桔梗の娘   作:猪飼部

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*これからあなたがお読みになろうとしているモノは、間違いなく真・恋姫無双の二次小説です。
 通常、恋姫二次ではあまり目にしない要素と出会うかもしれません。ご注意下さい。


第十九回 御遣上洛

 巴郡太守執務室。郡堂の奥、広い間取りを圧迫する書類棚に詰め込まれた竹簡の山と、それに対抗しようとしてし切れていない慰みのような調度類に挟まれた一室。太守が邸の自室よりも多くの時間を過ごす羽目となっているその部屋に、北郷一刀と李典(りてん)(*193)、字を曼成(まんせい)は呼び出されていた。

 何度か足を踏み入れた事はあるが、何度来ても一向に慣れる気がしないのは、何となく校長室を連想してしまうからだろうか。その割に部屋の主は校長的なイメージとは程遠い人物である。部屋の印象とその住人のイメージが懸け離れているのは、やはりそういった事務仕事が似合わないからだろうか。と一刀は僅かに身動ぎしながら、目の前の執務机の向こうに泰然と座る巴郡太守厳顯義と顔を合わせていた。

 

「俺達が洛陽に、ですか?」

「うむ、娘に祝いの品を届けてもらいたくての。引き受けては貰えぬかな?」

「そりゃ、構いませんけど、なんで俺なんです? その、お嬢さんとは面識もないし……」

「そら、一刀はんはウチなんかと違ごて仕事もなく暇人やしな」

「う……、でもその真桜も洛陽行きを俺と一緒にお願いされてるじゃないか」

 

 からからと笑いながら茶々を入れる曼成に、苦し紛れに突っ込みを入れる。すると、いきなり真剣な顔で顯義に詰め寄る曼成。聊か必死だ。

 

「そこですわ、桔梗様。豪天砲の改良もまだなんに、まさかもうお役ご免なんて事言わんでしょ?」

「当然じゃ。とは言え、豪天砲は現状でも十分満足しておるぞ。改良についてはそれ程急いではおらん」

「ありがたいお言葉ですけど、あれには未だウチの魂とも言える螺旋の力が篭もっとらんのですわ。言わば、まだまだ未完成! 一刀はんの“ひんと”を実装したその時こそ! 豪天砲の真の姿となるんですわ!!」

「う、うむ、お主の意欲と熱意は良く分かった」

 

 熱く語る曼成に対し、やや引け気味の顯義であるが、その仕事ぶりに感心しているのは本当だった。

 当初、曼成が顯義の元にやって来た時、顯義は趙子鷹から腕の良い武器職人が見付かったと聞いていた。しかし、曼成は招聘されたと思い遠く益州まで来ていたのだった。それを知った顯義はまさか自分の武器を作らせる為だけに仕官させるわけにもいかず、取り敢えず兵器の管理と開発を任せる事にした。すると、曼成はあっという間に結果を出した。弩の改良や、盾の改造、攻城兵器の開発、更に天の御遣いと交流しだしてからはそれが加速した。

 おまけに武もそれなりのものを持っていた。娘や弟子ほどではないにしても、経験を積ませれば一軍を任せても良いと判断できるほどだ。

 これほどの人材を手放すなどあり得ぬ事で、軽口とは言え、お役御免などととんでもない話である。

 

「お主に任せたいのは二つ。まず、一刀の護衛。そして、洛陽――中央の様子を見て来て欲しいのよ」

「中央の情勢、でっか」

 

 成る程、と口の中で呟いて、曼成は暫し考え込むと、徐に大きな胸に手をやり「ほな、この李曼成にお任せください!」と快諾した。

 こうして、はぐれ天の御遣い・北郷一刀は李曼成を伴なって上洛する事となった。

 

 

 ――――

 

 

 第十九回 御遣上洛

 

 

 

 何かが誰かを呼ぶ声が聞こえたような気がして、一刀は目を覚ました。

 

 暗闇の中、見知らぬ部屋で目覚める。二度目の体験だが、最初の時は朝方だったな。と、寝ぼけた頭でぼんやり思考する。見慣れぬ異国情緒あふれる調度品で彩られたあの部屋も、今ではそれなりに慣れてきていた。

 部屋の雰囲気は似たようなものだが、やはり違う部屋だ。夜闇よりもなお黒々とした影の山にしか見えないが、部屋の調度類が仮の自室と違う事は判別がつく。

 自分が何処に居るのかが解からなくなっている事を自覚するが、焦りは覚えない。それよりもまだ寝惚けてるんだな、という意識が働いた。

 頼りない視界に見慣れぬ場景。すん、と鼻に感じる匂いも憶えのないものだ。それ程鋭敏な感覚を持っているとは思っていない自分の嗅覚までもが、馴染みの無さを主張してくる。それでもその事自体に焦燥がないのは、見知らぬとは言えここへは何も拉致されて来た訳ではない事を、辛うじて憶えていたからだ。

