記憶の片隅で   作:to110

13 / 35
完全に忘れてましたが、11話から第二部、という感じで理解のほど、お願いします。
最近お気に入りの爪切りが消えた筆者がおくる長編シリーズ第13話、では、どうぞ。


第13章 変わることはより難しいことだと気づく術はない。

雪乃「ふふっ」ニギッ///

 

 

めっさ嬉しそうなんだけど。どんだけ握りたかったんだよ。正直なところ嬉しいんだけどさ、雪乃がここまで嬉しくするのは。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

雪乃「こっちとこっち、どちらがいいかしら?」

 

 

八幡「うん、右のワンピースで」

 

 

雪乃「あら?あなたなら、どっちでもいいんじゃないか?、とか言うと思っていたのだけれど」

 

 

八幡「俺だって成長くらいはする」

 

 

そうだ。成長くらいする。だって小町に

 

 

小町「どつちでもいいっていうのは最悪だよ!どっちもよくても片方にしなさい」

 

 

ってしつけられてゲフンゲフン。言われてきたからな。まぁ実際言いますところ、左とかかなりの露出面積なんだもん。雪乃を人様に見せたくない俺としては断じて着させたくないわけだよ。やっぱ俺って独占欲強いな。

 

 

雪乃「じゃあこちらにするわ」

 

 

ここで、俺からみての右と雪乃からみての左が違うから〜なんてことにはならない。残念だったな!

 

 

雪乃「誰に向かって話ているの?」

 

 

八幡「お前はなんで俺の心を読んでんだよ」

 

 

雪乃「八幡君の考えなんてわかるものよ?それと………」

 

 

なんか一歩近づいてきたんだけど。無論、いやなわけではないがな。

 

 

雪乃「お前って呼びすぎよ。ちゃんと名前で呼んで」

 

 

八幡「お前そんなキャラじゃないだーーーーーーー」

 

 

雪乃「もう!呼んでよ!」

 

 

雪乃って付き合ったらこんなに変わるもんなの?いやかわいいからいいんだけどね。ん?俺も変わってね?

 

 

八幡「わ、わかったから落ち着け雪乃」

 

 

雪乃「わかればいいのよっ」ニギッ

 

 

ほんとに雪乃って呼ばれたいんだな。すごい笑ってる。………この笑顔は俺に向けられていいものなのか?そんな疑問が頭をよぎる。いや、そんなことは考えるべきではない。俺を選んでくれた雪乃に失礼だろう。

 

 

雪乃「どうかしたの?」

 

 

八幡「ぉん?いや、なんでもない。ちょっとした考えごとだ」

 

 

雪乃「彼女の隣で考えごと」プクー

 

 

八幡「いや、悪かった」

 

 

雪乃「私が隣にいるときは、私だけ見ていればいいのよっ」ギュッ

 

 

八幡「お、おい雪乃………」///

 

 

雪乃「なにかしら?」

 

 

八幡「ここがどこかわかってるのか?」

 

 

雪乃「ここ………は!」カァァァ

 

 

八幡「だから手を握るだけにしとけ、な?」

 

 

雪乃「ご、ごめんなさい」///

 

 

そう。雪乃は俺に抱きついてたのだ。いや〜ここが公共の場じゃなかったらもうね、最高だったんだけどね。ただ、ところどころから聞こえるんだよな。雪乃は美少女で俺はこんなやつだ。周りからどう思われるかなんてわかる。………ふぅ。こんなこと考えてばっかだな、今日は。さっきちゃんとけりをつけたはずなのに。

 

 

八幡「なぁ、俺の服、見にいこうぜ」ニギッ

 

 

雪乃「そうね」///

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

雪乃「これ着てみて」

 

 

八幡「お、おう」

 

 

うん、俺なら絶対に選ぶことがないような、いや、目に入ることすらないような服ばかりを着させてくる。これだけだと俺が嫌がっているようだが、実際のところは好奇心が強い。普段着たことのない服を着る。これだけで興味をそそる。楽しい。

 

 

八幡「買い物って楽しいもんなんだな」

 

 

雪乃「ふふっ。おかしなことを言うのね」

 

 

