パワフルプロ野球 僕らのマイライフ   作:IMO&IMO

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パワフル高校対バス停前高校の練習試合です。
杉村は試合に出れるのか?


練習試合

あかつきの練習を見学してからひと月以上が経過した6月のはじまりの日曜日。我がパワフル高校はバス停前高校と練習試合をおこなっている。試合は6回表がちょうど終わったころだ。試合はこちらが高校で1対7とリードをしている。試合の流れはこうだ。まず3回にツーアウトからヒットと四球でツーアウト一、二塁とするとここで3番の尾崎先輩がライトオーバーのタイムリーツーベースで2点を先制する。さらに5回ワンアウトから四球、ヒット、ヒットで満塁にすると再び3番の尾崎先輩。ここできっちりと犠牲フライを決めて追加点をあげた。相手投手はさらに次の4番打者で死球を出すと5番の石原キャプテンのところでど真ん中のストレートを投じた。それを見逃さずにフルスイングした結果レフトフェンスをこす満塁ホームランを放って点差は7に。そしてさっきの6回にヒットとエラーで相手が1点をとりかえした。気がつけば6回裏は三者凡退であっさりチェンジだ。すると監督がここでスゴイことを言い出した。

大波「レギュラー陣お疲れ様。予想以上に点差が開いたから一年生を何人か試したいのだが石原どう思うか?」

石原「しかし監督。それは相手に失礼ではないでしょうか。」

大波「スタメンはここまでのゲーム展開で決めたんだがベンチ枠が何人か決まっていないから誰か一年でいいのがいたら入れようかなと思っているんだが。」

石原「わかりました。では交代をつげに審判に言いにいくんで誰を出場させるんですか?」

大波「まず投手は吉田。あと尾崎をセカンドにして、ショートに杉村。お前が守れ。あと外野に・・・」

矢部「おいらでやんすね。」

大波「山本。ライトにいけ。一応これが候補だ。」

矢部(おいらは?泣)

矢部「亮君頑張るでやんすね。」

杉村「うん、ありがとう。俺頑張るよ。」

尾崎「杉村はよ守りにつけ‼︎」

杉村「わかりました。今いきます。矢部君も応援よろしくね。」

矢部(亮君羨ましいでやんす。)

 

試合は終盤の7回。なんと俺は途中出場で試合にでている。監督は来月からはじまる夏の予選のベンチ入れ候補だと言っていたからここでアピールできれば一年から大会に出場できるということになるから頑張ってやる。しかし俺は初試合だったためかかなり舞い上がってしまった。(カキーン!)

かわった直後いきなり打球が飛んできた。ちょっと深めだったが追いつける範囲だった。俺は三遊間に転がった打球を捕球したがその後、ランナーの足が早かったため送球を急いでしまった。結果悪送球になり、それがきっかけでまた点が取られた。

結果、守備ではエラーをしてしまった。打撃で見返そうとしたが打席は回ってこなくそのまま試合は終わった。

スコアは7対3で俺ら一年はいいとこが全くなかった。こんなに悔しいのは初めてだった。

今日は試合だけだっため17時前に解散となった。

俺はまっすぐ家に帰った。

杉村「ただいま。」

母「おかえり。今日試合だったんでしょう。勝った?」

杉村「うん。勝ったよ。俺ちょっとバッティングセンターに行ってくる。夕飯までには戻るよ。」

母「気をつけなさいよ。」

俺はそのまま商店街の方に再び歩き出した。

 

バッティングセンターは学校に行く途中の商店街の東口の方にある。

バッティングの中はほとんど人がいなかった。しかし1人だけ見覚えのある人がいた。緑色の髪でサイドに三つ編みをして野球をしている女の子なんて俺は1人しか知らない。俺はゆっくり彼女に近づいていった。