 ああ、早く意識をはっきりとさせないと。まだ夜中なのに? でもこのまま寝こけているのは何か拙い。そもそもなんで目を覚ましたんだっけ……。

 グラグラとする頭で思考を纏めようとするが上手くいかない。…と、起き抜けの呆けた意識と対照的に過敏になった感覚が、自分が目を覚ました原因を捉えた。

 

「……厳寿よー 厳寿よぉぉぉ……」

 

 それは、この邸の現在の主を呼ぶ声だった。幽かにしか聞こえてこないのに、何故か意識に明確に刷り込まれる様な声音。凡そ人のものとも思えない不気味さを伴った呼び声だった。

 全くありがたくないが、怖気に震える事で眠気を篩い落として覚醒する事が出来た。最悪と言っていい目覚めだろう。

 

「ホラー物だと、不用意に確認しに行った登場人物は高確率で死ぬんだよなぁ」

 

 ぼやきながらも寝台から身を起こす。漸くはっきりしてきた意識で見渡すそこは、屯騎校尉公邸に用意された一室だった。

 益州巴郡より旅に出て、混乱する漢中(かんちゅう)を避ける為に荊州を抜けるルートで洛陽まで辿り着いた時には、目的の人物はその避けた漢中へと外征に出ていて会えず仕舞いだった。

 どうしたものかと思ったが、主の実家からの客人をただで返す訳にはいかぬと、公邸の留守を任されていた従僕達に引き留められここに逗留する事となったその最初の晩の出来事である。

 

 一刀は手早くフランチェスカ学園の制服を羽織ると、護身用の剣を片手に、声が聞こえてきたと思しき中庭へ向かう為に部屋を出た。夜闇の室内から外へ出ると、僅かだが闇が薄らぎ少しは視界が利くようになった。空を見上げれば、頼りない半月が睨め付ける半眼の様に下界を見下ろしていた。

 

「……月まで不気味に見えてくるな」

「なに頼りない事言うてんの」

 

 独り言に返事を返され、ビクッと振り向けば、寝間着姿に特徴的過ぎる穂先を持つ螺旋槍(らせんそう)を担いだ曼成が此方に歩み寄って来ていた。

 

「真桜も起きたのか」

「あない底冷えする声で呼び掛けられたらおちおち寝ても居れんわ。まぁ、ウチらが呼ばれた訳やないけど……」

 

 二人並んで客亭の小門までそろそろ進みながら、その先に続く回廊と庭園に目を凝らす。風もなく、虫の音もしない静かな庭園。不自然なほどに何の気配もしない。先程の呼び掛けは幻聴だったのか? と考えそうになるほどの静寂が布かれている。ここに出張って来たのが自分一人だけであったなら、そう結論付けて寝室に戻っていた事だろう。

 

「なんやと思う?」

「なに、って言われてもなぁ……。取り敢えず、人っぽくはない、かな?」

「……気ぃ滅入るわぁ」

 

 こそこそと二人揃って門の陰に身を潜ませながら周囲を窺う。と、曼成が小さな声で問い掛けてきた。此方も声を潜めて応える。自分で言ってて何言ってんだと思うような内容だが、曼成も否定することなくげんなりとぼやいた所を見ると、どうやら自分と似たような心情に陥っているらしかった。

 来る世界間違えてるのかな?

 突拍子もない考えが不意に沸く。間違えていると言えば、そもこの世界が自分の知る三国志と比べて大いに間違っているのだが、それにしても、いきなりジャンルが変わってしまったかの様だ。いや待て、演義にも仙人が出て来て不可思議な術を披露したりするし、出演作『封神演義』と間違ってない? と聞きたくなるような敵キャラも出てくるし、案外ホラー展開もありなのか? ……いや、ないな、ないない。

 ぶんぶんと頭を振っておかしな考えを振り払う一刀を、怪訝な表情で窺う曼成。その視線に気付き、気まずげに咳払いを一つ、改めて深夜の庭に目をや、ろうとして全く違う所へ吸い寄せられた。

 普段着よりも寝着の方が露出度が減るというインモラルな違和感に包まれながら、襟元から覗く豊満な双山に視線が引き寄せられる。この暗闇の中、半月の頼りない朧明かりでも白く映えるそれは、健康優良青少年のハートをがっしり鷲掴みする魔力を放っていた。これは致し方ない。

 

「な訳あるかいな。ウチの魅力にめろめろなんはしゃーないにしても、緊張感無さ過ぎやで」

「う……!? ご、ごめん」

「まぁ、ええわ。おかげでええ具合に力抜けたしな」

 

