい、いったい何があったんだ?落ち着け俺!一旦状況を整理しよう、俺は幻原 天峰ナイスガイなロリコンお兄さんだ!目の前には幼女!よしレッツ合体!じゃない!落ち着け!俺はアイスを買ってきてプレゼントした、ここまでは良い理解完了!その後はなんで夕日ちゃんスタンバイOKな状況?)
「え、っと夕日ちゃん?別に俺はそんな目的が有った訳じゃないんですよ?」
天峰が何とか応える、心の中では「ヘタレが!」「据え膳食わぬはロリコンの恥じ!」「押し倒してヤっちまえ!」「ルパーンダーイブ!」「イェス!ロリータタッチゴー!」などなど煩悩まみれだが…
「そうなの?」
夕日がさも意外そうにする。
「そうそう、ただ二人でおしゃべりして友達になれたらなーって思っただけ」
「おしゃべり?私の躰が目的じゃないの?」
「当たり前だよ!夕日ちゃんそういうドラマとか同人誌とか読み過ぎ!」
思わず天峰が突っ込みにまわる。
「ドージンシ?なにそれ?」
「あ、いや、なんでもないよ(さすがにしらないか)と、とにかく!躰が目的とかじゃないから、あと夕日ちゃんにはちょっと早いんじゃない?」
天峰が諭すようにいう。
100メートルも離れていない位置に、大量のエロ本を隠しているのだが…
「…だって、それくらいしかすることないんだもん」
夕日がむくれる、珍しく年相応表情だった。
(やばいぞ!むくれ夕日ちゃん本気でかわいい!不機嫌じゃないだけでこんなにかわいいなんて!写真だ!この素晴らしい表情を撮らなくては!心だ!心のアルバムに強く!強く焼き付けるんだ!)
ブレない男天峰であった。
「じゃあこれ、いただくわ、いただきます」
夕日が天峰からアイスを受け取り食べ始める。
「うん!おいしい!」
夕日の頬がわずかに緩む。
(あっ!やばい!かわいすぎる!カメラを!カメラをくれ!この一瞬の奇跡を永遠に残すんだ!脳内に保存だ100年後も再生できるように!脳内に保存してやる!)
天峰が夕日の笑顔を脳内に保存している最中も、夕日はアイスを食べ続け。
「ごちそうさま」
夕日がぽんと両手を合わせる。
「…アイスを食べたから約束どうり、あなたと話してあげる、立ったままだと気になるから、その椅子使ったら?」
夕日がベットのそばの椅子を指さす。
(おお!ベットの隣の椅子だと!夕日ちゃんに急接近だ!)
天峰が椅子に座る。
「夕日ちゃんはここでいつも何してるの?」
天峰が前々から気にしていたことを聞く。
「…いつもは絵本を読んでるわ、物語が好きなの、興味が有ったら読んでもいいわよ?」
夕日が本棚を指さす。
「へー絵本か、懐かしいな…お!腹ペコワーム!珍魚が逃げたに、栗と蔵!ねないこ俺だもある!なつかしいなー!」
本棚には絵本を中心にいくつかの小説もあった。
あまりの懐かしさに天峰は、時間を忘れ読み進めていく。
会話はないが、その時確かに天峰と夕日は同じ時を過ごした。
「…そろそろ、もどりましょうか」
夕日の声で天峰は現実に戻された。
「今何時位?」
「…5時半位、ここ電気通ってないから、暗くなると本読めない」
いつの間にか病室は夕日に照らされていた。
「そっかぁ、じゃあまた明日ね」
天峰が本棚に絵本を戻す。
「…本、気に入ったなら持っていっていいわよ?」
「いや、いいや俺は本じゃなくて夕日ちゃんとの時間を楽しみたいんだ」
言ってしまって天峰はハッとする。
(やばい!思わず本音が!キモがられるか?)
戦々恐々とする天峰だが
「本当に?私といて楽しい?一緒に違う本読んでるだけなのに?私の事邪魔じゃないの?」
(あれ?意外と好印象だな…)
「うん、俺、夕日ちゃんの事嫌いじゃないよ?」
天峰の何となくいった言葉に夕日は強く反応した。
「本当に?仲良くしてくれる?」
「ああ、もちろんだよ」
(まさかロリに仲良くしてなんて言われる日が来るなんて…!すごい幸せだな!)
「…じゃあまた明日待ってるから」
夕日が病室を出る。
「また来てか…」
一人になった病室で天峰がつぶやく。
その夜
(いやーなんかいきなり夕日ちゃんの攻略順調!ひょっとしたら俺ゴールデンウィーク明けには彼女持ちになってるかも!むふふふ!)
天峰が妄想を膨らませながら眠りに落ちてゆく。
次の朝
「幻原さん起きてください!今日もいい天気ですよ?」
明るい声が天峰を起こす。
(んー誰だ?どこかで聞いた声だな?)
目をこすりながら天峰が目を開ける。
夕日が天峰の顔を笑顔で覗き込んでいた。
「ほら、朝食の前に散歩に行きましょうよ!気持ちいいですよ?」
夕日が笑いかける。
「えっと、夕日ちゃん?どうしたのそのキャラ?」
「せっかくの晴ですし!病院デートしましょうよ!」
元気にいう。
(病院デート?ずいぶん新しいジャンルだな…)
「わかったよ、いま着替えるから」
「はい!」
夕日は元気よく返事をした。
「あの、夕日ちゃん?着替えるから出て行ってくれない?」
その瞬間夕日が残念そうな顔をする。
「えー私幻原さんの着替え見たい!」
(な!何をおっしゃいます!?)
天峰がパニックを起こす。
「夕日ちゃん、さすがに恥ずかしいから…ね?」
場合によっては天峰が逮捕される。
「「ね?」じゃなーい!いいじゃない!見られても減るもんじゃないでしょ?」
*天峰の理性はどんどん減っています。
「あ!そーだ!私も一緒に着替えてあげるから!それならいいでしょ?」
オフェンシブすぎる夕日の言葉に天峰の理性がついに切れた。
「よし!わかった!夕日ちゃん!一緒に着替えよう!」
「何が!一緒に着替えようよ!このド変態!」
「ぐぶぅ!」
天峰の腹に激痛が走った。
「え?え?」
「ずいぶん楽しい夢を見ていたみたいね?」
卯月が青筋を立てながら立っていた。
まさかの2日連続!