記憶の片隅で   作:to110

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思いを貫けますか?何があっても変えることのない信念を、持っていますか?今回はそんなお話。
更新時間についに間に合わなくなった筆者がおくる長編シリーズ第10話、では、どうぞ。


第10章 彼ら彼女らのまちがいは整いをみせる。

……………気まずい。風呂に一緒に入った時点で明らかにおかしかったのだが、お互いがお互いに意図せずに裸を見あったわけで。そんな経験をしたことのない俺としては非常にやばい状況なわけで。白く細い線で体を縁取り、スラっと長く、そして柔らかい四肢………やばい、記憶が鮮明すぎる。どんだけガン見してたんだよ。しかも今、なぜかいない小町。雪ノ下と二人でご飯を食べようとしているわけだが、彼女は真正面に座っている。んで、顔がまともに見れない。ご飯は俺が作ったわけだが、味付け間違えたな。今日に限っては、この味は薄い。

 

 

八幡「味、問題ないか?」

 

 

雪乃「ええ………お、おいしいわ………」

 

 

あれ以来、彼女の顔は赤いままだ。

 

 

八幡「なら…よかった…」

 

 

雪乃「あの………さっきは………その………あり………ありがとう………」

 

 

八幡「あ、あぁ………」

 

 

だめだ。喉が水分を欲している。早く与えなければなるまい。

 

 

雪乃「そ、それで………わ、私の………体………どうだった?」///

 

 

八幡「ブブーー」ケホッケホッ

 

 

むせた。喉がめっさ痛い。

 

 

八幡「き…きれい…だった…ぞ…」

 

 

なんで答えてんだよ!何やってんだよ!もうなんなんだよ………

 

 

雪乃「そ…そう………」///

 

 

照れるなら聞くなや。

 

 

雪乃「は、八幡君」ハイッ

 

 

 

 

八幡「え?何?」

 

 

雪乃「あ、あーん」///

 

 

八幡「な…あ…だ…か…な…た…」

 

 

俺は何を言っているんだ。

 

 

雪乃「」ウルウル

 

 

八幡「はぁ、わかったから」

 

 

その可愛い上目遣い止めてくれ。

 

 

雪乃「あーん」ハイッ///

 

 

八幡「あ、あーん………」パクッ///

 

 

雪乃「ふふっ」

 

 

あーもうなんで

 

 

「そんな可愛い笑顔をするんだよ」

 

 

??????

俺以外に人なんていたか?もういいよ。わかってるよ。この後の展開なんて。ていうか、このネタ何回目だよ。筆者頑張れよ。

 

 

雪乃「」ボンッ

 

 

雪乃「」プシュー

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

んで、まぁ気絶(?)した雪ノ下を俺の部屋のベッドに寝かせたわけだが………

 

 

雪乃「ぅん………んん………!んぅ!」

 

 

なんかとんでもない声を出している………意識するな、比企谷八幡。でも意識しなかったら男として負けな気がする。………襲う?なんてなんて選択肢が一瞬頭をよぎる。俺も冷静さが欠けてきてるな。

 

 

雪乃「………八幡、君?」

 

 

八幡「おお…目覚めたか」

 

 

雪乃「そのようね…

八幡君、狙ってるの?あんな…その…言葉…」

 

 

八幡「あぁ、あれか。悪い、言葉にするつもりはなかったんだが。まぁあれだろ、心の声が漏れる?みたいな………」

 

 

言っていて気づいた。これだめじゃん。悪手じゃん。

 

 

雪乃「心の………声………」フワフワ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

雪乃「八幡君、今日も一緒に寝て?」

 

 

八幡「え?何だって?」

 

 

雪乃「一緒に寝て?」

 

 

こいつ、あれを知らないのか?友達少なくないの?この魔法の言葉使ったら言い直しはだめなんだよ?でもこいつ、ラノベとかアニメとか見なさそうだもんな………

 

 

八幡「いやだ」

 

 

雪乃「お願い」ウルウル

 

 

八幡「わかった」

 

 

おい!なにしてんだ!思考と口がまったく噛み合ってねぇぞ!俺の体なんだから思考にあわせろよ!勝手なことするなよ!でも俺ぼっちだから勝手なこといつもしてた。テヘッ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

雪乃「八幡君」

 

 

八幡「なんだ?」

 

 

雪乃「あなたのことが、比企谷八幡君のことが好きです。私と、付き合ってください」

 

 

………答えるのが筋なのだろう。はぁ………

 

 

八幡「………ごめん。お前とは、付き合えない」

 

 

雪乃「好きな人、いるの?」シクッ

 

 

八幡「ああ…」

 

 

雪乃「その人、どんな人?」シクッ

 

 

八幡「………優しい不器用なやつ、だ」

 

 

雪乃「………そう」シクッ

 

 

八幡「だから、ごめん」

 

 

雪乃「うっ………ん………ヒクッ………ヒクッ………」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

雪乃「八幡君、私ね、あなたとの記憶、戻る。これは確信よ。だから、一度、雪乃って呼んでくれないかしら?」

 

 

八幡「わかった。雪乃」

 

 

雪乃「あり………がと………」シクッ

 

 

そう言い、抱きついてくる。俺はそれを、受け止める。ここで俺はようやく、俺の思っていた責任という言葉の意味がわかった、気がする。

 

 

雪乃「八幡君」

 

 

八幡「なんだ?」

 

 

雪乃「ありがとう。それから、おやすみなさい」ニコッ

 

 

それとさようなら。雪ノ下は小さな声で、弱々しいその声で、その言葉を放った。

 

 

八幡「あぁ、おやすみ」ナデナデ

 

 