 一刀は流石に節操がないと猛省するが、曼成はくくっ、と小さく笑いを漏らし満更でもなさそうな様子だ。

 憎からず思っている男が、自分に女を感じているのだ。嫌な気分になる筈など無い。こんな状況でもなければ悦んで押し倒されたいところだが、生憎と向こうの闇の中に何が潜んでいるかも判らないこんな処で乙女を捧げるつもりはない。

 全く、本当に状況を考えて欲しいものだ。もっと違う時ならば自分が一番乗りだったのに。そもそも、ここまでの旅路でいくらでも機会があったというのに、よりにもよって今この時にだなんて、この男は……。

 すまし顔でその実悶々としながら、曼成はそれを吐き出すように、或いは誤魔化すように軽口を叩いた。

 

「ほんま大物やな、一刀はんは」

「いや、自分でやらかしといてなんだけど、その評価はおかしいだろ」

 

 確かにそうかも、と二人目を合わせ、くすりと笑い合う。不穏な暗闇の不気味さを忘れるほんの一瞬の隙間。その隙間を狙い澄ましたかのように再びあの呼び声が響いた。

 

「……厳寿よー 厳寿よぉぉぉ……」

 

 反射的に昏い庭園を振り向く! しかし、そこに声の主らしき存在を見出す事は出来ない。声も、近くもなく遠くもないところから、大きくも小さくない声量で、なんとも曖昧な、現実味を欠いた響きであった。

 

「あ~、もう、なんやっちゅうねん」

「やっぱり、人じゃないよなアレは……」

「洛陽は魑魅魍魎がうようよしとるっちゅーんのも与太話やなかったんやな」

「それは比喩だと思うけど……」

 

 こんな時でも軽口を叩ける曼成に、頼もしさを感じながら応じる一刀。そこでふと気になった。

 

「ところで、なんで慶祝さんを狙ってるんだろう?」

 

 狙っている、という表現が合っているのかどうかは解らないが、少なくともあの声からは良い印象は抱けない。

 

「なんやろなぁ。桔梗様のお嬢の事は正直よう知らんけど、桔梗様や焔耶はんの話聞く限りでは化け(モン)と因縁あるようなお人とは思えんけども……」

「人じゃなくて、邸に取り憑いてるとか?」

「たまたま今の主人がお嬢やから? うーん、どうなんやろ。そんな幽霊物件、高級武官に宛がわへんやろ」

「そりゃそうか」

 

 何となく気になったが、当然答えは出ない。それが余計にもやもやとするのだが、余計な思索に耽る余裕は不意にガサリと鳴った葉擦れの音に追い遣られた。

 思わず得物を握る手に力が篭もる。音の出所を見極めようと庭園を注意深く観察する。ガサリ、とまた鳴った。木だ。庭木が風に揺れて枝葉が音鳴らしたのだ。……いや、違う。

 

「風もないのに……」

 

 意識せずまろび出た呟きに反応するように、一本の木が大きく揺らめいた。違う、それも違う。

 それは木ではなかった。樹木のように痩せ細った3m程の巨人であった。木の(うろ)のような顔、樹皮の如き肌、節くれ立った長い腕、虎の腰巻から伸びる一本足には全く似合っていない赤い靴。それは本来南方の山中に祀られる樹怪、山魈(シャンシアオ)(*194)であった。

 

 樹怪は小器用に一本の足で此方に歩み寄って来た。窺うように、確かめるように、ゆっくりと、ゆっくりと。

 

「うひぃ、ほんまに化け物やないか!?」

 

 弱気な呻きを漏らしながらも、手にした螺旋槍を構える曼成。柄の先端、口金部に取り付けられた絡繰りをガシャンと引いて螺旋槍を起動させた。

 一刀はこの一連の手順を見る度に、ポンプアクション式のショットガンを連想する。前床(フォアエンド)の様にスライドさせて螺旋槍の穂先を始動させるのだ。と言っても、ロボアニメのドリルの様に高速回転する訳ではない。スライド回数を増やせば、回転力は徐々に上がるが、それよりもこの螺旋槍の回転は敵、或いは構造物を突き穿つ事で推進力を得て回転を増すのだ。突撃によって螺旋力(曼成は好んでこの語で語る)を増し、螺旋力が上がれば突撃の威力が更に増加する。見た目通りに中々凶悪な個人兵器である。

 曼成は念入りに前床をスライドさせ、螺旋槍を樹木との合いの子の様な巨人に向けた。その淀みのない動きからは先の言葉ほどの狼狽は見て取れない。一刀にはいつも通りに見えた。

 その様子に安堵を憶えている事に気付き、自身も剣を抜いた。情けないな、と思いながら。確かに彼女の方が荒事には慣れているし、実力も上だ。だが、このような奇怪な存在を向こうに回して立ち回った経験は流石にあるまい。

 残念ながら、ここは俺に任せろ! なんて格好良くは言えないが、それでも曼成の後ろで縮こまってなどはいられない。せめて、並び立って怪物に立ち向かわなければ、余りにも情けな過ぎて男の一分が立たない。

