コードギアス反逆のルルーシュ Children in succession to will   作:ラムネ便

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コードギアスR3なんてでたら面白そうですねぇ、、


フレイヤ

発表が終わると同時に艦が揺れた。大した揺れではないが操縦室に駆け足で戻っていくオーキス達。ナオト達KMF隊員は格納庫に行き各々の機体に搭乗。機体OSを起動して出撃準備を整えた。操縦室では警報が鳴り響き緊張感を増していく。オーキスとナヴィスは昇降式司令席に座った。

 

「動力緊急再起動!急速発進!オールタンクブロー!」

 

「ここを感づかれたか!だが一体誰が、、」

 

「敵は水中KMFシリーズ!目標数四!」

 

「ベイリン!ピンガーを発射!敵の位置を!」

 

数々の魚雷を装甲と障壁で防御しながら急速上昇を始めるスカアハ。その巨体は的にしかならないので急いで空中戦闘に持ち込まなければならない。水中ではKMFやMSすら出撃させるのは不可能だ。

 

「敵位置特定!空母一!護衛二!潜水一!」

 

「左舷より接近物!コレは、、」

 

「大型誘導魚雷です!計八本接近!」

 

「弾幕を張れ!七番多弾頭発射管解放!F-ADCAP発射!」

 

「四番、六番通常弾頭管注水を開始しろ!H-MD発射!」

 

急速に上昇していくスカアハに潜水艦が接近。最悪な事に中身は無人。つまり敵はスカアハに特攻させるつもりでその海域に配置したのだ。一番嫌なのは弾頭がフレイヤである可能性がある事。無人であるところを生かした素早い動きでスカアハに接近していく。

 

「いい腕してやがる、、」

 

「オーキス!そんな悠長な事を言ってる場合か!」

 

「分かってる。ユフィ!アップトリム75!動力最大!全速前進!総員身近なものに掴まれ!海上まで急上昇!EMP弾頭用意!」

 

「深度40..25..15..10..9..突破します!」

 

海から出てきたスカアハは空に上がると艦後方に設置されたミサイル発射管を二つ解放しEMP弾頭の音響魚雷を海に叩き込んだ。空母からはフロートユニットを装備したKMF部隊がスカアハを取り囲む為に攻撃を開始。スカアハは障壁のエネルギー密集率を高め高威力弾頭に備える。

 

「KMF接近!数は3!」

 

「オーキスより各機に告ぐ!自由落下で出撃!迎撃戦だ!鳥になって来い!」

 

『了解!チームデルタ出撃!』

 

「位置は四時の方向2500m先!護衛艦が空母付近にいるはずだ。ミサイルに注意しろ」

 

ナオトを隊長とする重機動部隊がカタパルトルームから自由落下で出撃していく。ブルーウルフシリーズ、幻月X、レッドフレーム、バンシィ、サバーニャの計六機が青い空に舞い上がる。

 

『敵は空母にKMFを常駐させている筈だ!フロートユニットの燃費は良くない。各個撃破で追い詰めるぞ!』

 

『バンシィ了解』

 

『レッドフレーム了解』

 

『ブルーワン了解』

 

『幻月了解』

 

『ブルーツー了解』

 

スカアハを取り囲んでいた機体を全て撃破したデルタ部隊は近くの海域に空母を確認した。フロート式の機体を大量に持ち込みこちらに向かってミサイルやハドロン砲を浴びせて来るがスカアハに格納されている全ての機体はIフィールドと電磁パルスによるバリアを搭載している。当たったところで損害はない。

 

『敵機六機確認!空母を死守しろ!』

 

『ハドロン砲効果無し!実体弾に切り替え!』

 

沢山の砲弾の光が見えてくるなか、飛行中の味方にすら当ててくる空母のKMF隊。シールドビットを展開してバリアのエネルギーを温存するナオトはバンシィが前に出た瞬間ビットを戻した。他の五機も離れていく。

 

『黒金さん』

 

「どうした?」

 

『初弾で決めてください』

 

「了解」

 

