記憶の片隅で   作:to110

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………このシリーズってシリアスでいくって話でしたよね?あのですね。このシリーズもうシリアスないかもしれません。なんか、そんな大きい話は作れそうにありません。あのですね。今並行して作ってるシリーズに考えてたシリアス全部持ってかれました。
ということで、このシリーズはいつぞやに宣言しましたとおり、ゆったりほのぼのでいきます。
そんなのでよければ、これからも、よろしくお願いします。


第十三話 彼らの三学期はこうして始まる。

始業式。短い冬休みを終え、これから始まる3ヶ月のスタート地点である。というか冬休みって正月あるからほんとに短く感じるよな。

 

 

結衣「おっはようー!」

 

 

八幡「ぐはっ………⁉︎」

 

 

かばんが後ろから、背中を直撃。痛い。なんで始業式そうそう痛みを味わっているのだろうか。由比ヶ浜、あとでいいことをしてやる。ニヤリ。

 

 

八幡「………よっ」

 

 

結衣「元気なくなーい?もっと元気出して!」

 

 

お前のせいで元気がないんだよ。いやまぁ元から元気なんて俺にはないんだけどさ。

 

 

八幡「お前のせいでーーーーー」

 

 

結衣「じゃあ先教室行ってるねー!」

 

 

あれ?由比ヶ浜の姿がなくなった。なんなんだよあいつ。俺のありがたいお言葉(数が少ないからありがたいよね?)を遮りやがった。決定。あいつに何かしてやる。絶対。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

当たり障りのない平塚先生の話も終わり、俺は部室へと向かう。

 

懐かしい我らの部室。その扉。

 

 

八幡「よぉ」

 

 

雪乃「こんにちは、八幡君」

 

 

さてと、俺の定位置に座りますかね。座り、ますか、ね。座り…たいんですけど…

 

 

八幡「なぁ雪乃」

 

 

雪乃「何かしら?」

 

 

八幡「俺の椅子、どこいった?」

 

 

あれれ?ついに部員じゃなくなったの?いつの間にか部員になってるってパターンの逆パターン?なんじゃそれ。

 

 

雪乃「んっ」

 

 

いや、そんな椅子をトントン叩かれても。ってなんかこないだもこんなことあったな。………まさか。

 

 

八幡「ねえ雪乃さん?その椅子って、もしかしてだけどさ。俺の?」

 

 

雪乃「ええ、そうよ。いまさら何を言っているの?この椅子は八幡君の椅子じゃない。半年も座ってる椅子よ?忘れてしまったの?」

 

 

八幡「あぁ忘れたな。俺の椅子がそんなところにあるなんてことは忘れている。だから椅子を定位置に戻せ」

 

 

雪乃「だから何を言ってるの。八幡君はここよ」

 

 

なんで、なんで、なんで?雪乃の隣なの?雪乃は引きそうにもないし。………はぁ仕方ない。付き合ってやるか。

 

 

八幡「はいはい。わかりましたよ」

 

 

窓側ってあんま好きじゃないんだよな。カーテンを閉めていたって日光が体を刺す。右に雪乃、後ろにカーテン。

 

 

結衣「やっはろー!」

 

 

扉が勢いよく開けられた。相変わらず音を立てるの好きだなお前。

 

 

雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」

 

 

結衣「ゆきのんやっはろー!」

 

 

二回も挨拶しなきゃいけない上位カーストは大変ですね。なんで二回も挨拶するんだろう。

 

 

結衣「ヒッキーは?」

 

 

八幡「朝挨拶しただろ」

 

 

結衣「」プクー

 

 

雪乃「由比ヶ浜さん、扉を閉じてちょうだい。熱が逃げてしまうわ」

 

 

結衣「あっ!ごめんね〜。

え⁉︎なんでヒッキーそこにいるの⁉︎」

 

 

あれれ?ほんとに部員じゃなくなったの?ってそういうことじゃないよな。

 

 

八幡「雪乃がここに座れってことで」

 

 

雪乃「そんなこと言ってないのだけれど」

 

 

八幡「言ったとは言ってないだろ」

 

 

結衣「ヒッキー、キモい」

 

 

八幡「キモくない。真顔でそんなこと言わないでくれ。雪乃もなんか言ったれ」

 

 

雪乃「八幡君は気持ち悪いだけではないでしょ?言葉が足りてないわよ」

 

 

八幡「なん………だと………」

 

 

雪乃。助けてよ。助けてくれよ。なんで助けてくれないんだよーーーー!