 すぅはぁ、と意識して呼吸を整え、気迫を込めて正眼に構えた。

 

 

 ――――

 

 

 真桜は油断なく怪異を待ち構えながら、精悍な表情で剣を構える一刀を横目に捉える。普段は朴訥な優男然とした一刀がこうして時折見せる()()()な一面が、真桜はたまらなく好きだった。判り易く気分が高揚している自身に、ウチも大概緊張感ないなぁ、と隣立つ相棒に聞こえないように呟いた。

 どのみち、被せる様に響いた怪物の不快な声の所為で少年には聞こえなかっただろうが。

 

「……厳寿ぅぅううぅぅ? ぅぅーうーうぅ?」

 

 のそり、と間近に迫った樹怪が何故か一刀の方に顔を向けながら、何度も口にする名をまた挙げた。それが真桜には妙に引っ掛かった。

 なんやこいつは、厳寿が男が女かも知らずに探しとるんか?

 だが、その疑問は取り敢えず差し置いた。置かざるを得なかった。次に呟いた怪物の言葉が耳朶を叩いた瞬間に、真桜は螺旋槍を突き出し突進した。

 

「…………み…遣いぃぃぃい? い?」

「どぉりゃあああああ!!」

 

 気合い一閃、螺旋槍の穂先は過たず樹怪の腰を捉え、一気に貫いた。一刀が樹怪の言に呆気に取られている間の出来事だった。

 刹那の決着。人の感覚からすればそうだ。だが、相手は人智及ばぬ化外の生。綺麗に上半身と下半身に泣き別れした樹怪はそれでも活動を止めなかった。

 上半身は崩れ落ち様、長大な腕を振るって真桜を横薙ぎに吹き飛ばした。下半身はゆらゆらと倒れそうになるのを堪えている。あれはもしかして、独立して別々に動き回るのか?と嫌な予感に一刀の背中に冷たい汗が伝う。

 今や二つとなった怪異に剣を向けながらも、ちらりと吹き飛ばされた真桜を窺えば、螺旋槍を支えに立ち上がろうとしており、大きな怪我はなさそうで安堵の溜息を吐いた。そこで邸の本堂の方からガヤガヤと人の気配を感じた。そちらの方向に振り向けば、チラチラと灯りが瞬いているのが確認できた。従僕達が異変の様子を確認しに来たのだ。

 不味いな、と一刀は考えたが、この邸に従事している者は皆、元は義勇兵であり、現在は厳慶祝の部曲として活動する者達だ。荒事には一刀よりも余程慣れていた。無論、異形の化け物との戦闘経験のある者は居なかったが……。

 

「一刀はん!!」 

 

 真桜の絶叫に反射的に退いた。それが寸でのところで妖樹の一撃を躱す事となった。振り下ろされた五指が深々と回廊の石畳を貫くのを見て、一刀は身を包む空気が二、三度冷えたような錯覚に包まれた。

 

「御遣いよぉぉおおお……」

「……俺が狙いなのか?」

 

 腕立て伏せの要領でゆっくりと上体を引き起こしながら、妖樹が呼び声を上げる。攻撃の鋭さと、今の動きの緩慢さに、腕力があるのないのかどうにもチグハグな巨体の妖異から更に二、三歩距離を開けながら、一刀は沸き上がった疑問を口にした。

 話が通じるようには思えなかったが、つい問い掛けてしまった。最初は確かに厳慶祝を狙っていた筈だ。しかし、今やその標的は天の御遣いに移っている。何故だ。どうにも繋がらない。二人の間になんの共通点があるというのか……。

 だが、今はそんな疑問に思考を割いている余裕などなかった。

 ふらついていた下半身が落ち着くと、そのまましっとりとした足取りで歩み寄って来た。身体の下半分だけ、という異常もさることながら、独脚で()()という条理を逸脱した移動法に、脳が目の前の現実を拒否しようとするのを抑えて一刀は怪物と対峙した。

 

 二対一の構図は不味い。目の前には上半身、一刀から見て右側から回り込もうとしている下半身。左側、4mほど向こうには立ち上がろうとしている真桜。

 まず真桜と合流する。上半身と常に正面から向き合うように摺り足で横回りに真桜をかばう位置まで回り込み、そのまま、相対したまま後退する。その頃には真桜は完全に立ち上がっており、上半身もこちらに向き直っていた。下半身は大回りで上半身の左隣に立とうとしていた。

 

「大丈夫か? 真桜」

「あ~、なんとか。全く、化け物ちゅうのは随分としぶといんやな。なんであれでまだ生きとんねん。っちゅーか、どないしたら死ぬんや?」

「……定番だと、やっぱり頭を潰す。とかかな」

「天の国って、結構“でんじゃらす”なとこなんか? 化け物相手の定番なんぞあるんかいな」

「あー、いや、実際に対怪物戦があったりするわけじゃないんだが、なんというか、その……」

「ま、なんでもええわ。他に方策もない事やし、頭狙いでいこか」

「ああ」

 