バンシィが背中から出したのはビーム・マグナム。盾の方向を変えて邪魔をしないようにし、照準機を構えたバンシィは艦橋にいるKMFを目印にしてビーム・マグナムを撃ち込んだ。

 

「沈め」

 

大きな爆発を起こしながら沈んでいく空母。一撃だけハドロン砲が飛んできたがバンシィのIフィールドが相殺してスカアハのチームには一切の損害無しで戦闘は終了。周囲にいた護衛艦も黒金が空母に放ったビーム・マグナムの餌食となり強大な熱量に耐え切れず蒸発している。

 

『各機に連絡。敵KMFの一部を回収しろ。敵勢力の確認を行う』

 

「「了解」」

 

水平位置に戻したスカアハからキシの搭乗したピークォードが飛ばされデルタチームと共に撃墜したKMFの残骸回収を行わせた。数時間後回収が終了して損害が少ない機体一機をヘリとブルーウルフで吊り上げながらスカアハへと輸送。物資搬入甲板のハッチを開放してタキセの指示で機体を慎重に降ろしていく。

 

「オーライ!オーライ!」

 

『この位置でいいか?』

 

「ああ。キシ、ユウ、ニムバス。回収ご苦労」

 

ヘリと重機動部隊は別の格納庫に入りしっかりとワイヤーと固定具で固定された順からコックピットを降りていくナオト達。物資搬入甲板はハッチが閉まると同時に床が降下してオーキスのいる物資搬入口で固定された。

 

「タキセ。どう見る?」

 

「さあ、、見たところフロート式の機体としか言えない。コックピットが無傷だがサザーランド自体密閉率がいいわけではないからパイロットが生きてるかどうかは不明。ということで、、」

 

タキセは近くに置いてあったショートバレルの軽機関銃をオーキスに手渡しタキセ自身はアサルトライフルを肩にかけるとサザーランドの頭部ユニットに登ると頭部の回路を強制的に開き端末に接続してコックピットを開こうとするが開かない。

 

「ちっ。ブラックボックスの入力プロトコルが破損してやがる。オーキス司令。すまないがこれは」

 

「物理的破壊手段のみ、、か。サザーランドのコックピットの耐久性は?」

 

「C4でも仕掛ければパイロットごと消し飛ぶ」

 

「仕方ない。レーザーカッター用意」

 

レーザーカッターでゆっくりとコックピットの壁を切断していく。最後まで切断して壁を取り払いコックピット内部を見るとそこには宇宙服のようなものを着用してヒトの形をしている。マジックミラー式のフェイスを使用しているので息があるかどうか分からない。そもそも人間かどうかすら不明なのでオーキスはスタンドでパイロットを引っ張り出して軽機関銃を頭部に向けた。

 

「さてと、人か機械か。どちらがあってるのかやら」

 

ヘルメットを少しだけ回して外すと首の頚椎辺りに謎の機械を装着して気絶している女性パイロットがいた。コックピットには水が半分まで浸水しており周りの機器は全てショートしている。ブラックボックスがイカれたのも恐らく頭部ユニットに浸水してしまったからだろう。雨や生活用水ならば防水出来るのだろうが海水は別だ。首につけている小さい機械は直接人体に装着されコードは宇宙服に繋がっている。

 

「人体に機器を直接装着するとは、、」

 

「分かるのはクレアだけだな。クレア!」

 

『ん?何かあったの?』

 

「鹵獲したサザーランドから女性パイロットが出てきた。シャーリーとかいう奴と同じ集中治療室に搬送出来るか?」

 

『別に大丈夫だけど、、どうする気?』

 

「検査する」

 

『その前に、その人生きてるの?』

 

「頸動脈に異常なし。息はしている。意識はないが顔色は悪くない」

 

『なら集中じゃなくても大丈夫よ?』

 

「頚椎に機器が装着されている。下手に触れん」

 

『頚椎に?ちょっと待ってね、、』

 

内線にガサガサと雑音が入り混じり色々クレアの独り言が聞こえてくる。数分程待っていると更に大きい雑音の後にクレアの声が聞こえてきた。大きすぎるのでオーキスは一瞬無線機を外したが直ぐに付け直した。

