毎日更新が危うくなる筆者が描く長篇シリーズ第4話、では、どうぞ。
カフェでひとまず待機している。
八幡「ふぅー」
一体、俺は何をやっているのだろうか。雪ノ下にまた願望を押し付けていただけではないのか?それなりに距離を縮めたと、一方的に思っていただけではないのか?
ガラン
陽乃「比企谷君〜」
このカフェに人がいなかったからよかったものの、人がいたら間違いなくその人たちは俺を睨む。そんなのに耐えられるわけがない。
そんなことを思っていると席の向かいに座った。
陽乃「返事くらいしてよ〜もう」
八幡「面倒です」
陽乃「それで、話すことはできるようになった?」
この人は本当にすごい。真剣なときは最早別人だ。
八幡「話しますよ」
俺は話した。フェンスのことや雪ノ下の行動、それに対する俺の行動。由比ヶ浜のことは出さなかった。いや、出せなかった。彼女に無理に罪を負わせる必要はない。俺が今ここで話したことが雪ノ下さんには事実なのだ。俺一人の責任にできる。
陽乃「ふーんなるほどね。だいたい読めたよ」
八幡「読めた?雪ノ下の行動の理由が?」
陽乃「いいや〜、君のその、正義に身を置いている気になっている理由」ギロッ
この人はなんなんだよ。正常じゃねーか。いや、あのときは確かに混乱していたんだ。していたはずなんだ。なんで……………
陽乃「君は罪悪以外も罪悪で背負ってる状態だし、それにすら気づけないなんて、本当に正常じゃないんだね」
八幡「罪悪以外に何を俺は背負ってるっていうんですか?」
陽乃「さぁ〜わかんない」
八幡「あの…………プルルル
陽乃「はい………はい………わかりました」
雪ノ下さん仕事でも入ったか?
八幡「仕事か何かですか?」
陽乃「仕事って、私まだ学生だよ?」
八幡「あぁ、そうでしたね。すみません」
本当に忘れてた。
陽乃「そんなに歳とってるように見せるかな………?」
八幡「あっ、いえ、そういうわけではなくですね………」
陽乃「よかった………」フゥ
いつもの強化外骨格はどこにいったんだよ。
陽乃「先生から、電話だったんだけど、その…いく…?」
八幡「いきます」
陽乃「わかった。じゃあいこうか」
八幡「はい」
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先生「完全に検証はできてないが、過去の例からいってまず間違いなくそれは含まれる」
八幡「……………」
陽乃「…わかりました。…ありがとうございます。…失礼します…」
ガチャ
八幡「………陽乃さん」
陽乃「は…陽乃…/// ボソッ
どうしたの?比企谷君」
八幡「俺はこれからどうすればいいんですか?」
陽乃「君は何もしてないんでしょ?ならいいんじゃないの?」
先生の言ってたそれというのは、雪ノ下のーーーーーーーーーーーーー辛い記憶という、ことだった
陽乃「何かの間違いだよ。だって雪乃ちゃん、由比ヶ浜ちゃんや比企谷君といるとき、すごい楽しそうだったもん」
それに………と陽乃さんは続ける
陽乃「辛い記憶が比企谷君といることって決まったわけじゃないしね」
八幡「え?どういうことですか」
陽乃「まず間違いなくそれが含まれるって先生は言ってたけど、それってさ、まだ別のところも欠けてる部分があるっていうことでしょ?比企谷君の記憶は辛いとは違った部分のことなんじゃないかな」
八幡「はぁ………やっぱり俺は正常じゃないですね。そのくらいのこともわからないとは。辛い記憶と決まったわけではない、ですね………
まぁ、じゃあ俺はこれで帰るので、その、」
陽乃「雪乃ちゃんなら任せなさい。君は君のことをまずは片付けなさい」
八幡「ありがとうございます。それでは」
陽乃「うん。じゃあね〜」フリフリ
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陽乃さんがだいぶ気を楽にしてくれた。とりあえずこれから何をやるか、か。
まぁ、とりあえず俺がやることは、寝ることだな。
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ピーンポーン
八幡「小町ー、出てけれー」
小町いねぇのか。仕方ない、行くか。
八幡「なんでお前がいるんだ」
結衣「私が来たらダメなの?」
八幡「雪ノ下の病室にいただろ」
結衣「ヒッキー寝てたんだ。ヒッキーが帰ったのって昨日だよ?」
八幡「あぁ、寝てた」
結衣「陽乃さんと昨日何話してたの?」
八幡「いや、特には……………
雪ノ下の記憶の喪失部分を先生から聞いて、それについて話してた」
由比ヶ浜が怖い。心の底から思った。
結衣「記憶の…喪失…部分…」フワフワ
……………アホの子は相変わらずか
八幡「雪ノ下が失ったものは俺の記憶で、先生によると雪ノ下にとっての辛い記憶と他に何かの記憶がなくなったって話で」
結衣「辛い記憶……………」ボソッ
八幡「由比ヶ浜?」
結衣「ヒッキーの記憶をなくしたのは、ヒッキーがゆきのんに辛い思いをさせてたからだよ」
それは、その言葉は、俺の思考を停止させるには充分だった。
前書きの短さは、まぁこれからはあんな感じにしていきます。決してネタが切れたとか、そういうわけではありません。
次回もお楽しみにー