記憶の片隅で   作:to110

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第五話 過ぎる時間も惜しむことになる日常に。

結衣「ねぇ〜ヒッキーとゆきのんは修学旅行どこ行くの?」

 

 

八幡「なんだやぶからスティックに」

 

 

結衣「………ぅえぇ」

 

 

由比ヶ浜結衣は、中二とその類は死ね、という目で俺を見ている。

 

 

雪乃「そうね………私はお寺とか見て回ろうとしているのだけれど。由比ヶ浜さんや八幡君は?」

 

 

八幡「俺もそんな感じだな。せっかくの京都だし、寺は見ておきたい。由比ヶ浜は?」

 

 

結衣「あっ…ええと…その…わ、私…は………」

 

 

雪乃「どうしたのかしら?由比ヶ浜さん」

 

 

結衣「いや、なんかゆきのん達と一緒に回りたかったんだけど、私邪魔みたいだしなー、って………」

 

 

八幡「ふーん、別に気にするなよ。雪乃と一緒に行くとかいう話し合いはしてなかったし」

 

 

雪乃「ええそうね。一緒に行動するなんて考えもなかったわ。その…由比ヶ浜さんさえ良ければ…一緒に回らない、かしら………?」

 

 

結衣「ゆっ、ゆきのーん!」ダキッ

 

 

雪乃「っ………あ、暑苦しい………」

 

 

めっちゃ耳赤いんだけど。なんなの?雪乃ってそっち側なの?

 

 

雪乃「」ギロッ

 

 

八幡「ひっ⁉︎」ピクッ

 

 

もういいよ読心術は!ぼっちの俺から思考を取ったら何が残るんだよ!そのくらいさせろよ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

結衣「じゃあねっ、ゆきのん!ヒッキー!」フリフリ

 

 

八幡「あぁ、じゃあな」

 

 

雪乃「ええ、さようなら」ニコッ

 

 

………できればそのかわいい笑顔は俺にも向けてほしいんだけど。

 

 

雪乃「」カァァァ

 

 

ま、そのかわいい反応だけでも十分、かな。

 

 

雪乃「な、生意気なのよ………///」ギュッ

 

 

八幡「っ………///」

 

 

学校でも大胆すぎる!いや俺としては嬉しいんだけどね?いやでも、そのね?誰かに見られるとかしたらあれなわけで。まぁ誰もこないけどね。

 

 

雪乃「そ、それから………」

 

 

八幡「な、なんだ?」

 

 

雪乃「八幡君から思考を取っても、その…私が…いるじゃない………」モジモジ

 

 

八幡「」ボンッ

 

 

や、やばい………ゆ、雪乃が攻めてきた………

夏も過ぎたというのに暑い。攻めてきたお返しとして、俺は雪乃をさらに強く抱きしめる。

 

 

雪乃「ぁ………///」

 

 

ほんな甘い声を聞けて、俺はもう大満足。雪乃の顔も真っ赤。これで俺の顔の赤さも大して目立たない。

 

 

雪乃「そ、そろそろ帰りま、しょ?」

 

 

八幡「そ、そう、だな」

 

 

雪乃「ならこの手を離してちょうだい………///」

 

 

八幡「わ、悪い」スッ

 

 

雪乃「ぁ………」

 

 

なんでそんなもの恋しく見つめるんだよ。

 

 

雪乃「そ、そんなふうに見てなんて…ない…わよ………」

 

 

そうかいそうかい。ならば。

 

 

八幡「またやってやるよ」ミミウチ

 

 

雪乃「」ボンッ

 

 

雪乃「」 プシュー

 

 

雪乃「」ポワポワ

 

 

これでもなるのか。めっちゃ楽しい。

 

 

八幡「」ナデナデ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

雪乃「ふぅー八幡君、その、ごめんなさい………」

 

 

八幡「いやなに気にするな」

 

 

んー………なんか引っかかることがあるな。

………あ、なるほどそれか。ということで雪乃に質問をしてみる。

 

 

八幡「なぁ雪乃」

 

 

雪乃「なにかしら?」

 

 

八幡「その首を傾げる仕草、かわいいな」

 

 