雪乃「ふふっ。いつもならここでプシューってなるけど、今日は寝るまでやってもらうわよ?」

 

 

八幡「ふっ。ああわかった」ナデナデ

 

 

雪乃「それと、私からのプレゼントよ」

 

 

雪ノ下は近づいてきて、それでーーーーーーー

 

 

雪乃「ん」チュッ

 

 

八幡「ん⁉︎」

 

 

雪乃「ん………ぅん………」

 

 

八幡「ん………」

 

 

十秒くらいだろうか。そのくらい経って雪ノ下は離れていった。

 

 

雪乃「最高のプレゼントでしょ?」ニコッ

 

 

八幡「今までの中では、な」

 

 

雪乃「八幡君は相変わらずね」プクー

 

 

八幡「相変わらず?」

 

 

雪乃「つまり、そういうことよ。少しずつ、思い出してるっていうことよ」

 

 

八幡「そうか………」

 

 

雪乃「改めて

おやすみなさい」ニコッ

 

 

八幡「おやすみ」

 

 

そこで俺は止めていた撫でを再開。

 

 

八幡「」ナデナデ

 

 

雪乃「」♪

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あら、珍しい生物がいるわね」

 

 

なんだこの目覚まし時計は………

 

 

「いい加減起きなさい。時間もわからないの?」

 

 

時間………?今日は土曜だぞ………

 

 

「いいから起きなさい!」

 

 

八幡「はい!」

 

 

なんだ?この返事の良さは。小学生でもこんな返事したことねぇぞ。

っと、まぁ俺は自分のベッドにいることは容易に確認ができ、目の前に美少女がいることもわかる。が、昨日とは違う顔だ。正確にいえば雰囲気が違う、となるのだろう。昨日のような柔らかさの代わりに澄んだ冷静な、落ち着いた雰囲気だ。

 

 

雪乃「ようやく目を覚ましたわね、比企谷君」

 

 

八幡「比企谷、君?」

 

 

雪乃「あら、自分の名前もわからなくなってしまったのね」

 

 

比企谷君、か。えらく懐かしい気がする。今目の前にいる雪ノ下雪乃が、俺の知っている、そして俺を知っている。

 

 

八幡「なぁ雪ノ下」

 

 

雪乃「なにかしら?」

 

 

八幡「ここ数日ってどうしてた?」

 

 

雪乃「あら?奇妙なことを聞くのね」

 

 

八幡「すまんな」

 

 

雪乃「あなたと一緒にいたわよ。あなた、ついに記憶までおかしくなったのね」

 

 

覚えているのか。よく記憶喪失中のことは覚えてないっていうけどな。

 

 

雪乃「そ、それから………その………」

 

 

八幡「ん?」

 

 

雪乃「その時のことは、その………お世話になったわね………」

 

 

八幡「あ。まぁ気にするな」

 

 

雪乃「そうよね。あなたは特をしたものね」

 

 

八幡「なんの話だ?」

 

 

雪乃「だって私の裸見れたじゃない」

 

 

八幡「な………あ、あれは………

べ、別にそんな見てたわけじゃないんだし………」///

 

 

雪乃「ならしっかり見せてあげるわ」スッ

 

 

八幡「なん………」

 

 

服を脱ぎ始めた雪ノ下。どうしたの?てか、どうすればいいの?

 

 

雪乃「どうかしら?」

 

 

ほんのり顔を赤く染めて、しかし堂々と、雪ノ下雪乃は俺の正面で座っている。………あのー俺が無理なんだけど。

 

 

八幡「どうって言われてもな。きれいとしか………」

 

 

雪乃「そ、そう………ありがとう………」///

 

 

八幡「んで、お前はなぜ脱いだ?」

 

 

雪乃「あら?相変わらず鈍感ね。というより、私の告白を振るだなんて、身のほど知らずもいいところだわ」

 

 

八幡「いや、だってあの時のお前はーーーーーーー」

 

 

雪乃「なら、今の私の告白ならどうかしら?」

 

 

八幡「は?」

 

 

雪乃「コホン。

私、雪ノ下雪乃はあなた、比企谷八幡のことが好きです。私と付き合ってください」

 

 

八幡「……………あぁ。俺もお前のこと、雪ノ下雪乃のことが好きだ。俺と付き合ってくれ」

 

 

雪乃「ごめんなさい。やっぱり付き合えないわ」

 

 

えーーーーーーーー⁉︎

俺めっちゃ恥ずかしいんだけど⁉︎

何?俺これからどう生きていけばいいの⁉︎

 

 

雪乃「私はやらなければいけないことがあるわ

…………………………………」

 

 

ためを作る、とかもうどうでもいいや。死のう。俺、明日になったら死ぬんだ。これ死亡の失敗フラグ?もうわけがわからないよ。

 

 

雪乃「比企谷君、ごめんなさい。事故のこと、それからそのことで比企谷君が咎めもなしに受け入れてくれて。私は…しっかりと…けじめを…つけておきた…かったの…」ポロポロ

 

 

そういえば今回の根元、いや、根元は助けられなかった俺なんだけど。二次災害?とでもいうのか、それの解決をしてなかったな。

 

 

雪乃「比企谷君、こんな私で、あなたに甘えてばかりの…私…だけど…付き合ってください」ポロポロ

 

 

八幡「もちろんだ。そんなことわざわざ気にするな」スッ

 

 

雪乃「うっ………シクッ………んっ………」ポロポロ

 

 

八幡「よしよし」ナデナデ




これで最終話にしようかな?どうしよう。だれかコメントくれるかな?続きは作れるけど、これで締めでもいい気がするんですよね。それに関するご意見、お願いします。

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