コードギアス反逆のルルーシュ Children in succession to will   作:ラムネ便

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R2が終了!さあ次はどうするかな。


始まったそれぞれの生活

夜は雨になった。スカアハや病院で治療を受けたシャーリーは裏切り者と魔王の烙印を押された墓石の前に立ち花を供えている。傘をさしただボーッと見て目を閉じると数秒間止まり帰っていった。彼女の姿が見えなくなった頃二人の影が現れた。スコップを持ち墓石の下を掘り下げると皇帝の服を着たまま棺桶に入れられたルルーシュがいた。一人の男が彼に薬を飲ませると彼は目を覚ましゆっくりと起き上がる。

 

「こんばんは。調子はどうだい?今はお前が殺された日の真夜中だよ」

 

「まさか仮死剤を使うとはな。見上げた実力だ」

 

「オーキス当主。君は一体どこでこれを?」

 

「元々諜報活動で必要なものを改良しただけさ。仮死剤で死んだようにして剣はペラッペラの玩具。しかも刺したのは血糊で刺した側の大衆は皆シンフォニーだから問題はない。あとは蘇生剤で復活するだけということだ」

 

「で?ここまでして何故俺を生かす?」

 

「ルルーシュ。お前は死んだんじゃない。蘇ったんだよ。彼女の目的を果たす為に」

 

「彼女?」

 

「ルルーシュゥ?」

 

「その声は・・・シャーリー⁈」

 

「本当ナイーヴだよねルルーシュは!やりたいことは分かるけど私との約束を疎かにしちゃ駄目よ!」

 

「約束?」

 

「私とのデート!一つは終わったけど二つめがまだ終わってない!次から潰したら私が・・・」

 

「分かった分かった。だが服装がこれでは」

 

「ほれ。持ってきたぜ。ルルーシュ・ランペルージでいいんだろ?」

 

「あ、ああ」

 

「スザクは暫くゼロとして活動するがお前は身分が辛いだろう?だから新しい住所を用意した。なに、金の心配なら要らんぞ。全てお前の報酬から払わせてもらったからな。敷地もシンフォニーが買い占めた郊外だ。安心して暮らせ」

 

「ルルーシュ。君は全て失った。だから今から作っていくんだ。ブリタニア皇帝の魔王としてではなくルルーシュ・ランペルージとして」

 

「じゃあな。スザク。いくぞ」

 

「それじゃルルーシュ。もう一人も頼んだよ」

 

「もう一人?」

 

スザクとオーキスはそう言って近くにあるKMFで移動してしまった。近くの道ではジェレミアが車にカレンを乗せて待機。二人で取り合いが起きたらしいが彼のその先は知らない。ジェレミアは手元に残った大金で柑橘農業とルルーシュの支援を行い忠誠を誓った。他のナイトオブラウンズ達やブリタニア兵はナナリーを守るエリート騎士団として黒の騎士団に入るか本国へと帰り囚われていた技術者達は残留するロイド派と私立の設計局を立ち上げるラクシャータ派に分かれた。ニーナはロイド派に行き他はラクシャータ派の私立設計局へと移る事となる。ナナリーは大統領に就任。ブリタニア本国でルルーシュが行った貴族制廃止による効果でナナリーが危険に及ぶ事は少なくなった。スカアハで治療を受け復活したギルフォードはオーキスに礼を言ってスザクの妻であるユーフェミアの下につき教育係をする事となった。キシはE.Eの黄昏の間のゲートによりナナリーとともに帰り向こうの世界でPMCを開業。C.Cは暇になったのでE.Eの住むシンフォニーの基地内で過ごしている。そして一番気になるシュナイゼルはナナリーから分けてもらった餞別で声優として就職した。ウケがいい人気の声優らしく元次期ブリタニア皇帝という肩書きがあるので味方・悪役関係無しに皇帝役をする事が多い。こうして彼らの戦いは幕を閉じたのであった。

 

 