 

『えーと、頚椎に機器よね?それは最近開発された耐圧スーツに装着する為の機器よ。内部には薬品投与も可能だからパニック障害の人にも使われているようね。ただし!人体にあまりいいとは言い切れないわ。それのシリアル番号は?』

 

「EA3500」

 

『なら簡単に取り外せる人体間接タイプよ。外しても構わないわ』

 

「了解、、クレア。ありがとう」

 

『御礼はガトーショコラよ?下手なもの作ったら承知しないから!』

 

「り、、了解、、」

 

無線を切ってため息をついたオーキスは頚椎の機器を外すとパイロットの目が開いた。タキセはアサルトライフルを頭部に向けた。しかしオーキスはタキセが向けた銃を下ろさせた。パイロットはゆっくりと立ち上がり宇宙服の背後にあるロックを自動で解除した。内部の服はブリタニア軍の服を着ている。

 

「ふぅ、、死ぬとこだったわ。で?ここは?ブリタニア軍の指揮戦艦?」

 

「君は何者だ?」

 

「人に名前を聞く時は自分からって知らない?」

 

「、、、俺はシンフォニー傭兵師団当主。オーキス・シンフォニー」

 

「そう。私は元ブリタニア軍ヴァルキリエ隊所属。ラン・エニード。よろしく」

 

「ああ」

 

手を出してきたので握手するのかと思いきや、その手を掴みとられ思い切り背負いなげされるオーキス。しかしその動きを利用してエニードを倒した。

 

「へぇ、、いい動きするのね」

 

「生憎、元々ブリタニアの部隊にいたからな」

 

暫く睨み合っていた二人。しかしナオトが入ってきた瞬間状況は一変した。

 

「司令。あの部隊について報告、、が、、、」

 

「、、ナオト?もしかしてナオト⁉︎」

 

「司令、、そいつから手を離さないでください」

 

「ナオトォォ!」

 

エニードはオーキスの手から逃れてナオトに思いっきりタックルを食らわせた。そのまま倒れこむ二人。ナオトはあまりの衝撃に気絶したがエニードだけはナオトにスリスリと顔を擦り付けていた。先程までオーキスをCQCで倒そうとしていた彼女とはまるで違う。エニードは抱き締めているがナオトは全く気付いていない。落ちていたナオトの報告書を拾い上げタキセに渡したオーキスは彼らを後に甲板から出ると早足で廊下を歩き始めた。

 

「タキセ!エンブレムについて簡潔に報告書を読め!」

 

「は!敵部隊のエンブレムはブリタニア軍ではなくギアス卿団のものと判明。あの機体以外は全て無人機。以上!」

 

「ちっ、、ギアス卿団が絡んでくるな、、」

 

「どうする?」

 

「決まっている!ギアス卿団の今の本拠地が潰れた以上別の本拠地を探すしかあるまい」

 

『オーキス!ブリタニアから救援要請!場所は東京租界!』

 

「了解した」

 

『各パイロットに告ぐ!緊急出撃準備!目標は東京租界!』

 

スカアハが東京租界へ方向を変えて進み始めた。キシはE.Eに頼み込んで急造でガンダム試作二号機を作成してもらい大型ラジエータ・シールドも作成。キシは幻月ではなくガンダム試作二号機に搭乗した。

 

「ブレーン!東京租界までの距離は?」

 

「約79km!到着予定時刻は1958!」

 

「4時間のロスか、、ユフィ!トランザムを起動!」

 

トランザムを起動したスカアハは途轍もない速さで東京租界まで飛んでいく。各パイロットはナオト以外全て配置につき各機起動開始。そして1時間半で東京租界上空に到着したスカアハはカタパルトルームよりブルーウルフ、ガンダム試作二号機、バンシィ、レッドフレームが出撃した。

 

『各機に通達!いいか!敵は黒の騎士団!くれぐれも味方のブリタニアを攻撃するなよ』

 

「「了解!」」

 