八幡「そうだな」

 

 

雪乃「じゃあ次はこれね」

 

 

八幡「さっきからすごい速度で着させてるけど、そんなに似合わないのか?」

 

 

雪乃「似合わない、わけではないのだけれど。その、あと一息ってところなのよね」

 

 

八幡「そういうもんか」

 

 

雪乃「そういうものよ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

雪乃「うん、これね」

 

 

八幡「こういうのが俺は似合うのか」

 

 

雪乃「少なくとも私からはそう見えるわ」

 

 

八幡「そうか………」

 

 

なんか引っかかる。なにが引っかかるんだ?これが初めての違和感ではない。それに、単なる勘違いだって十分にありえる。あまりにも不確定要素が多い。今の状態で解を出すのは俺の範囲外だな。

 

 

雪乃「それじゃ、帰りましょうか」

 

 

八幡「そうだな」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おっと〜、そこのお嬢さん。ちょっと待ちなよ。俺らと遊ぼうぜ〜」

 

 

………古っ⁉︎古すぎる。聞いてて恥ずかしくなる言葉だ。話かけられた人、内心かなり笑ってるだろうな。

 

 

「待てっつってんだろ!」

 

 

雪乃「きゃっ」

 

 

八幡「は⁉︎」

 

 

モブA「そんな男より俺らの方がいいって〜」

 

 

モブB「遊ぼうぜ〜」

 

 

もうやめとけ。モブとか出てるからさ。お前ら小物だよ。だいたいーーーーーーー

 

 

雪乃「八幡君、それ以上はだめよ」

 

 

八幡「おっとすまんすまん」

 

 

モブA「何話してんだよ!」

 

 

八幡「お前らは知らなくていいことだ」

 

 

モブB「なんだと⁉︎このやろう!」オラッ

 

 

雪乃「八幡君!」

 

 

八幡「ひょいっと」スッ

 

 

モブB「なっ」

 

 

八幡「よいしょっ」ヒョイ

 

 

モブB「ぐはっ」

 

 

モブA「な、あ兄貴!」

 

 

えっ?モブAの方が普通兄貴じゃね?

 

 

モブA「ち、ちくしょー」タタタ

 

 

なんなんだよ。こういう敵って逃げ足は早いものじゃないの?全然スピード出てないんだけど。

 

 

八幡「おい雪乃、大丈夫か?」

 

 

雪乃「ええ、あのモブA………じゃなくて、あの人、握力全然なくていつでも抜け出せたわ」

 

 

八幡「じゃあなんでずっと捕まってたんだよ」

 

 

雪乃「八幡君が触れてはいけないことに触れそうになったからそれを止めてたんじゃない」

 

 

八幡「あぁそうだったそうだった。すまんなほんと」

 

 

雪乃「別にいいわよ」ニギッ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

して、雪乃の家。

 

 

雪乃「ご飯作るわね」

 

 

八幡「いや、俺が作る。朝はやらせちまったからな」

 

 

雪乃「そう………なら、お願いするわ」

 

 

八幡「道具はテキトーに使っていいよな?」

 

 

雪乃「ええ、構わないわ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

雪乃「なかなかおいしかったわ」

 

 

八幡「そりゃあなによりだ」

 

 

雪乃「少し塩が多いかしらね」

 

 

八幡「ん?そうか。次からは考えておくわ」

 

 

雪乃「それで、なにして過ごそうかしら?」

 

 

八幡「なんでもいいんじゃないか?」

 

 

雪乃「そう………」

 

 

八幡「まだ一緒にいる以上は求めれる気がしないしな」

 

 

雪乃「そ………そう………」///

 

 

八幡「俺は雪乃のかわいい顔見てるだけで満足なんだが、雪乃はどうーーーーーーー」

 

 

雪乃「かわ………かわ………」ボンッ

 

 

八幡「やっちまった」

 

 

雪乃「かわ………いい………」 プシュー

 

 

うん、あれだな。これでやることができたな。雪乃の看病という名誉あることだ。




いかがでしょうか?
私としてはもう少し細かい描写が欲しいところ、と思っています。
今回もお読みいただきありがとうございます。
次もよろしくです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。