 にじり寄る怪異に武器を向けながら、手早く方針を纏める。しかし、決定的な部分で意見が食い違った。

 

「ほな、ウチが上半身をやるさかい、その間、一刀はんは……」

「いや、俺が上半身を引き付ける」

「?! 何言うとんのや!」

「どのみち、あいつの狙いは俺だ。上も下も、俺に襲い掛かって来るのは目に見えてる」

「だからって……!!」

 

 上下揃って近付いてくる樹精。人の間合いでは遠いが、巨体の腕は長く鋭い。もう幾許も猶予はない。

 

「膝を穿てば多分動きを封じれる。正面から頭を狙うよりも横合いから刺した方が容易いはずだ!」

 

 言いながら、左前方に駆け出す一刀。最早反論の時間すらもなく、否応なく真桜は一刀の案に乗るしかなかった。上半身は右を向いてその長腕を振り上げた。下半身は馬鹿みたいに上半身を中心に右回りで旋回している。

 だから、そのまま待ち構えた。真桜の正面に来てもまだ動かない。恐るべき五指が一刀に何度も振り下ろされても動かない。寸でのところで怪物の凶指が少年の横腹を掠めても、まだ動かない。護身用にと、頑強さを第一に自身が鍛えた剣が折られても、それでも動かない。不細工な一本足が更に歩を進めるまでは……。

 真桜の左斜め前方、螺旋槍の穂先と、樹怪の膝と頭部が一直線に並んだその瞬間、真桜は遂に解き放たれた。巨大な弩矢となって、一撃で決着をつける為に、一刀の信頼に応える為に、惚れ直した男の命運を取りこぼさぬ為に。

 

 樹怪の下半身は今度は膝を支点に分割され吹っ飛んだ。螺旋槍は怪物の腿とふくらはぎを削りながら螺旋力を増し、敵の本丸を捉えた。しかし、頭部へ到達する寸前、差し込まれた大きな左手に受け止められた。

 

「ウチの螺旋は……っ!」

 

 だが、それでも螺旋槍は止まらない。持ち手の突進に呼応するように唸りをあげ、掌を穿つ。樹怪は穴の空いた手でそのまま槍の穂先を握り込んでくる。五本の指と、高速回転する螺旋槍が火花と異音を上げて拮抗する。しかしそれも数瞬の事……。

 

「只の螺旋やないっ!!」

 

 ミシリ、と何かが軋み、怪異の手が木っ端と砕けた。

 

「一刀を護る螺旋やぁぁあああっ!!!」

 

 そして遂に、全ての障害を貫き通し、洞のような顔に、最後まで愛しい男を付け狙ったそいつのこめかみに衝き刺し、穿ち、削り、消し飛ばした。

 

 

 ――――

 

 

 翌日、ひどく爽やかな秋晴れのその日、一刀達は来客を迎える事となった。

 その為、家僕達は早朝から忙しなく働いている。

 前夜の痕跡を消す為だ。突如出現した怪異の事に関しては、此方が何か言いだす前に当然のように緘口令が布かれた。主人の邸に化け物が出たなどという風聞が流布するなど許される筈がないと、一致団結をみせた家僕達の様子に、未だ見ぬ厳顯義の一人娘に対する印象が上向いたのは言うまでもない。

 従僕達もあの樹怪が自分達の主を探す声を聞いて隊伍を整えて出てきたのだが、どうやらその後で天の御遣いに狙いを変えたところまでは聞き及んでいないようだった。一刀としては正直、胸を撫で下ろしたいところだが、何故後半の呼び声が彼等に届かなかったのかは解からなかった。目の前に標的が居たから、無闇と声を響かせる必要がなかったからなのかな? くらいの考えを及ぼすのが精々だ。

 怪異の死骸は、幸いに砕けた樹木の残骸に酷似していたので処分には思ったほど手間取らなかったが、戦闘痕はそうもいかず、園丁の手が足りないが外部の職人を呼ぶわけにもいかず苦戦していた。また、大きな一枚岩で造られていた石畳なども即座に手配できず、損傷した部分だけ複数枚の石板で応急せざるを得なかった。

 

 本来ならば、このような事態で客を迎えるなどあり得ず、そもそも主人不在のこの邸に来客が重なる事が普通はない筈なのだが、その主人が『何かあった時には』と頼んでいた友人が訪ねてくるというのだから、追い返す事も出来なかった。

 もとより、一刀達の訪問を受け、この友人に声掛けたのが従僕自身なのだ。文句の言いようもない。まさか、忙しい身の上の彼女が次の日にはもう訪ねてくるとは思っていなかったが。