杉村「あおいちゃん?」

あおい「あれ亮君。久しぶりどうしたの。」

杉村「ちょっと打とうかなと思ったらあおいちゃんがここで投げていたから挨拶でもしようかなと思って。」

あおい「そうなんだ。ならもう少しだけまってくれるかな。すぐに終わると思うから。」

杉村「うん。別にゆっくりでいいよ。」

彼女は言葉代わりに笑みで返してきた。

彼女はなんとあと2球でパーフェクトだ。持ち玉はあと3球。ここで俺はあることに気がついた。ここのストラックアウトは持ち玉10球で9マスを当てなければならないかなり難しい方だ。1度しか失投が許されないこのストラックアウトプロでも難しい方だ。さらにこのストラックアウトは1から9の番号がばらばらに並んでいてそれを順番どおりに当てれば豪華な賞品が貰えるらしいが、パーフェクトは見たことあっても順番どおりに当てた人は俺はまだ見たことがない。しかし彼女はここまで7球全て当てている。それも数字の順番どおりに。

彼女はゆったりとしたフォームだった。そして彼女は地面すれすれからボールを投げた。つまりアンダースローだ。8番のコースはど真ん中だ。みごとに当ててリーチにした。そしてラストは右バッターのインローのコースだ。彼女はもう一度アンダースローからボールを投げた。しかしそのボールは先ほど当てた8番にめがけていた。俺は彼女の失投と思っていたが(シュッ。クック!)

そこからなんと球は9番の方向に急激にしずんで(パーン)

みごとに命中。同じ高校生とは思いない変化だった。

あおいちゃんは得意げな顔をして降りてきた。

あおい「どうだった。僕のシンカーは?」

正直言葉が出なかった。猪狩守といいあおいちゃんといい本当みんな凄い投手だ。俺はこんな投手から打てるのか心配になっていた。

あおい「えー。亮君大丈夫?」

杉村「あ、うん。凄いシンカーだね。これなら甲子園も夢じゃないよ。部員もこの時期ならきっと集まったよね。」しかし今度はあおいちゃんの方が黙り込んでしまった。

すると後ろから恋恋の男用の制服をきた男がやってきた。

男「あおいちゃん。ごめん。お待たせ。」

あおい「俊太君。遅いよ。」

男の名前は俊太と言うらしい。

俊太「ごめん。ところであおいちゃん。その人は誰?もしかして噂の彼氏笑」

あおい「違うよ。そんなんじゃないよ。彼が杉村亮君。この前言ったでしょ。河川敷で知り合ったパワフル高校の野球部の。」

俊太「あーね。杉村ってこの人ね。俺、谷口俊太。恋恋の野球部のキャプテンね。一応ポジションはショート。よろしく」

杉村「よろしく。俺はパワ高の1年の杉村亮。俺のこと亮でいいよ。ちなみに俺もポジションはショート。」

俊太「そうなんだ。俺も俊太でいいよ。ところであおいちゃんなんの話をしてたの?」

あおい「実はうちの野球部について聞かれたんだけど。」

俊太「あー。確かに答えずらいよな。部員揃えることできねーし。」

杉村「えっなんで。」

俊太「実は男が7人しかいなかったんだよ。今年からということもあって知名度が低かったから。」

杉村「そうなんだ。」

あおい「ごめんね。僕が言うべきだったのに。」

俊太「あおいちゃん。お互い様だよ。困ったら助け合う約束だろ。そうだ亮。メルアド教えてくれないか。俺ら基本自主練だからたまに一緒に練習しようぜ。」

杉村「いいよ。いつか自主練しようぜ。そうだ。あおいちゃんもアドレス教えてよ。」

あおい「えっ。僕も。」

杉村「いやならいいんだけど。」

あおい「ううん。しよう。」

あおいちゃんはバックからピンク色の携帯を出してアドレスを交換した。

あおい「ありがとうね。亮君。今度メールするね。」

杉村「うん。待ってるよ。俺は今からワンゲーム打つけどあおいちゃんと俊太はこれからどうする?」

あおい「僕たちは今から2人で自主練をする予定だけど亮君も来る?」

俊太「そうだ。亮も来いよ。」

杉村「すまないけど早めに帰らないと飯がなくなるかもしれないからやめとく。また今度誘ってくれ。」

あおい「わかった。ならまたね。亮君。バイバイ」

あおいちゃんと俊太はバッティングセンターを後にした。俺もあの2人に負けないように頑張らないといけないと思いながらバッティングにはげんだ。

この先もうすぐしたら夏の予選がはじまる。我がパワフル高校はどうなるのだろうか。




遂にオリジナルキャラが出ましたね。谷口俊太少しチャラいが野球はそこそこうまいです。
選手の能力紹介はどこかでします。

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