既に東京租界上空は乱戦となっておりゲフィオンディスターバーを破壊したブリタニアが少しだけ黒の騎士団を押している形になっている。中にはあの紅蓮弐式聖天八極式が空を可憐に舞っている。その速さに追いつけないKMFばかりで現在は無双状態にある。シンフォニーの部隊はそれぞれコックピットを極力狙わずに撃墜していく。そして黒金が操るバンシィと藤堂が駆る斬月に鍔迫り合いが始まった。

 

「藤堂ォォォォォォ!」

 

「黒金か!」

 

互いに機体を蹴りバルカンを放ちそれを互いに回避し、そして再び鍔迫り合いになった。

 

「日本を捨てた貴様に話す舌などは持たん!」

 

「いつまで減らず口を!」

 

ビームマグナムも持ち出して斬月の片腕と頭部を破壊したバンシィは周囲にビームバルカンをばら撒いていく。輻射波動弾を電磁パルス・ガードで弾き敵を倒していく。キシはラジエータシールドを傷つけない様に攻撃していく。そしてシールド内部に装着された大口径ビームランチャーを発射した。

 

「ソロモンよ!私は帰ってきたぁぁ!」

 

レッドフレームやブルーウルフも応戦している中で一機の機体が光を出しながら飛んでいく。オーキスのエクストリームガンダムだ。アイオスを飛ばしながら高純化兵装”エクリプス”を起動して高速戦闘を行った。別の空域では紅蓮が間に合わずヴァルキリエ隊により蜃気楼は撃墜。ルルーシュは脱出したものの見つかるのは時間の問題であった。

 

『ゼロを撃墜した!探せ!』

 

「蜃気楼が敗れるとは、、っ⁈」

 

一瞬の頭痛の後にルルーシュの顔が変わりある方向に向かって走り出した。

 

「やらなきゃ、、僕が、、」

 

急に止まりある巨大な倉庫を見上げた。倉庫の扉を開き布切れで被されている機体を出す。そこには青い羽とフレームが金色に輝く機体がワイヤーに固定されている。ルルーシュはコックピットに乗り込みOSを起動した。

 

「ジェネレーター起動確認。第二第三動力源起動確認。ドラグーンシステム起動確認。自動平均値を確認。システム全てオールグリーン」

 

パイロットが乗りメインカメラが光る。フレームが金色に光り出し羽からはプラズマ粒子が出た。自由の鐘を叩く機体は主人を手に入れ東京租界の上空に舞い上がった。

 

「ストライク・フリーダム、キラ・ヤマト!出撃します!」

 

ストライクフリーダムは再びヴァルキリエ隊に突撃。あの蜃気楼を撃墜したナイトオブテンも未だにいた。

 

「性懲りもなくまた来たかぁ?ゼロぉ!」

 

「討ちたくない、、討たせないで」

 

ストライクフリーダムはビームライフルを重ねて高出力ビームモードにしてナイトオブテンに発射していく。しかしことごとく回避され間合いに入られた。ビームサーベルを出して槍状の武装と鍔迫り合いになった。

 

「ヴァルキリエ隊は周れ!ゼロを再び仕留める!」

 

「「了解!」」

 

「止めないんだね、、なら僕は君達を、、討つ!」

 

羽からドラグーンが飛び出しヴァルキリエ隊の頭部ユニットを全て破壊した。さらにナイトオブテンから間合いを外してドラグーンシステムによる攻撃を絶やさない。

 

「クソが!小賢しいんだよ!」

 

再び槍状の武器で狙うナイトオブテン。一直線に来たKMFをルルーシュは腹部に装備されたカリドゥス複相ビーム砲にドラグーンとレールガンを一斉発射した。勿論盾は耐えきれず槍状の武器は溶解。ナイトオブテンのKMFは完全に破壊された。そしてランスロットは紅蓮に追い詰められ遂にフレイヤを発射。未だに操られ機体の一部が損傷しているギルフォードをキシがふきとばしシールドに内蔵された八つの大型ラジエーターを起動。キシ以外は退避して残ったのは逃げ遅れた人間か撃墜された機体だけになった。

 

「さて。頼むぜラジエータ・シールド、、フレイヤ暴発まで3...2...1...!」

 

続く!


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