 そして、事前の連絡では昼頃訪ねてくるという話だったが、実際にはそれよりも少々早く訪問して来たのは、巴郡で厳慶祝と友誼を結び、現在は宮中で侍御史を務める董幼宰であった。

 

「何事かあったようだが、それは解決したのか?」

「え、ええ、まぁ、はい」

 

 本堂の応接間で簡単な自己紹介の後、運ばれて来たお茶で唇を湿らせて直後の幼宰の第一声に、一刀は少々キョドりながらも返事を返した。

 

「不躾で申し訳ない。この子達が随分と興奮していてな」

 

 そう言って、幼宰は脇に控える二頭の大型犬の頭を優しく撫でた。慶祝の実家では魏文長が居た為、正門で家僮に預けていたが、ここでは遠慮はいらないから、と親友に言われており、幼宰は二頭の愛犬、剣司と秤司を常々そうしているようにこの応接間にまで連れ歩いていた。

 犬の鋭敏な感覚が怪異の残り香でも嗅ぎ取ったのかな? と一刀は感心し、同時に警戒もしたが、幼宰はそれ以上追及する積りも無いようで、話を次に進めてきた。

 

「巴郡から桔梗様の使いが来たと聞いて居ても立っても居られなくなってな。昨日、洛陽に到着したばかりで疲れているだろうに悪いとは思うのだが、巴郡の近頃の様子などを聞かせてもらえると嬉しい」

「はい、それくらい喜んで……」

「あ、ほな、ウチも最近の中央の事情を知りたいんやけど。桔梗様から頼まれとるんよ」

「矢張り、桔梗様も気に掛けておられるか。勿論、私の知る限りの事を話すよ」

「それと、ウチ、こんなんやから敬語とか苦手なんやけど、堪忍してな」

「もとより私などに敬語を使う必要はないさ。ここには中央官として顔を出している訳でもないしな」

 

 見た目の印象よりも割とフランクな人だな、と一刀は幼宰の人物像に修正を加えながら歓談を始めた。

 まずはより詳しい自分達の話から始まった。自身が居ない間に現れた巴郡の新しい能吏の事は矢張り気になるようで、随分と喰い付いて来た。ただ、一刀は官職に就いてもおらず完全な食客状態の為、説明に少々苦慮した。

 昨晩の事もあり、天の御遣いであるという事は秘密にしようと曼成と話し合って決めていた。元々、自分がそんな大層な肩書を背負うような存在であるとの意識など殆どなかった為、願ったりであった。服装もフランチェスカ学園の制服ではなく、質は良いが特に特徴のない漢服を着込んでいた。

 因みに、旅の途上でもこの格好で通してきた。フランチェスカの制服はとにかく目立つ。あんなものを着てふらふらしていては、無駄に匪賊を呼び寄せるだけだと曼成に言われたからだ。数少ない元の世界との接点であり、この地に来てから愛着の増した一品ではあったが、無用なトラブルを避ける方が余程大事なので、特に文句なく従った。ただ、洛陽入りしてからは、押し出しがきくという事で着用していた。実際、どこぞの貴族の子息とでも思われたのか、門亭などの検問も緩いものであった。

 

 次に巴郡の現状だが、郡内は非常に安定している。だが、州内にまで視点を広げると話は変わってきた。益州牧劉焉は沈黙を保っているように見えて、その軍事力は日に日に肥大化しており、軍部には見えない緊張の糸が張り巡らされている。そして漢中郡の変事である。これには本来この場に居る筈の厳慶祝が討伐に向かっており、宮中の噂では討伐が成れば中領軍への累進が内定しているという。

 

 そこから宮中の話に移行した。その話題は何と言っても皇帝の病状だ。もう既にその存命は絶望視されており、早ければ数日中にも崩御するかも知れないとのことである。本来ならば、董幼宰はここへ顔を出す暇もないのだが、その玉体に何かあればそれこそ訪問する隙間など完全に消し飛んでしまう為、無理を通して今日この場へやって来たのだった。

 天子崩御となれば、当然、次期皇帝の座に誰が、どちらが座る事になるかであるが……。ここまで話して、幼宰はしばし黙考した。

 

「どないしたん? 情勢は混沌としとんの?」

「……いや、恐らくはだが、協皇女殿下が戴冠なされると思う」

「え?」

 

 幼宰の出した結論に、一刀が反射的に声を上げてしまった。しかし、幼宰はそこに特に疑問を差し挟まなかった。宮中でも弁皇子戴冠が有力視されているからだ。だが、一刀は何故幼宰がその結論に達したのかが気になった。

 一刀の知る歴史では、確かに最終的に劉協が皇帝となる。漢王朝最後の皇帝に。しかし、劉弁もまた皇帝の座に昇るのだ。ほんの一時ではあるが、確かに。

 その事を知るのは一刀だけであるが、曼成もやはり同様の反応を示した。

 