場所は東京。魔王ルルーシュが討たれてから3年後の日本は扇内閣が発足。平和な国を築き上げていた。サクラダイトが掘り尽くされたトウキョウの郊外では巨大な施設が建てられシンフォニー日本支部として活動している。その広さは東京ドーム3個分。異例の広さをオーキスが買い占めた理由は”自分が過ごした家を取り込む”というものがあったからだ。ついでに言えば廃棄された採掘場なのでサイクル式になっており巨大なスカアハを収容するにはとても良い条件だったからだ。その敷地内ではルルーシュ達もいる。

 

「よぉ。元ブリタニア皇帝サマ」

 

「その呼び方は止めろと言っている」

 

「休みの日なんだから子供と遊びに行ったらどうだ?俺なんか昨日遊園地行ってきたぞ」

 

「二人も側室が居ては家計が火の車でな。確かに新型KMFの設計は良い支払いだが少々キツくて中々行けない」

 

「せめてラファーエットとユウカと遊んだらどうだ」

 

「いや・・・と言ってもいるんだろ?」

 

「ご名答」

 

オーキスの後ろにいたのは茶髪のルルーシュ似の少年と赤みがかった髪の少女。二人ともお父さんとルルーシュを呼んで足元に抱きついていた。二人を持ち上げると膝の上に乗せて遊び始めた。ルルーシュの机の上に広がる設計図を見ると頼んである新型の工事用KMF以外にバイクの設計図もあった。

 

「なあルルーシュ。これは・・・」

 

「ああ。ロイドに頼んで民間用にまで推力を減衰させたフロートユニット式のバイクだ。エナジーフィラー駆動だがゲフィオンの効果は受けないよう設計してある。再充電も可能だから早い内に提案しようと思っていたんだが」

 

「こいつは採用だ!売り上げの8割はお前に渡すから売り込んでみよう。いいねぇ。まさに軍事の平和利用だ」

 

「おとーさんバイクつくったの?わたしにちょうだい!」

 

「はいはい。成長したらユウカにバイクをあげるからそれまで我慢しような」

 

「はーい」

 

「コイツの名前はどうするんだ?」

 

「まあ・・・フロート・バイクかな」

 

この後バイクは従来のタイヤ式よりも安全かつ関節駆動部のゴムの交換だけで済むようになるので大量に売れた。もちろん特許もとり日本のバイクはリヴァルのような旧式愛好家のみがタイヤ式にしておりほとんどがフロート・バイクを使うようになっていった。さらにアッシュフォード家から報酬として貰ったオーキスの愛馬デンドロビウムはルルーシュにも乗りこなせるようになり乗馬場でよくカレンやシャーリーを乗せている。あれからシャーリーとカレンが一応仲は良くなったらしいが未だに取り合いが激しいらしい。ユウカは紅月優香として日本国籍をとりラファーエットはラファーエット・ランペルージとしてブリタニア国籍をとっている。イザコザが消えた今気にする必要など無くなったからだ。

 

「スザクはどうしている?」

 

「スザクならしっかりとゼロとしてやっているよ。ただユフィの愛妻料理を食べ過ぎて少し太った」

 

「元気にやってるならそれでいいんだ」

 

「おとーさん昔なにしてたの?」

 

「ん?お父さんはな・・・」

 

ルルーシュの昔話が始まりユウカ達は興味津々で聞いていた。オーキス達に助けられてきた事や最終的に死んだ事になっている事まで話した。その頃ジノは再びスザクの家で酒を飲んでいた。

 

「ジノ・・・いくら暇だから言って飲み過ぎだ」

 

「気にすんなって。もうトリスタンはないからやる事ないし暇なんだよ。やる事と言ったら一つ。生放送に限る!」

 

「生放送?」

 

「つー訳でおはこんばんちわ!生放送のジノ君だよーん。今日はゲストとしてイケメン騎士をお呼びしてまーす!」

 

「ジノ⁉︎」

 

いつの間にかテレビにはゲームがセットされ日本で静かな丘と呼ばれるゲームを始めていた。ジノは完全に酔っ払った状態でプレイをしているがスザクは急に現れるドッキリ要素に衝撃を受けて同じゲームをプレイするようになった。ユフィはユフィで髪を切り二人の子育てをしている。ルルーシュとはまだ連絡を取っておりシュナイゼルは声優が忙しくて音信不通らしい。こんな平和な世界をルルーシュは望んでいた。そして世代は交代する事となる。

 

R2 終わり

 


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