雪乃「なっ⁉︎………///」カァァァ

 

 

じゃない、間違えた。ついつい思ったことを言ってしまった。俺の反射速度が速すぎて制御できてないとか、自分の能力が暴発してるみたいじゃん。まるで材………なんでもない。

 

 

八幡「悪い間違えた。雪乃ってポワポワしてるときに喘がなくなったよな。なんか意識してんのか?」

 

 

雪乃「そうなの?私は特に気にしてなかったのだけれど」

 

 

八幡「あぁ、最近はなくなったな。あれけっこう楽しみだったんだけどな。残念だ」

 

 

雪乃「そっ…そんなもの…楽しみにしないでよ………///」プイッ

 

 

八幡「まっ、時間も時間だし、そろそろ帰ろうぜ」

 

 

雪乃「それも、そうね………」

 

 

ほんと、こいつは狙ってやってんのか?

………まったく、仕方ないな。

 

 

八幡「そんな顔しなくたって明日もまた話せるだろ?」

 

 

雪乃「べっ、別にあ、あなた、と…話したいだ…なんて…思って…ないもの………」モジモジ

 

 

八幡「はいはい」

 

 

雪乃「むぅ………そんなあしらいかたして………ほんとにそんなこと思ってーーーーー」

 

 

八幡「」スッ

 

 

雪乃「あ…あわ…あわ………///」

 

 

八幡「」スッ

 

 

雪乃「そ、そんなこと思ってないもーーーーー」

 

 

八幡「」スッ

 

 

雪乃「の………わ…あぅ………///」

 

 

八幡「もう帰るぞ」サッ

 

 

雪乃だけ照れてるように見えるが、実際雪乃の顔をあんだけ近くに感じたんだ。俺だって心臓がバクバクだ。てか、恥じらいながら目を斜め下に落とすとか反則もいいとこだ。俺の顔をあんま見られたくないから俺は少し早足で部室をあとにする。

 

 

雪乃「ま、待ってよ!」ニギッ

 

 

八幡「っ………」

 

 

右手に温かさが襲い、体中が熱を持つ。いきなりとか反則にもほどがあるだろ………

 

 

雪乃「ふふっ」ニコッ

 

 

ほんと、反則だよなぁ………

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

八幡「じゃあな、雪乃」

 

 

雪乃「ええっ、また明日ね、八幡君っ」ニコッ

 

 

……………。

 

 

八幡「………」

 

 

雪乃「………」

 

 

……………。

 

 

八幡「か、帰らない、のか………?」

 

 

雪乃「あ、あなた、こそ………」

 

 

……………。

 

 

八幡「………」

 

 

雪乃「………」

 

 

……………。

 

 

八幡「………送ってく」

 

 

雪乃「い、いえ、そういう…わけ…にも………」

 

 

……………。

 

 

八幡「………」

 

 

雪乃「………」

 

 

……………。

 

 

八幡「………いや、このままだと多分俺たち学校から出れないからさ」

 

 

雪乃「そ、それも…そうね………」

 

 

八幡「そういうこと、だ」

 

 

雪乃「そ、そういう、こと…なら…その…お、お願い…するわ………」モジモジ

 

 

八幡「なら、とっとと行くぞ」プイッ

 

 

なんともお互い、考えることが同じなようだ。別れるということに、何か、寂しさというか、そういったものがあるのだろう。それに、雪乃としてはついこないだまでにたくさんのことがあったから、そういうのも影響しているんだろうな。

ほんと、かわいいやつめ。そんな意味をこめ、頭を撫でる。

 

 

八幡「」ナデナデ

 

 

雪乃「ふあぁぁぁ〜………」トロ〜ン




と、こんな感じにゆるゆるやっていきます。
ちなみに、原作で大きく影響した恋と選挙の依頼。無視します。そんな事実はこのシリーズにはありません。キリッ
あんな硬いの書いてたら私の身がやばいことになりますしね。仕方ないです、ごめんなさい。(-_-)
そもそもこのシリーズ、どこの時系列に入るのかわかってませんし、そういう説明もなかったと思います。フィーリングでよろしくお願いします。
今後も、お読みください。とても、嬉しいです。

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