「下馬評やと皇子殿下優勢らしいやん。幼宰はんはなんで皇女殿下が勝つと思うとるんや?」

「私の考え、という訳ではないのだ。黄門侍郎殿が、皇女殿下こそが皇帝の座に相応しく、また事実そうなると仰ってな。私にもどういう経緯を辿るのかは皆目見当がつかないが、最終的には此度の継承争いは協皇女殿下の戴冠で決着するのではないかと、な」

「……はー、その黄門侍郎様はよっぽどの智恵者みたいやな」

「時折、恐ろしく感じる程だよ」

「誰なんです?」

(じゅん)公達(こうたつ)殿だ」

 

 出てきた名前の大物振りに瞠目して驚きを露わにする一刀。曹操に仕えた稀代の戦術家、荀攸(じゅんゆう)(*195)。そう言えば、曹操に仕える前は朝臣だったっけ。と記憶を掘り起こす。

 

「知っているのか?」

「え、ええ、まぁ」

「一刀はんは人材“まにあ”やから」

「まにあ?」

「あー、方言や。気にせんといて」

「……ふむ」

 

 一刀の反応に幼宰が問うと、曼成が茶々を入れるがドツボに嵌りかける。一刀が会話の中で時折漏らす天の言葉を気に入った曼成が、覚え込んで自分でも使い出したのだが、普段は二人きりで話をする時しか天の言葉を使わない。だが、最近はずっと二人きりの状況が続いていたので、つい幼宰の前でも口を滑らせてしまった。

 特に追及してくる幼宰ではなかったが、彼女の親友がこの場に居れば、かなり大きな引っ掛かりを感じていることをその表情から気付いたろう。しかし、今日初めて彼女と出会った二人には、殆ど表情の揺らがない董幼宰の内面は全く推し量れなかった。

 

 その後、洛陽の現状から各地の情勢、市井の噂、漢土内外の異民族の動向まで、互いに知り得る事を多く語り合った。

 気付けば陽が傾きかける刻限となっていた。流石にそろそろ戻らねば拙いな、と幼宰が呟き、そろそろお開きかと言う空気が場に流れた。

 

「ところで、二人は蕣華とは面識もないだろうに、何故使者に選ばれたのだ?」

「え…っと、そう言えば、この事を頼まれた時に桔梗さんに聞いたんだけど、結局うやむやになって俺も理由は分からないな」

「曼成は察しがついていそうだな?」

 

 最後に振られたこの話題に、曼成はつい眉根を寄せてしまっていた。直ぐに表情を消したが、見咎められていたようだ。う~、と口の中で呻り、あて推量やで。と前置きしてもごもごと切れ味悪く語り出した。

 

「桔梗様は巴郡の名士で、地元豪族厳氏の当主や。そのお嬢が正式に中央に仕官した。独り立ちしたっちゅうわけやな。もう、どこに出しても恥ずかしゅうない一人前って事や」

「ほう」

 

 曼成の遠回りな言いように、幼宰は実に面白げに相槌を打った。一刀は、(曼成もだが)今日初めて幼宰の表情が動いたのを見た。そして、幼宰は興味深そうに一刀の顔をじっと見詰めるのだった。

 

「えぇっと、つまりどういう事?」

「君が蕣華の婿候補という事だよ」

「………………えぇっ?!!」

 

 青天の霹靂。正に雷に撃たれた人の様に硬直し、動きを止めてしまった一刀を横目に眇めて、曼成を深く深く溜息を吐くのだった。

 

「ほんま、一刀はんは助兵衛の癖に鈍ちんなんやから」

「君をお供に付けるとは、桔梗様もなかなか酷な事をする」

「ウチは温情や思う事にしとる。ほんまは焔耶はんも一緒に来させたかったんちゃう?」

「あの焔耶殿が?」

「表面上はツンツンしとるけどな。ウチの眼から見れば一目瞭然やで」

「それはそれは。北郷、君は実に興味深いな」

「ちょ、ちょっと待ってくれ、真桜。既に頭がパンクしそうなんだ。これ以上畳み掛けないでくれ」

「まぁ、ウチは最悪 妾でもかまへん。けどな、三番目より序列は絶対下げんからな!」

「それはつまり、まだ他にもいるのか……」

「ねぇ、お願い。聞いて?」

 

 そこには最早前夜の緊迫など微塵もなかった。

 このようにして、一刀の洛陽滞在は幕を開けた。そう、この後、一刀は暫く洛陽から離れられなくなった。洛陽が、いや、大陸が喪に服する事になったからである。

 その間にも時代は流れ続ける。一刀が足を踏み入れた航路は、未だ彼をどこへ運ぶのかを明らかにしない。

 

 

 第十九回――了――

 

 

 ――――

 

 

