生徒会書記「これで2学期の始業式を終わります。各クラスに戻ってホームルームをすませてください。いじょうです。」
生徒A「やっと終わった。今日も長かったー。」
生徒B「ホームルームだるいよな。」
矢部「杉村君。今日はミーティングだけだから練習終わったら一緒に帰ろうでやんす。」
杉村「いいね、矢部君。そうしようか。」
そして放課後
大波「・・・だからこれからは打撃練習と守備練習を強化する。今日のミーティングは以上。今日はこれで解散。」
部員「ありがとうございました。」
矢部「杉村君。一生に帰ろうでやんす。」
杉村「うん。帰ろうか。」
矢部「どこに行くんでやんすか?」
杉村「そうだね。バッティングセンターなんてどうだい?」
矢部「いいでやんすね。」
バッティングセンター
橙利「いらっしゃい。なんだ亮君か。」
矢部「亮君、店長さんと知り合いなんでやんすか?」
杉村「親父の野球仲間さ。藤咲橙利さん。」
橙利「こんにちは。その通り。あいつとは一緒に野球する仲なんだよ。ゆっくりしていってね。」
杉村「はーい。おっ。今月の飛距離ランクが乗ってるぞ。どれどれ一ノ瀬というひとの120Mかどんな人だろう。」
矢部「杉村君。とりあえずおいらからやるでやんすね。オリャーでやんす。」
カキーン!ピュー。
矢部「98Mでやすんす。杉村君次どうぞでやんす。」
杉村「よし、記録抜くぞ。エイッ。」
カキーン!ピューー!
矢部「115Mでやんす。記録更新とはいかなかったものの今日は杉村君の勝ちでやんすね。」
杉村「えへへ。やったね。よし帰ろうか。」
矢部「そうでやんすね。あっ。」
杉村「どうしたの矢部君?」
矢部「あそこにかわいい女の子が打ってるでやんす。それも小学生ぐらいでやんす。」
杉村「あ、ホントだ。それも110キロゲージだよ。あそこ。」
矢部「世の中にはすごい小学生もいるもんでやんすね。」
杉村「そうだね。この後どうする?」
矢部「そうでやんすね。町をブラブラするでやんす。」
杉村「よし、行こうか。」
夕方
矢部「そしたら、おいらはもう帰るでやんす。」
杉村「わかった。そしたらまた明日学校でね。」
矢部「分かったでやんす。また明日でやんす。」
杉村「もう一度だけバッティングセンターによって行こうかな。」
ウィーン
橙利「いらっしゃい。おや、今日は2度目だね。」
杉村「えぇ。もう少し打って帰ろうかなーって思って。」
橙利「そういうことかい。これ特別だよ。」
杉村「はい。ありがとうございます。」
橙利「紗黄。カウンター任せていいか?」
紗黄「いいわよ。」
橙利「よろしく頼むわ。あと亮君にあとで飲み物用意しといてあげて。」
紗黄「もう。お父さんったら。」
杉村「あ、別に僕飲み物いらないんで。少し打ってきますね。」
ビュッ。カキーン。カシャーン。
杉村「ふー疲れた。」
紗黄「はい。飲み物。」
杉村「えっ。」
紗黄「いいから。いいから。」
杉村「そしたら遠慮なくいただきます。」
紗黄「めしあがれ。」
杉村「あっ。美味しい。」
紗黄「野球頑張ってるみたいだね。」
杉村「えぇ。なんとか。紗黄さんも大変ですよね。隣の県の聖タチバナまで通って、その上仕事の手伝いなんて。」
紗黄「えぇ。でも電車でたったの15分ぐらいだからいうて通学は楽なほうじゃないかしら。」
杉村「でも、妹たちの世話もしてるんですよね。何年前かお母さんが亡くなってから。」
紗黄「えぇ。でも仕方ないことよ。それにもう3年はたってるのだから、今更くよくよしたところで意味ないことよ。」
杉村「そういうもんですかね。」
紗黄「そういうものでもあるのよ。」
杉村「そうなんですか。よし、ご馳走様でした。ありがとうございました。」
紗黄「また。いらっしゃいね。気を付けて。」
杉村「よし、俺も切り替えて秋の大会に出れるよう頑張るぞ。」
藤咲バッティングセンター
家族経営でいとなんでるバッティングセンター
もともと家族6人だったが3年前に母親であるあかねさんが亡くなってからは店長の橙利さんと長女の紗黄さんの2人で働いている
たまに妹たちも手伝いをしてるみたいだ
ちなみにここでは軽食や飲み物など本当にかるめの喫茶店もやっている。
看板メニューはナポリタン。