 

 

雪乃「言葉が足りないのは誤解を招いてしまうわ」

 

 

結衣「あーそっかー」ウンウン

 

 

おい由比ヶ浜。なんで感慨深く返事してんだよ。さて、これ以上こんな会話に身を投じていたら精神が死んでしまう。というか雪乃。毒舌は治らないんですか?

ということで、由比ヶ浜には罰を。

 

 

八幡「おい由比ヶ浜」

 

 

結衣「なに?」

 

 

八幡「来週テストあるのって知ってるか?」

 

 

雪乃「八幡君はいまさらなにを言っているの………」

 

 

結衣「え⁉︎て、テスト⁉︎」

 

 

雪乃「ま、まさかとは思うけれど由比ヶ浜さん。あなた………」

 

 

結衣「し、しししし知ってるし!ヒッキーいくらなんでもバカにしすぎ!ゆきのん?私大丈夫だよ?ちゃんとテスト勉強してるよ!」

 

 

雪乃が途中からかわいそうなもの(間違っても者ではない)を見る目をし始めた。

 

 

雪乃「由比ヶ浜さん。このテストが悪かったら進級が危ういのよ?」

 

 

結衣「あ、あーえーっとー………」

 

 

よしよし。このままいけば由比ヶ浜は落ちる。

 

 

結衣「ゆきのん?テスト勉強手伝って?」

 

 

よしきたーーーー!

 

 

雪乃「ええ、いいわよ。では早速やるわよ」

 

 

結衣「うん!よろしく!」

 

 

由比ヶ浜、さらば。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

結衣「ゆき………のん………」ガクッ

 

 

雪乃「ゆ、由比ヶ浜さん?ちょっと?起きなさい」

 

 

ふふふふふふふふふふふふふふ。笑いが止まらん!ざまぁ由比ヶ浜!俺への攻撃に対しての報復じゃい。

しかし。しかしながら。俺の予想外のことが起きていた。ほんとにね。ほんとに、報復だけでは済まなくなってしまった。だって、だってさ。

 

 

雪乃「まだ勉強始めてから30分経ってないじゃない。由比ヶ浜さん?まだやるわよ?」

 

 

結衣「もうだめだよ………私は………もう………だめなの………」

 

 

そうなんだ。由比ヶ浜は勉強を始めて30分と持たなかった。もうほんと。かわいそうになってくる。由比ヶ浜は大学受験やばいだろうな。同情くらいはしてやる。あれ?眼から涙が………

 

 

結衣「もう………だめ………」

 

 

雪乃「由比ヶ浜さん?由比ヶ浜さん!」ユサユサ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

結衣「」チーン

 

 

雪乃「まだ1時間しか経ってないのだけれど」

 

 

八幡「由比ヶ浜お疲れ」ニヤニヤ

 

 

結衣「ヒッキー慰めてーーーー!」ダキッ

 

 

八幡「お、おう………よ、よしよし?」ナデナデ

 

 

柔らか〜い。二つのあれが⁉︎二つのあれが〜!グイグイしてきて腕が飲み込まれる〜!

 

 

雪乃「」ブサッ

 

 

八幡「がっ………はっ………⁉︎」

 

 

わ、脇、に、ゆ、指、を、く、食い込ませる、な………

 

 

雪乃「」ブサブサブサブサ

 

 

連打するな連打するな!痛い痛い痛い痛い!左は由比ヶ浜で天国。右は雪乃で地獄。なんなんだよこの状況!

ゲームの連打って楽しいよな〜。キューブのAボタン連打とか好きだったな〜。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

雪乃「では、今日は終わりにしましょうか」

 

 

結衣「バイバイゆきのんヒッキー………」

 

 

イントネーションの狂った由比ヶ浜は部室から出て行った。

 

 

雪乃「私たちも帰りましょうか」

 

 

八幡「そうだな」

 

 

今日の教訓。

雪乃の近くで他の女の子に触ると激痛が襲う。

 

 

雪乃「なんのことかしら?」ニコッ




お読みいただきありがとうございます。
投稿頻度の低下。その他諸々。言い訳は活動報告に載せます。そこで罵倒なり苦情なり文句なりなんなり引き受けます。
今後もよろしくお願いします………

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