 北郷一刀と李曼成が山魈を撃退したその時、屯騎校尉公邸の敷地内の片隅で、事の推移を見守る者がいた。いや、見守るというのは正しくないだろう。歯軋りしながら、遠く曼成と無事を確認し合う北郷一刀を射殺さんばかりに睨み付けているその男こそが、この事態を引き起こしたのだから。

 その背後、夜闇の中に黒々とした褐色の巨体が浮かび上がる。圧倒的な存在感。しかし、男は気付かない。破滅が形を成して降臨しているというのに、意識を全て北郷一刀に注いでいる為に気付けない。その所為で死神を招き寄せたというのに、想像すらしていない。だがそれも仕方ない。男はそんな事は聞いていなかった。実際にその肩を叩かれるまで、もう何もかもが手遅れになった今この瞬間まで、男は知る由もなかった。振り返って初めて知った。

 絶望は、笑顔で迎えに来ることを――。

 

 

 二時(四時間)後、艶々とした笑顔の巨漢が見事過ぎる肢体を惜しげもなく夜気に晒して屹立していた。

 

「さて、どうしたものかしらね」

 

 良い汗を掻いた後の清涼な肌艶を確認しながら呟く。

 

「あの娘を狙ったのなら、ぎりぎり見逃さないでもなかったけれど、ご主人様まで標的となると、彼女を狙う理由も見過ごせないものであったって事よねん」 

 

 ゆっくりと身体の調子を確かめる様にポージングを決める。ダブルバイセップスからラットスプレッド、サイドチェストへと、雄大な大河の流れを思わせる流麗な動きでその美を高めていく。

 

「ここで会うつもりはなかったけれど、……いえ、やっぱり止しましょう」

 

 一通り基本のポージングを終えると、ふぅ、と一息吐いて、足元に転がっていたものを肩に担いで軽く跳躍した。重力を感じさせない動きで塀を飛び越えると、夜の終わりに紛れる様にその姿を消した。

 

 

 ―――管理者は管理者らしく舞台裏で事を済ませましょう。この世に生きる全ての者が己が生を、即ち己が物語を全うできるよう整えるのが使命なのだから。

 だからご主人様、もう少しだけ待っててねん。直ぐに雑事を済ませて今度こそ会いに行くからん―――

 

 

 




*193李典:兗州山陽郡鉅野県(きょやけん)出身の武将。従父の李乾(りけん)が曹操の挙兵に応じて食客数千人を伴なって馳せ参じその幕下で武功を上げた。呂布叛乱時に命を落とし、その後を息子の李整(りせい)が継いだが、程無くして李整も没した。そして、その後を継ぐ形で李典は曹操の配下となった。はじめ潁陰県令、中郎将に任官し、幾つもの重要な戦いで戦功を上げ、順調に累進していったが、三十六歳という若さで若死した。学問を好み、多くの書物に目を通し、他と功績を争うことなく、常に謙虚であった為、多くの人から信頼されたという。
恋姫ではチートクラスの開発力を誇る発明家にして関西弁を操る魏将として登場する。凪、沙和と親友で、三人揃って三羽烏と称される。

*194山魈:中国南部で広く伝わる山の精、樹怪。元は少数民族の越人の伝承であったと言われる。異様に背が高く、一本足の異貌の人間の姿で現わされる。山中に住むとされる樹木の精。樹怪の総称として呼ばれるようだ。漢代の『神異経』『西荒経』によれば、西方の山奥に棲んでおり、これに出会った人間は高熱を発し苦しみながら死んで行くとされる。春節の際に山から人里に下りてくるため、人々は春節を非常に恐れていた。 中国最古の歳時記『荊楚歳時記』によれば、正月には爆竹を鳴らして山魈を避けたと記述されている。 虎を使役し、人間と交渉を持つ事もあったと言われる。

*195荀攸:豫州潁川郡潁陰県出身の政治家、軍師。荀彧の年上の甥。はじめ孝廉によって潁川の郡吏として登用されたが、何進に招聘された二十名の名士の一人として中央に赴き黄門侍郎に任じられる。何進死後に董卓が実権を握ると、その暗殺計画に加担したが事前に発覚。投獄されたが処刑前に董卓が呂布によって暗殺された為、寸でのところで救出された。その後、蜀郡太守を望んだが、劉焉の独立活動の為に任地に赴く事が出来なかった。暫く野に留まっていたが、荀彧の推挙によって曹操に軍師として仕える事となる。張繍(ちょうしゅう)征伐ではその献策が用いられる事はなかったが、その為に敗北を喫した曹操は、その後、多くの戦で荀攸の進言を用いて勝利を重ねた。曹操の覇道を類い稀なる軍才で支えたが、孫権討伐時に病に伏せ、そのまま陣中で病没した。
本作では、犬耳頭巾を被った桂花似の黄門侍郎・軍師として登場する。史実通り、何進によって黄門侍郎となった。現在は劉協に忠誠を誓っており、帝位に就けようと策謀を巡らせている。

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